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GWの親族集結で「自宅前」に路駐…40代夫婦が新築設計時に見落としていた“落とし穴”【一級建築士は見た】

  • 2026.5.2
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「来客があっても困らない家にしたい」と考え、郊外に戸建てを新築したAさん夫妻(40代)。

普段は夫婦それぞれが車を使うわけではなく、敷地内の駐車スペースは1台分。日常生活では特に不便を感じていなかったそうです。

ところが最初のGWで想定外のことが起きました。親族が子ども連れで集まり、それぞれ車で来たことで敷地内に停めきれなくなったのです。

コインパーキングも空きが少なく、やむなく家の前に短時間だけ停めたところ、後日、近隣の方から「車の出入りが気になった」と伝えられたそうです。

路上駐車は法令違反

ここで押さえておきたいのは、場所や停め方によっては、路上駐車は道路交通法違反になるということです。「自宅前だから」「短時間だから」は理由になりません。

違反の場所や状況によっては、普通車で15,000円の反則金が科される場合があるほか、緊急車両の通行を妨げたり、見通しを悪くして事故の原因になったりするリスクもあります。

近隣トラブルにとどまらず法的な問題に発展しかねないため、「停める場所がない」という状況自体をつくらない備えが大切です。

設計段階でできる備え

駐車場計画は、日常だけでなくGWや年末年始に来客の車が何台になるかまで想定しておくことがポイントです。

台数に加えて、前面道路の幅や車の出し入れのしやすさ、玄関動線との分離も重要な設計要素です。仮に2台分を確保しても縦列配置では奥の車を出しにくく、来客のたびに車を動かすことになりかねません。

敷地に余裕がない場合は、普段はアプローチとして使い、来客時には駐車もできる兼用スペースを設計するのも有効です。地面を車の荷重に耐えられる仕上げにしておけば、いざというときに活用できます。

コインパーキングや予約サービスの活用

すべてを敷地内で解決する必要はありません。周辺のコインパーキングを来客用として活用するのは現実的な方法です。ただし、連休中は満車になりやすいため、徒歩圏内に候補を複数把握しておきましょう。

最近は「akippa」や「タイムズのB」など、駐車スペースを事前予約できるサービスもあります。連休前に確保しておけば当日慌てずに済みます。

また、意外と見落としがちなのが、来客への事前案内です。地図のリンクを送っておくだけで当日の混乱はかなり減らせます。

「普段困らない」だけで決めないことが大切

Aさん夫妻にとって、1台分の計画がすぐに失敗だったわけではありません。ただ、「普段困らない家」と「人が集まる日も使いやすい家」は少し違っていたということです。

注文住宅では間取りや外観に意識が向きがちですが、駐車場こそ日常だけでなく“たまにある使い方”まで想像しておきたい部分です。

路上駐車という法令違反を起こさない設計と準備が、楽しい時間と良好なご近所関係の両方を守ることにつながります。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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