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"退職金2000万”を受け取った60代男性→『国が発行するなら安心』“個人向け国債”を購入…6ヶ月後、直撃した“想定外の事態”

  • 2026.6.11
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、ご主人の退職金をまとめて個人向け国債に入れた60代Nさんご夫婦の体験談です。

「国が発行する元本保証の商品なら間違いない」と考えていたものの、急な入院でお金が必要になり、発行から1年間は原則として引き出せないと知って慌てた経緯をご紹介します。

「国が発行する元本保証なら、これ以上安心なものはない」

Nさんご夫婦は60代。ご主人の退職金の運用先を探していらっしゃいました。

「個人向け国債は国が発行する元本保証の商品」「普通預金より有利」と聞き、退職金で固定5年の個人向け国債を購入したといいます。

「元本が保証されて、国が発行するのなら、これ以上安心なものはないと思いました」

入院費が必要となり、換金しようとして「1年は引き出せない」と知る

購入から半年ほど経った頃、奥さまが入院され、まとまったお金が必要になりました。

国債を換金しようとしたところ、個人向け国債は発行から1年間は原則として中途換金できないと知ります。例外は、保有者ご本人が亡くなった場合と、災害救助法が適用される大規模な災害のときに限られます。

「安全な商品だから、いつでも引き出せると思い込んでいました」

Nさんはそう振り返ります。

1年を過ぎれば換金可能だが、直近の利息相当額が調整される

個人向け国債は、発行から1年を過ぎれば中途換金できます。ただし、その際は原則として「直前2回分の各利子相当額×0.79685」が中途換金調整額として差し引かれます。

元本部分は額面で換金できますが、直近約1年分の利息は実質的に受け取れないと考えておく必要があります。

個人向け国債には「変動10年」「固定5年」「固定3年」があり、いずれも最低金利は年0.05%です。安全性を重視しやすい商品である一方、預貯金のようにいつでも自由に引き出せるわけではありません。

「元本は守られました。でも、安全なのと、必要なときにすぐ使えるのは別物だったんです」とNさんは振り返ります。

運用する資金と生活防衛資金は分けて持つ

お金を預ける前に、一度考えてみてください。そのお金は、当面使う予定のない資金でしょうか、それとも、急なときにすぐ動かしたい資金でしょうか。

個人向け国債は元本が守られる安心な商品ですが、発行から1年間は原則として引き出せません。だから、当面使う予定のない資金で購入するのが基本です。一方、急な入院や修繕などに備えるお金は、いつでも引き出せる預金などで別に確保しておきます。

Nさんが学んだのは、元本が守られることと、すぐ使えることは別物だということ。お金は、いつ使うかで置き場所を分けて持つ.

それが、いざというときに困らない管理方法です。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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