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「1階は侵入されやすいから2階」過信は禁物…警察庁が公表、空き巣が好む"意外な侵入経路"

  • 2026.4.20
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

皆さま、こんにちは。不動産業界歴15年、現在は不動産ライターとして活動している西山です。マンション選びにおいて「防犯上の理由から1階は避ける」という考え方は広く浸透しているのではないでしょうか。

しかし、1階を避ければ本当に安心と断言できるものではありません。実は2階の住戸にも防犯上の思わぬ盲点が存在します。今回は空き巣が好む侵入経路の意外な共通点と、階数だけに頼らないマンション選びの視点をプロの立場から解説します。

警察のデータが示す「2階の盲点」と意外な足場

「1階は侵入されやすいから2階以上を選ぶ」というアドバイスは定番ですが、過信は禁物です。警察庁が毎年公表している防犯情報サイト「住まいる防犯110番」の統計データ(データで見る侵入犯罪の脅威)によると、3階建以下の共同住宅への侵入窃盗も一定数発生しています。

2階が狙われる大きな理由の一つに、バルコニーへの上がりやすさが挙げられます。雨どいやガス配管、隣接するカーポートの屋根やブロック塀などが格好の足場になってしまうのです。

1階は通行人の目につきやすい反面、2階のバルコニーを見上げながら歩く人はほとんどいません。そのため一度よじ登ってしまえば周囲から気づかれにくく、かえって犯行の死角になりやすいという皮肉な現実があります。

約半数を占める「無締り」と見えにくい構造のリスク

2階が狙われるもう一つの理由は、居住者の油断といえるでしょう。1階の窓には面格子や防犯ガラスなどの対策が施されていることが多いのに対し、2階の居住者は「わざわざ上がってこないだろう」と考えがちです。

先述したサイト内の「手口で見る侵入犯罪の脅威」のデータでも、3階建以下の共同住宅における侵入手口の約半数が「無締り(むじまり)」となっています。無締りとは鍵のかけ忘れや窓の開けっぱなしを指し、この油断が最大の隙を生んでいるのです。

さらに2階の共用廊下側にもリスクが潜む場所といえます。プライバシーを守るために廊下の壁が高く設計されている物件では、外から見えにくい構造が、犯行の目撃者がいない環境を作り出してしまうのです。

階数ではなく「建物の構造と防犯設備」で判断を

一方で、2階には階段でのアクセスが容易という日常的なメリットや、災害時に素早く避難できるという利点もあります。大切なのは階数ではなく、その住戸の侵入経路に死角がないかを確認することです。

内見の際はバルコニーから見下ろし、足場になりそうな構造物がないかを必ずチェックしてください。2階の住戸を選ぶ場合は、窓への補助錠や防犯フィルムの取り付け、センサーライトの設置といった自衛策が効果的です。

同時に防犯カメラの位置や管理員の勤務時間帯など、マンション全体の防犯設備が低層階の死角をカバーできているかを確認しましょう。「1階でなければ安心」という思い込みを捨てることが、防犯の第一歩となります。

参考:
データで見る侵入犯罪の脅威(警察庁)
手口で見る侵入犯罪の脅威(警察庁)



筆者:西山雄介(宅地建物取引士・マンション管理士・防災士などの資格所有)
不動産業界歴15年。新卒で東証プライム上場のマンションデベロッパーに入社後、計2社で新築・中古販売および管理業務に従事。実務現場を経て管理職も歴任し、組織運営にも携わる。現在はその多角的な視点を活かし、実務解説から不動産投資、法律事務所案件まで、専門性の高いコンテンツ制作・ディレクションを行っている。


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