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築30年・1K・家賃5.8万円のアパートで「深夜0時を過ぎると」安さに飛びついた20代会社員の“誤算”

  • 2026.4.10
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社で10年以上の実務経験があり、現在は不動産ライターとして活動しているT.Sです。

築年数が古くても駅近で家賃が安ければ、多くの方が前向きに入居を検討するでしょう。ただ、昼間の内見ではわからないのが夜の音環境です。今回は、深夜の騒音トラブルと、その解決までの経緯をお話しします。

「毎晩笑い声が聞こえて、眠れないんです」

都内の駅近・築30年・1K・家賃5.8万円のアパートに入居した20代後半の会社員男性から、管理会社に相談が入りました。

「深夜0時を過ぎると隣から複数人の笑い声や話し声が響いてきて、まともに眠れないんです」

とのことです。周辺相場より約2万円安い物件で、男性はその安さと駅近の利便性から「古くても寝るだけだから」と昼間に一度内見しただけで即決しました。

騒音の原因は、隣室の居住者が飲食店の夜勤シフトで働いており、仕事終わりの同僚たちが頻繁に集まる深夜の「溜まり場」と化していたことでした。実はこの物件、過去にも隣室の騒音が原因で退去が出ており、空室が長引いたオーナーが家賃を下げて募集していたという経緯がありました。

口頭注意から内容証明へ。4ヶ月の攻防

相談を受けた担当者はすぐに動き、まず男性に騒音の日時・継続時間・音の種類を記録するよう依頼しました。管理会社が注意や警告をおこなう際、記録が客観的な裏付けとなるためです。さらに、改善されずに法的措置へ進む場合「受忍限度(社会生活上がまんすべきとされる限度)を超えた騒音である」と証明するための重要な証拠にもなります。

記録が揃ったところで、担当者はまず隣室を直接訪ねて注意しましたが、改善は見られません。続いて記録に残る書面で警告したところ一時的に収まりましたが、数週間で再発。

相談者から「また始まりました。もう限界です」と連絡が入ります。

複数回の注意実績と騒音記録を踏まえ、担当者はオーナーと協議します。迷惑行為禁止条項と用法遵守義務(契約で定められた使い方を守る義務)への違反が繰り返されていることを根拠に、オーナー名義で内容証明郵便を送付し「改善が見られない場合は契約解除を検討する」旨を通告しました。内容証明の送付から数週間後、隣室の居住者は自ら退去を決断します。口頭注意の開始から約4ヶ月後のことでした。

「安い理由」を契約前に探る習慣を

もし入居後に騒音被害に遭ったら、一人で抱え込まず、まずは管理会社に相談してください。管理会社から記録の依頼があった際は「いつ・どんな音が・どれくらい続いたか」をメモしておくと、その後の対応がスムーズに進むでしょう。

また、今回のようなトラブルを避けるには契約前の備えも大切です。以前の入居者との間で問題はなかったか、仲介業者経由で管理会社に確認しておきましょう。



ライター:T.S(宅地建物取引士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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