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近隣住民「昼寝できない」10分だけのはずが…梅雨時期、30代後半夫婦と子ども2人に苦情が入ったワケ

  • 2026.6.11
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

雨の日が続くと、子どもたちの遊び場に困ることも多いでしょう。特に梅雨の時期は外遊びの機会が減るため、ゲームや動画に費やす時間が増えがちで、親御さんとしても頭を悩ませるのではないでしょうか。

さらに近年では、公園でのボール遊び禁止や騒音トラブルも増えているため、室内やマンションの共用廊下などで子どもを遊ばせてしまう家庭があることも、ある意味では仕方のない面があると思います。

しかし、共用廊下はあくまでも住民全員で使用する“共用部分”であり、遊び場として使ってよい空間ではありません。

今日は、共用廊下での遊びが原因でマンション全体の空気が悪化してしまった事例をご紹介します。

「少しだけなら」で始まった共用廊下遊び

これは、私が管理していたマンションで実際にあった話です。舞台になったのは、ファミリー世帯が多い築35年ほどの古いマンションでした。駅近で人気も高く、子育て世帯が多く住んでいる物件です。

相談者だったのは、30代後半のAさん夫婦。小学生の子どもが2人いるご家庭でした。問題が起き始めたのは、梅雨時期です。

雨の日が続き、公園へ行けなくなったことで、子どもたちが共用廊下で縄跳びやボール遊びを始めるようになったそうです。最初は10分程度。Aさん夫婦も「雨の日だし少しくらいなら問題ないだろう」と考えていました。

しかし、徐々に遊ぶ子どもの人数が増えていきました。縄跳びの着地音や走り回る足音、ボールが壁に当たる音や叫び声などが、長時間続くようになっていったのです。

特にマンションでは、共用廊下の振動が階下住戸に響くケースも少なくありません。実際、階下の住民からは「ドンドン響いて昼寝できない」「在宅勤務中に集中できない」という苦情が管理会社に入り始めました。

「子どもだから仕方ない」が住民対立へ発展

最初は管理会社も「共用部は静かに利用してください」という一般的な注意文を掲示する程度でした。しかし、状況は改善しませんでした。特に問題だったのは、“親同士の感覚差”です。

Aさん側は「昔はみんな外で遊んでいたでしょ?」「今は公園でボール遊びできないから大目に見ましょうよ」「子どもが少し遊ぶくらい仕方ない」と感じていました。

一方で、高齢住民や在宅勤務中の住民からは「ここは遊び場じゃない」「毎日続くと限界」「避難経路で走り回るのは危険」という声が強くなっていったのです。

さらにある日、遊んでいた子どもが高齢男性と接触しかける出来事まで発生しました。幸い大きな事故にはなりませんでしたが、その件をきっかけに苦情は一気に増加。

掲示板には、次のような貼り紙が増えていきました。

「共用廊下で遊ばせないでください」
「保護者は注意してください」

しかし今度は、その掲示内容に対して「子育て世帯に厳しすぎる」「子どもを敵視している」という反発意見まで出始めたのです。

掲示板と総会が“対立の場”になっていった

問題は次第にマンション全体へ広がっていきました。そして、ついに管理組合総会でも議題化。総会では「共用廊下は避難経路です」「事故が起きたら誰が責任を取るのか」といった厳しい意見が相次ぎました。

結果的に、管理規約に以下のように明文化される事態になったのです。

  • 共用廊下での遊び禁止
  • ボール遊び禁止
  • 縄跳び禁止
  • 長時間滞留禁止

さらに掲示板には注意文が増え、住民同士の空気も徐々に悪化していきました。Aさんは後になって「最初にきちんとやめさせていれば、ここまで大事にならなかったかもしれない」と強く後悔していました。

マンションでは“共用部分の線引き”を意識することが重要

今回のケースでお伝えしたいことは、マンションでは「少しだけ」の積み重ねが、大きな住民トラブルへ発展することがあるという点です。

特に共用廊下は、避難経路であると同時に、住民全員で共有する大切な空間でもあります。そのため、「自宅前だから自由に使える」という感覚には注意が必要です。

また、縄跳びやボール遊びは、大人が想像する以上に音や振動が周囲へ伝わりやすく、階下住戸へストレスを与えてしまうケースも少なくありません。

特に雨の日は遊び場不足になりがちですが、次のような場所を活用する視点も重要になります。

  • 児童館
  • 体育館
  • キッズスペース
  • 地域の屋内施設

マンションでは、自分たちにとって普通のことでも、他の住民にとっては大きな負担になっているケースがあります。

共同住宅だからこそ“専有部分(自分たちだけの空間)”と“共用部分(住民みんなで使う空間)”の線引きを意識することが、長く安心して暮らしていくうえで非常に大切だと感じています。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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