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アカデミー賞最多ノミネートの『罪人たち』ライアン・クーグラー監督、「この仕事を得たことこそが賞に値する」

  • 2026.3.13
Nominees' Party for the EE BAFTA Film Awards 2026 - Portraiture

『フルートベール駅で』(2013)や『ブラックパンサー』(2018)を経て、『罪人たち』で初めてアカデミー賞監督賞にノミネートされたライアン・クーグラー監督。アフリカ系として初の監督賞受賞に期待がかかる中、『VARIETY』のインタビューで彼にとっての受賞の意味を聞かれ、こう答えた。「この仕事を得たことこそが賞に値する。脚本を書き、スタッフを集め、組合員を雇用し、人々の医療や保険、家族に貢献する。この仕事があること、そして続けていけることこそが、私にとって最高の贈り物です」

今年で98回目となるアカデミー賞だが、これまでアフリカ系の監督賞候補者は、『ボーイズ'ン・ザ・フッド』(1991)のジョン・シングルトン、『プレシャス』(2009)のリー・ダニエルズ、『それでも夜は明ける』(2013)のスティーヴ・マックイーン、『ムーンライト』(2016)のバリー・ジェンキンス、『ゲット・アウト』(2017)のジョーダン・ピール、『ブラック・クランズマン』(2018)のスパイク・リーの6人のみ。いずれも受賞していない。南カリフォルニア大学アネンバーグ校のインクルージョン・イニシアチブの調査結果よると、2025年までの97年間で、アフリカ系の人のノミネートは274、受賞は63。候補と受賞全体に対し、わずか2%に過ぎない。

クーグラー監督は、意図的にこうした数字を考えないようにしているそうだ。「そのせいで、希望を失ったり、幻滅したり、自分の仕事に価値がないと思ったりすることが、一番危険です。自分の仕事への愛情を守ろうと努めています。統計を見て悲しくなるとわかっているなら、敢えて考えたりしません」

SINNERS - Michael B. Jordan, director Ryan Coolger, on set, 2025.

彼の長編映画デビュー作『フルートベール駅で』以来のコラボレーターであるマイケル・B・ジョーダンを主役に迎えた『罪人たち』は、禁酒法時代のアメリカ南部の田舎町を舞台に、一攫千金を狙ってダンスホールを開店させる双子を主人公にしたサバイバルホラー。予想を裏切るストーリー展開の中に、当時のアフリカ系社会を取り巻く状況を織り込み、大ヒットを記録。本年度のアカデミー賞において、史上最多となる16ノミネートを果たした。クーグラー監督は語る。「朝、目を覚ます限り、貢献を続けていく。これが私の目標です」

Text: Tae Terai

第98回アカデミー賞(2026年)の完全ガイド

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