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年間70万円がドブに…タワマン購入からたった半年後、30代共働き夫婦が後悔した“恐怖の落とし穴”

  • 2026.4.10
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※ChatGPTにて作成(イメージ)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

ホテルのようなラウンジ。フィットネスジム。プール付きのマンション。

内見で足を踏み入れた瞬間「ここに住めたら人生が変わるかもしれない」と心が動いた経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

タワーマンションの共用施設は、日常を少し特別にしてくれる魅力があります。

ただし、その憧れをそのまま暮らしに当てはめてしまうと、後になって重くのしかかるのが固定費という現実です。

今日ご紹介するのは、豪華な共用施設に惹かれて購入したものの、ほとんど利用しないまま年間70万円以上を払い続けることになったご家庭のエピソードです。

「便利そう」と感じた設備が、必ずしも日常に馴染むとは限りません。

憧れだった“ホテルライクな暮らし”

5年ほど前に、30代共働きのAさんご夫婦からご相談をいただきました。

ご主人は会社員、奥様もフルタイムで勤務。お子様が1人いらっしゃいました。内見に同行した際、強く印象に残ったのは共用施設の充実ぶりです。

「ラウンジ、すごくいいですね」
「ジムもあるなら、わざわざ外に通わなくて済みそうです」
「プールがあるなら、子どもも喜びそうですね」

一つひとつの設備を見ながら、まさに“ホテルのような暮らし”への期待が高まっていく様子でした。私からは「管理費と修繕積立金を合わせると毎月約6万円かかりますが、ご負担は問題なさそうでしょうか」と念のため確認しました。

するとご主人は、少し考えたあとでこうおっしゃいました。

「外でジム代を払ったり、レジャーに行くことを考えれば、むしろ安いくらいかもしれませんね」

共用施設を日常的に使う前提であれば、合理的に感じられる判断です。こうしてAさんご夫婦は、タワーマンションの購入を決断されました。

使われなかった共用施設の現実

ところが、入居から半年ほど経った頃、ご主人からこんなご連絡をいただきました。

「正直…共用施設はほとんど使ってないんです」

詳しく聞いてみると、状況はこうでした。

・ジムについて
「仕事終わりだともう閉まる時間で…休日も家族優先になるので全然行けないんです」

・プールについて
「最初は子どもが喜んでたんですけど、2〜3回で飽きちゃって…」

・ラウンジについて
「予約制ですし、意外と人が多くて落ち着かないんですよね」

結局、ほぼすべての共用施設が「最初だけ使ったきり」になっていました。それでも当然、管理費と修繕積立金は毎月約6万円。年間にすると約72万円です。

つまり、ほぼ使っていない設備などに対して、毎年70万円近くを払い続けている状態になっていました。

家計を圧迫した“見えない固定費”

問題はここからでした。

住宅ローン自体は、無理のない返済計画で組まれていました。ところが、毎月約6万円の管理費と修繕積立金が、想像以上に家計へ影響を与えていきます。

「ローンは問題なく払えています。ただ、手元にほとんど余裕が残らないんです…」

そう打ち明けられたときの表情が、今でも印象に残っています。

特に影響が出たのは教育費でした。もともと毎月3万円ずつ積み立てていた学資金を、一時的に取り崩さざるを得ない状況に。

「正直、この6万円がなければと何度も考えました」

固定費は一度発生すると見直しが難しく、生活を静かに圧迫していきます。共用施設の利用頻度に関係なく支払いが続く点も、負担感を大きくする要因です。

さらに注意したいのは、将来的なコストの上昇です。共用施設が充実しているマンションほど維持管理に費用がかかるため、修繕積立金(将来の大規模修繕に備えた積立金)は段階的に増額されるケースが少なくありません。

設備が豪華であるほど、その分だけ維持費も重くなる。その現実が、10年後、15年後の家計にさらに影響を与える可能性があります。

共用施設は“メリットにも負担にもなる”という視点を持つ

タワーマンションの共用施設は、暮らしの質を高めてくれる大きな魅力の一つです。ジムやラウンジを日常的に使う方にとっては、時間や移動の手間を省ける利便性があり、プールやキッズスペースは子育て世帯にとっても有効に活用できる場面があります。

一方で、すべての方にとってメリットになるとは限りません。

勤務時間が不規則な場合は利用時間が合わず、子どもの興味や性格によっては数回で使わなくなるケースも見受けられます。ラウンジも混雑や予約制の影響で、想定ほど自由に使えないこともあるでしょう。

共用施設は利用頻度に関係なく、全所有者で維持費を負担する仕組みです。さらに設備が充実しているマンションほど、将来的な修繕積立金が上昇しやすい傾向もあります。

大切なのは「便利そうかどうか」ではなく「自分や家族の生活スタイルに本当に合っているか」という視点です。日常の動きや子どもの成長、将来の家計負担まで踏まえて判断することで、納得感のある住まい選びにつながります。

共用施設は“あれば良い設備”である一方、使いこなせてこそ価値がある設備でもあります。ご自身の暮らしに照らし合わせて、合う・合わないを冷静に見極めることが重要です。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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