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試合終了なのに即確定しない?1982年のW杯談合試合から続く同時刻開催ルールを覆す“2026年の過酷な新方式”

  • 2026.6.13
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

皆さま、こんにちは。プレー・観戦歴ともに30年以上のサッカー好きライター西山です。2026年のワールドカップでは、グループ3位でも上位8チームが決勝トーナメントに進出できる新方式に変更されます。

このレギュレーションの変更は、グループステージ最終盤の試合の見方を大きく変える要素といえるでしょう。今回は、グループ最終戦が同時刻キックオフになった歴史的背景と、新方式によってもたらされる観戦の面白さについて解説します。

事前計算が生んだ「ヒホンの恥」と同時刻キックオフの背景

ワールドカップのグループステージ最終戦は、同じ組の試合が同時刻にキックオフされる仕組みです。このルールの発端は、1982年スペイン大会に遡ります。

西ドイツ対オーストリアの試合は前日に他会場の結果が出ていたため、西ドイツの1点差勝利なら両チームそろって勝ち上がれると事前に分かっていました。実際に前半10分で西ドイツが先制すると、以降の約80分間は両チームともほぼ攻めずにボールを回し続け、そのまま試合は終了します。

「ヒホンの恥」と呼ばれたこの一戦が引き金となり、国際サッカー連盟(FIFA)は談合のような状況を防ぐため、最終戦を同時刻の別会場で行うルールへ改めたのです。

2018年日本代表の選択。同時刻開催だからこその駆け引き

同時刻に行われるからこそ、別会場の経過を見ながら計算する戦い方も生まれます。2018年ロシア大会の日本代表はポーランドに負けている状況の中、同時刻の別会場の経過からフェアプレーポイント(勝ち点や得失点などが並んだとき、警告や退場が少ないチームを上位とする基準)での2位通過を計算し、ボールを回して試合を終わらせました。

一見ヒホンと似た光景ですが、中身は異なります。ヒホンは結果が確定したうえで両チームが80分間流した試合だったのに対し、日本は別会場の結果がひとつ転べば敗退する状況のもと、終盤の十数分にリスクを承知で賭けた選択でした。試合後は日本国内でも賛否が分かれましたが、結果を確定できない同時刻開催の下でのルールに則った駆け引きだったわけです。

12グループの成績を比べて決まる3位通過の過酷な条件

近年の大会では、自分たちの試合が終了した時点でグループ内の順位が確定し、勝ち上がりが決まっていました。しかし2026年大会では、各組の最終戦は同時刻でも、12グループが同じ日時に一斉に終わるわけではありません。

3位通過の枠に入るかどうかは、自分の組だけでなく全12グループの3位の成績を比べて決まります。つまり自分たちの試合を終えても、他のグループの結果が出るまでは勝ち上がりが確定しない状況が生まれるのです。

今大会のグループステージ最終盤は、自分たちの試合が終わった後も気が抜けません。それが他の組の結果まで見届けて初めて歓喜の瞬間を迎えるという、新しいワールドカップの楽しみ方となるでしょう。

参考: FIFAワールドカップ2026完全ガイド:グループ分け・進出条件・タイブレークなど(FIFA)



筆者:西山雄介
5歳でボールを蹴り始め、30歳まで社会人リーグに所属し、以降もフットサルでプレーを続けてきた無類のサッカー好きライター。観戦歴はJリーグが開幕した1993年から30年以上。日本代表の試合はスタジアムでも応援し、スペインでチャンピオンズリーグの観戦経験もある。これまでに買い集めたユニフォームは計30着以上。


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