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月17万円の年金で足りず…「資金不足を解消できる」銀行員に勧められた制度を契約→3年後、70代男性に届いた“1通の通知”に絶句

  • 2026.3.13
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当している柴田です。

今回は、73歳男性・Aさん(仮名)の体験をご紹介。Aさんは、東京郊外に築30年の一戸建てを持つ元会社員です。

妻に先立たれ、月17万円の年金だけでは赤字が発生し、生活費と医療費も増え、家計がじわじわと苦しくなってきました。そこで銀行の担当者に勧められたのが「リバースモーゲージ」でした。

「自宅に住みながらお金を借りられる」という言葉に、Aさんは老後の不安が一気に解消される期待を抱きます。

「老後の切り札」に見える甘い言葉の数々

リバースモーゲージとは、自宅を担保に金融機関から融資を受け、死亡後に自宅を売却した代金で元金を返済する仕組みです。

生きている間は利息のみの支払いで済むため、自宅に住みながら老後資金を確保できる点が最大の特徴です。金融機関や不動産会社は、こんなセリフで近づいてきます。

  • 「老後の資金不足を解消できますよ。まとまった資金をすぐに手に入れられます」
  • 「住み慣れた家に住み続けられますよ。将来買い戻すことも可能です」
  • 「資金の使い道は自由です」
  • 「固定資産税や維持費の負担がなくなります」

これを聞いた人はAさんは「老後の資金不足が一発で解決する!」 「ちょうど大きな資金が必要だったし、後で買い戻せるならいいかも」と考えたそうです。

確かに、上記はメリットの一面を表してはいます。しかし、デメリットや長期的なリスクについては、何も説明されていません。

「こんなはずじゃなかった」が起きる4つのデメリット

Aさんが契約して3年後、思わぬ通知が届きました。不動産価格の見直しにより、担保評価額が当初より2割下がったという内容でした。

まず頭に入れておきたいのが、想定以上に長生きした場合のリスクです。融資枠には上限があるため、銀行から「あなたにはこれ以上貸せません」と通告が来ることがあります。住む家だけが残って借金も残る、という最悪のシナリオすら起こり得ます。

これと並んで怖いのが、不動産価値の下落です。担保である自宅の評価額が下がれば、融資限度額が減額され、計画通りの融資が受けられなくなります。「あと5年は借りられると思っていたのに、やっぱり貸せないと言われた」のような事態が、現実に起きています。

お金の問題だけにとどまらないのが、家族関係への影響です。契約時には推定相続人の同意書が必要で、家族間で意見が割れることがあります。Aさんの息子は、父が亡くなって初めて実家がほぼ手元に残らないことを知りました。「相続できると思っていた家が売られる」というショックが、親子間の深刻な不信感に発展するケースも少なくありません。

そして見落とされがちなのが、変動金利の上昇リスクです。変動金利が主流のため、将来の金利上昇で利息負担が増え、受取額が想定より早く目減りしていきます。低金利を前提に組んだプランほど、このリスクに無防備です。

契約前に必ず確認すべきチェックポイント

リバースモーゲージについて「良さそうだな」と思っても一度立ち止まり、以下の3点を必ず確認してください。

1.担保割れが起きた場合、一括返済を求められる条件はどうなっているか

不動産価格は将来にわたって保証されるものではありません。評価額が下がったときに何を求められるのか、契約前に必ず書面で確認しましょう。

2.変動金利に上限(キャップ)は設定されているか

金利が上がれば、毎月の受取額は減っていきます。上限が設定されているかどうかで、将来の見通しが大きく変わります。

3.融資枠が何歳で尽きるか、複数パターンでシミュレーションしてもらえるか

「90歳まで生きた場合」「95歳まで生きた場合」など、長生きを前提にした試算を必ず依頼してください。担当者任せにせず、自分で納得できるまで確認することが大切です。これらは口頭で聞くだけでは不十分です。金融機関の担当者はあくまで「売る側」であることを忘れずに、利害関係のないファイナンシャルプランナーへのセカンドオピニオンを強くおすすめします。     

まとめ

リバースモーゲージは、正しく使えば有効な資金調達手段です。しかし「住み続けられる」「返済しなくていい」という言葉の裏には、不動産価格・金利・寿命などの不確実性が潜んでいます。

甘い言葉に乗る前に、複数の金融機関を比較し、利害関係のないファイナンシャルプランナーへの相談を強くおすすめします。銀行は一営利企業に過ぎません。「あなたのため」ではなく「自分たちのため」の提案であることを意識すべきでしょう。


監修者:柴田 充輝

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1200記事以上の執筆実績あり。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引主任士など。