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寒さ本番!みその寒仕込みで安心仕込み、防災にも役立つ「手前みそ」のススメ

  • 2026.2.2

「手前みそですが、きっとお役に立つ記事ですので、最後まで、ぜひお読みください」――なんていうように使う「手前みそ」という言葉。耳にしたことはありますか?

「手前みそ」という言葉は、みそが暮らしに深く根付いた江戸時代に生まれたのだといいます。当時は、各家庭がみそを仕込んでいてそれぞれの味があり、その出来栄えを自慢し合っていたことに由来するのだそうです。

わが家では、もう10年ほど、家族そろって「手前みそ」の仕込みをするのが恒例になっていて、防災備蓄分も兼ねて毎年1月・2月に出来高10~12㎏ほどのみそを仕込みます。

みそは、日本の食卓に欠かすことのできない大切な調味料ですが、もともと保存食であり栄養価も高いので、満足な食事がとれない災害時の貴重な“栄養源”にもなります。

そのままなめたり、ごはんにつけたりして食べても美味しく、塩分、ミネラルを補給することもできますし、乾物などをお椀に入れて湯を注ぎ、みそを溶かせば簡単にみそ汁を作ることも可能です。高齢化が進む社会では特に、災害時の体調管理は重要な課題ですが、みその栄養価は大きな助けとなるでしょう。

<みそに含まれる栄養素>

①たんぱく質:大豆由来のたんぱく質。身体づくりの基礎となります。身体の健康の礎をつくるということで、むかしは身礎(みそ)と書いたという説も。

②食物繊維:腸内環境の維持に貢献。

③ビタミンB群:代謝をサポートし、疲労回復に貢献。

④ナトリウム:汗で失われる塩分補給に。

また、被災時の食事はおむすびやパンなど炭水化物に偏りがち。野菜不足でビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素が十分にとれないことから、便秘や口内炎などに悩む被災者が多いことが報告されています。発酵食であるみそは乳酸菌や麹菌を含み、腸内環境を整える働きもあり、不足しがちなたんぱく質を補えるので、こういった問題の解決にも貢献します。

防災食を選ぶ上で大切なことの一つに「家族全員が無理なく食べることができるかどうか」がありますが、みそは、多くの老若男女が日頃から親しんでいる食べ物。防災備蓄分を兼ねて、普段から少し多めのストックをお勧めします。

関東大震災の際には、救援物資にもなったみそ

これまでにもみそは、飢饉や災害時にも活躍してきました。歴史をさかのぼれば、江戸時代には大きな飢饉が三度起きていますが、その際にもみそは人々の命を支える備蓄食(備荒食)として、大きな役割を果たしていたことが知られています。また、1923(大正12)年9月1日に発生し、東京や神奈川を中心に甚大な被害をもたらした関東大震災でも、みそが人々を救った逸話が残されています。当時、関東エリアのみそ製造業者も壊滅的な打撃を受け、当時の食生活に欠かせないみその供給が断たれてしまったといいます。そんなピンチを救ってくれたのが、救援物資として届けられた、信州みそ、越後みそ、佐渡みそだったのだそうです。

物資もいまのようには豊富になく、インフラも整っていなかった時代。未曽有の大災害で途方に暮れていた人々の下に、各業者さんたちが、協力して届けてくれたみそは、あたたかなみそ汁となって、多くのいのちの灯をともしてくれたことでしょう。

初めてみそを仕込むなら「寒仕込み」

全国から好みのものを簡単にお取り寄せできる時代。もちろん買ってもいいけれど、せっかくなら、今年は、自分の家で「手前みそ」を仕込んでみるのはいかがでしょうか。

みそは1年中仕込むことができますが、お勧めはまさに今の時期に行う、「寒仕込み」です。

「寒仕込み」というのは一般的に、1年の中で最も寒さが厳しい1月~2月頃に仕込んだもののこと。寒い時期に仕込むことで、ゆっくり無理なく発酵・熟成が進み、美味しいみそが出来上がるといわれています。また、寒い時期は、空気中の雑菌が繁殖しにくいため、みそ作りに適しているともいわれます。

みそにもいろいろな種類がありますが、基本は大豆・麹(こうじ)・塩の3つから作ります。水で戻した大豆をやわらかくなるまで煮て、潰したら、塩きり麴と混ぜて団子状にし、空気が入らないよう押し込みながら容器に詰めていきます。

わが家は、コトコトと大豆の炊ける音と、ほんのり甘い香りが部屋中に広がっていく瞬間が大好き。なので、大きめの寸胴鍋で乾燥大豆を水で戻し、茹でて潰してみそ作りをしますが、大豆がすでに水煮になっていたり、ペースト状に潰されて混ぜるだけの状態になっているキットも売っているので、最初は、そういった手軽なものから挑戦するのもいいでしょう。みそ屋さんが仕込んだものを自宅で保存、発酵熟成するだけの「仕込みみそ」を備蓄用にまずは購入してみる、という選択肢もあります。

キットは、出来上がりの量により、1000円台~売っているので、好みや家族構成に合わせてまずは少量のものを選んでみて、慣れてきたら仕込み量を増やしていくといいかもしれません。わが家で初めて仕込んだ時の出来高は3㎏でした。そこから徐々に5㎏、10㎏と増やしていきました。

仕込むときにはいつも、「手前みそのうた」を流し、家族で♬みそ、みそ、みそ手前みそ~♪と歌いながら、ごきげんで、えっほえっほと大豆を潰していくのが、わが家流です。少し疲れてきたり、子どもが飽きてきたりした時などに、大豆の粒が少し大きなまま残ってしまうのもご愛敬。みんなで作った時間も一緒に溶けこんだみそ汁は、きっと心も身体も温めてくれると思います。

ちなみに、わが家はいくつか試してみて、ここ最近はずっと創業110年になる、福井県のみそ屋さん「マルカワみそ」で材料を購入して、マルカワみそのレシピで手前みそづくりをしています。『失敗しないみその作り方』が、以下サイトで動画とイラストで紹介されているので、「今年は作ってみようかな」と思われた方は参考にしてみてください。
https://marukawamiso.com/make-miso/85.html

マルカワみそのレシピの特徴は、市販のみそと比べて麹の割合が多く、甘みが強いみそが出来上がること。私は麹が多めのみそが好きなので、お気に入りです。ほかにも、いろいろなみそ屋さんが材料の販売やレシピ公開などしているので、ぜひ自分の好みの味とレシピを探してみてくださいね。

備蓄には、手軽に味わえるチューブタイプや個包装のみそも

普段から、多めにみそをストックしておけば安心ですが、さらに、災害時を意識して、避難時や持ち運びに便利なみそ製品も欲しい、という方は、チューブタイプや個包装のみそもお勧めです。

チューブタイプのものならば、おむすびに塗ってみそ焼きむすびを作ったり、冷ややっこや野菜などにつけて食べたりする時にも重宝します。また、キャンプの時などに、必要量を小分けしたりする手間もなく、便利です。

そのほか、フリーズドライのみそ汁などは、登山や海外旅行の時にも役立ちます。わが家では、アマノフーズの「まごころ一杯 定番おみそ汁バラエティー」(10食入り1,568円(2026年1月7日現在))を、常備して、登山やスキー、旅行などで携帯して食したらローリングストックするようにしています。

いつもにも、もしもにも。

日常と非日常を繋いでくれるものの存在は、非常時でも気持ちに余裕を生み出してくれる大切な存在です。今年は、そんな存在を少しずつ増やしていってみませんか。まずは、みその寒仕込みから。

<執筆者プロフィール>
水野佳(みずの けい)
保健師/フリーランスライター
オートキャンプ歴9年

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