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世帯年収900万円の40代夫婦「共働きだからお金は貯まる」はずが…→数年後、二人を襲った“想定外の大誤算”【お金のプロは見た】

  • 2026.3.25
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務の現役マネージャーとして、日々さまざまなお金のご相談に向き合っている中川です。

「共働きだからお金は貯まるはず」

そう考えている家庭は少なくありません。夫婦で収入があれば家計に余裕が生まれ、貯蓄も順調に増えていくと思いがちです。

しかし実際の相談現場では、世帯年収が高くても貯蓄がほとんどない家庭に出会うことがあります。収入が増えた分だけ生活水準も上がり、気づけばお金が残らない状態になっているのです。

今回は、「共働きだから安心」と考えていた40代夫婦が、生活レベルの上昇によって貯蓄ができなくなった事例をご紹介します。

共働きなら貯まるという誤解

今回ご紹介するのは、40代前半のAさん夫婦(仮名)です。

夫は会社員、妻も正社員として働いており、世帯年収は約900万円でした。子どもは小学生が1人の3人家族です。

2人とも安定した収入があり、住宅ローンの返済も大きな負担ではありませんでした。

「共働きだから、老後資金も何とかなるだろう」

Aさん夫婦はそう考えていたといいます。毎月の収入は十分にあり、生活に困ることもありませんでした。

しかし家計簿をつける習慣はなく、貯蓄額を定期的に確認することもほとんどなかったそうです。

収入が増えると生活も変わる

結婚当初、Aさん夫婦は比較的シンプルな生活をしていました。外食は月に数回。車も中古車でした。

ところが、収入が増えるにつれて生活は少しずつ変わっていきます。

仕事が忙しくなると、平日の夕食は外食や総菜で済ませることが増えました。休日は家族でレジャーや旅行に出かけるようになります。

さらに数年前には、車を新車に買い替えました。

「少しぐらいなら大丈夫」

そう思いながら支出を増やしていった結果、生活水準は少しずつ上がっていったのです。

気づけば貯蓄はほとんど残っていない

転機となったのは、住宅ローンの借り換えを検討したときでした。金融機関で家計の状況を整理するため、貯蓄額を確認したのです。

その結果、Aさん夫婦は驚くことになります。

世帯年収は900万円近くあるにもかかわらず、貯蓄はほとんど増えていなかったのです。外食費やレジャー費、車の維持費などの支出が膨らみ、家計に残るお金が少なくなっていました。

「共働きだから大丈夫と思っていました」

そう話すAさん。実際には、収入が増えた分だけ生活費も増えていたのです。

生活レベルの上昇が家計を圧迫する

このような状態は、決して珍しいものではありません。

収入が増えると、生活の水準も少しずつ上がっていきます。外食の回数が増えたり、旅行の頻度が増えたり、車や家電のグレードが上がったりすることもあるでしょう。

一つひとつの支出は大きくなくても、積み重なると家計への影響は小さくありません。

このように収入の増加に合わせて支出も増えていく現象は、「生活レベルのインフレ」とも呼ばれています。気づかないうちに固定費が増え、家計の余裕が失われてしまうのです。

共働き家庭こそ家計管理が重要

共働き世帯は収入が多い分、家計管理が後回しになりやすい傾向があります。

収入が多くても、支出を把握していなければお金は思うように残りません。まずは毎月どれくらいのお金が出ていっているのかを確認することが大切です。

固定費や外食費、レジャー費などを見直すだけでも、家計の余裕は大きく変わることがあります。

「共働きだから安心」と考えるのではなく、収入と支出のバランスを意識することが重要です。家計の流れを把握することが、将来の貯蓄を守る第一歩になるでしょう。


監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)(@YoshitoFinance)

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。 20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。 専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。