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認知症予防に【こんにゃく】がいいって本当?北大研究者が解説する「こんにゃくセラミド」のメリットと賢い食べ方

  • 2026.3.21

認知症予防に【こんにゃく】がいいって本当?北大研究者が解説する「こんにゃくセラミド」のメリットと賢い食べ方

認知症の予防と聞くと、何か特別な対策が必要だと身構えてしまう人が多いかもしれません。でも実は、私たちにとって身近な食材の中にこそ、脳を守るカギがあったのです。毎日の“食事”という小さな習慣から、健やかな未来を育んでいきましょう。

お話を伺ったのは
湯山耕平さん 北海道大学 大学院先端生命科学研究院

ゆやま・こうへい●体内の脂質成分について研究する中で、こんにゃく由来の「グルコシルセラミド」が持つ脳への効果に着目。
アルツハイマー病などの認知症を、身近な食事成分で予防するための研究に力を注いでいる。

病気になる前の「予備軍」の時期に食品成分でケアすることが重要です

おでんや煮物などの和食でおなじみの食材、「こんにゃく」。実は今、この身近な食材が、私たちの脳を守る救世主になるかもしれないと注目を集めている。アルツハイマー病の早期診断の研究を行う湯山耕平さんによると、こんにゃく由来の成分「グルコシルセラミド」、通称「こんにゃくセラミド」には、三つの「脳を守る力」が秘められているという。

「認知症の原因として最も多いアルツハイマー病は、脳に『アミロイドβ』というたんぱく質がたまることで発症します。私たちの研究から、『こんにゃくセラミド』が、『アミロイドβ』の蓄積をゆるやかにし、脳の働きを保つことがわかってきました」

二つ目は、脳の炎症を抑える働きだ。

「『アミロイドβ』がたまると、脳内で炎症が起こり、記憶力や判断力の低下が進みやすくなります。『こんにゃくセラミド』には、この炎症を和らげる作用も確認されています」

そして三つ目が、「腸」からのアプローチである。

「脳と腸には、互いに影響を及ぼす『脳腸相関』という関係があります。『こんにゃくセラミド』には腸内環境を整える働きがあり、その作用を通して脳にもよい影響を与えると考えられています。このように、『こんにゃくセラミド』には、三方向から認知症を予防する可能性が期待されているというわけです」

「こんにゃくセラミド」は、市販されている生芋こんにゃくなどにも含まれている。日々の食卓にぜひ取り入れてほしいと、湯山さんは力を込める。

「脳は特別な臓器のように思われがちですが、他の臓器と同じように、血液や栄養に支えられ、その質は毎日の食事によって左右されます。アルツハイマー病は、原因物質がたまり始めてから発症するまでに、15年から20年という長い年月がかかります。だからこそ、病気になる前の『予備軍』の時期に、食品成分でケアすることが非常に重要なのです。大量に食べればいいというものではありませんから、少量でもいいので継続して摂取すること。そうした日常の小さな積み重ねこそが、未来の脳への最高のプレゼントになるはずです」

認知症予防に効果アリ!【こんにゃくセラミド】とは?

こんにゃく芋に含まれる植物性の脂質成分「グルコシルセラミド」のこと。大豆などにも含まれるが、こんにゃく芋の含有量の多さはそれらとは比較にならないほど。効率的に有効成分を摂取できる食材として注目されている。

今後に期待! サプリや商品化で認知症予防がもっと身近に?

今よりももっと手軽に「こんにゃくセラミド」をとるための研究、開発が進んでいる。「サプリメントや成分を練り込んだパンなど、無理なく続けられる商品が、近い将来、登場するのではないかと期待しています」

認知症予防のための【こんにゃくの食べ方のコツ】

効果をより高めるためには、ちょっとした工夫が必要です。成分をムダなく取り入れるための「賢い食べ方」をご紹介します。

セラミド含有量の多い生芋こんにゃくを選ぶ

一般的なこんにゃく粉から作られるこんにゃくは、こんにゃく粉に製粉する過程で「こんにゃくセラミド」を多く含む部分が除去されてしまう。

「その点、こんにゃく芋を丸ごと使って作られる生芋タイプなら、『セラミド』も一緒にとることができますよ」

生芋を使用し作られる板こんにゃくやしらたきは、「生芋」と表示されていることが多い。

Q 黒と白のこんにゃくの違いは?

こんにゃく粉に海藻粉末を混ぜ、色をつけたものが黒こんにゃく。関東、東海、関西以西は黒、北海道、東北、北信越は白が主流とされるが、栄養価にはほとんど差がない。

少量でも長期間食べ続けるのが有効

アルツハイマー病の原因物質は長い年月をかけて脳内に蓄積されるため、継続してこんにゃくを食べ続けることが望ましい。

「現時点では、発症前の方への効果が確認されています。週に数回でも、食卓に取り入れていきましょう」

加熱もOK。煮物や炒め物などお好みで

「こんにゃくセラミド」は、加熱しても構造が変わらないのが特徴。

「煮物や炒め物など、どんなメニューでも大丈夫。調理法を気にせず、おいしく召し上がってください」

たんぱく質やビタミン、ミネラルと一緒にとると◎

低カロリーで高い満腹感が得られるのがこんにゃくの長所。

「一方で、こんにゃくだけでおなかいっぱいになってしまい、他の栄養がとれなくなるという場合も。他の食材と組み合わせて、バランスのよい食事を」

取材・文/恩田貴子
取材協力/こんにゃくパーク

※この記事は「ゆうゆう」2026年4月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

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