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「タワマン、30年後には廃墟になる」SNSで広がる“終焉論”に不動産歴15年プロが物申す

  • 2026.4.24
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産業界歴15年でマンション管理士の資格を持つ不動産ライターの西山です。SNSなどを眺めていると「タワーマンションの大規模修繕は高額すぎて不可能だ」「30年後には廃墟になる」といった極端な意見を目にすることがあります。

たしかにタワマンの修繕には莫大な費用がかかるものの、すべての物件が同じ課題を抱えているわけではありません。今回はSNSで拡散される終焉論の真偽と、購入前に確認すべきポイントをプロの視点で解説します。

高額な修繕費用を乗り越えつつある初期タワマンの現実

タワマンの大規模修繕費用が、一般のマンションに比べて高額になるのは事実です。足場を組むのが難しくゴンドラ作業となるうえに、外壁面積が広く、高層用のポンプやエレベーター設備の更新費用もかさみます。

そのため1戸あたり数百万円の負担になると言われ、こうした懸念が広がりました。しかし1990年代後半から2000年代前半に竣工した初期のタワマンの中には、1回目の修繕を完了した物件も存在します。

さらに、最も難易度が高いとされる2回目の修繕を計画し、実施しようとしている物件も出始めてきました。こうした物件は長期修繕計画が適正に策定され、修繕積立金が計画的に集められています。

居住者の合意形成を阻む特有の課題と積立金不足

一方で、修繕積立金の不足が判明し、大幅な値上げを迫られるケースがあるのも事実といえます。新築時の販売を有利にするため、初期の修繕積立金を低く抑える段階増額方式を採用したマンションは少なくありません。

いざ修繕に向けて増額が必要なタイミングになっても、合意形成が難航するケースが見受けられます。タワマンは数百から数千の住戸を抱えており、実需用(居住用)やセカンドハウスなど所有者の目的はバラバラだと言えるでしょう。

住戸数が多い分、合意形成に必要な手続きの規模が大きくなります。また投資目的で住戸を所有するオーナーは、管理組合への関心が低い傾向があり、議論が進みにくい場合があるという特有の課題を抱えています。

終焉論に惑わされず個別の管理状態を見極める

SNSで語られる終焉論は最悪のケースを一般化したものであり、管理が適正な物件には当てはまりません。タワマンだから修繕できないのではなく、管理状態が悪い物件の修繕が困難になるというのが正確な見方です。

購入を検討する際は、修繕積立金の残高や長期修繕計画の内容などを必ず確認してください。直近の大規模修繕の実施状況を把握し、管理組合の財務が健全に保たれているかを見極めることが重要です。

タワマンの維持コストが一般のマンションより割高になる点は事実ですが、極端な悲観論に過度に煽られる必要はありません。管理費や修繕積立金の将来見通しを含め、トータルコストで冷静に判断する姿勢が求められます。



筆者:西山雄介(宅地建物取引士・マンション管理士などの資格所有)
不動産業界歴15年。新卒で東証プライム上場のマンションデベロッパーに入社後、計2社で新築・中古販売および管理業務に従事。実務現場を経て管理職も歴任し、組織運営にも携わる。現在はその多角的な視点を活かし、実務解説から不動産投資、法律事務所案件まで、専門性の高いコンテンツ制作・ディレクションを行っている。


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