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学校でも家でもない場所で被災したらどうする? 親子で考えたい通学中の防災

  • 2026.1.6

「通学中に地震が起きたら、どうすればいいかわかる?」。先日、小学5年生の次男にこう聞いてみたところ、「学校か家に戻ればいいの?」と言われ、唖然としました。

地震や台風などの災害は、必ずしも家族が一緒にいる時に起きるとは限りません。学校にいる時間であれば、先生の指示のもと避難が行われますが、通学中や習い事の行き帰り、友だちと遊びに行った先で被災する可能性も十分に考えられます。

「もし登下校中に大きな地震が起きたら、うちの子はどう行動するだろう?」。そう考えたことがある方も多いのではないでしょうか。今回は「通学中の防災」をテーマに、親のいない場所で災害に遭ったときに、子どもが自分で身を守れるようになるために確認しておきたいポイントをまとめました。

まず知っておきたい、屋外で災害が起きたときの基本行動

通学路や外出先で地震が起きた場合、まず大切なのは「その場で立ち尽くさないこと」と「落ち着いて身を守る行動を取ること」です。大きな揺れを感じたら、ブロック塀や自動販売機、看板など倒れてくる可能性のあるものからすぐに離れることを伝えましょう。

また、ランドセルやカバンを使って頭を守り、できるだけ低い姿勢でしゃがみます。上着を着ている場合は、フードや上着を頭からかぶせるだけでも、簡易的な防災ずきんの代わりになります。

近くにマンションやビルなど頑丈そうな建物がある場合は、無理にその場から逃れようとせずに、周囲に注意しながら屋内に避難する判断も必要です。橋や歩道橋の上にいる場合は、揺れで転倒しないよう、手すりなどにつかまり、頭を守りながら揺れが収まるのを待ちます。

地震の規模によっては、子どもだけで状況判断ができない場合もあります。近くにいる大人に助けを求めることも大切です。

親子で歩いてみよう、通学路に潜む“危険ポイント”は?

通学路は毎日通っている場所だからこそ「安全」だと思い込みがちです。しかし、災害時の視点で見てみると、意外な危険がたくさん潜んでいます。

例えば、電柱やブロック塀、古い門扉、自動販売機、看板などは、地震の揺れで倒れたり落下したりする恐れがあります。建物のそばでは、窓ガラスや外壁の破片、屋根瓦、雨どい、室外機などが落ちてくる可能性もあります。

親子で通学路を歩きながら、「ここは地震が来たら危ないかも」「この道は避けた方がいいね」と話し合ってみましょう。地図や頭の中だけで想像するより、実際に歩いて確認することで、子ども自身が危険を認識しやすくなります。

別記事で紹介している「防災ノート」に地図をコピーして貼り付け、危険な場所や避難経路を書き込んでおくのもおすすめです。

次男と一緒に通学路やよく遊びにいく公園の近辺を歩いてみたところ、鉄塔や古い家屋、鉄製のポールなど、危険な場所が意外とたくさんありあました。「どうするのが正解か」を一つに決めるのではなく、「この状況ならどうしたらいいかな?」と親子で会話しながら考えることが、防災意識を高める第一歩になると感じました。

「危ないから近づいちゃダメ」と伝えるのではなく、「どうして危ないのか」「その時どうすればいいか」を一緒に考えることが大切。東京消防庁の「リモート防災学習」など、クイズ形式の学習コンテンツを活用すると、子どもも楽しみながら学べるのでおすすめです。

自転車に乗っているときの判断が命を守る

中学生になると、行動範囲が広がり、自転車で移動する機会も増えてきます。中学1年生の長男は、部活動の練習や塾への移動に自転車を使っています。しかし、彼もまた自転車に乗っているときに地震が起きたら、どう行動すればいいか知りませんでした。

自転車に乗っているときは、地震の揺れに気がつきにくいです。「あれ? 揺れてるかな?」と思ったら、安全なところで止まって確認をすることが大切です。

強い揺れを感じたら、無理に走り続けず、まずは自転車から降りること。揺れの中でバランスを崩すと、転倒や事故につながる危険があります。路肩などの安全なところに避難し、ヘルメットは着用したまま、カバンや腕でも頭部を保護します。

電柱や高い建物のそばを避け、周囲に倒れてくるものがない場所で、揺れが収まるのを待つように伝えましょう。揺れが収まったあとも、道路の陥没や段差、余震の可能性があるため、すぐに再び自転車に乗らない判断も重要です。

電車やバスに乗っているときの避難行動をイメージしておく

通学や習い事で、電車やバスを利用している子どもも少なくありません。公共交通機関に乗っているときに災害が起きた場合、慌てず周囲の指示に従うことが何より大切です。

車内では、上から荷物が落ちてくることもあります。日頃から、つり革や手すりにつかまる習慣をつけておくと、急停車時にも体勢を保ちやすくなると感じました。

駅のホームにいる場合は、転落を防ぐため、なるべく柱のそばに移動し、駅員の指示を待つことを親子で確認しておきましょう。「自分の判断だけで動かない」ことも、大切な防災行動の一つです。

公衆電話の場所と使い方も“通学中の防災”の一部

スマートフォンが使えない状況を想定し、公衆電話の存在も子どもに伝えておきたいポイントです。通学路や最寄り駅、よく行く場所の周辺のどこに公衆電話があるのか、一緒に探してみるのもおすすめです。公衆電話の設置場所は、NTT東日本・西日本のサイトで地図検索ができます。

併せて、公衆電話の使い方も伝えましょう。最近はスマートフォンが普及したため、公衆電話を使ったことがない子どもが増えています。NTT東日本の「はじめての公衆電話キッズページ」では、小学生向けに公衆電話の使い方が掲載されています。どう使うのか調べてから、実際の公衆電話でシミュレーションしておくと安心です。

長男と一緒に、家から一番近い公衆電話に行ってみました。彼にとって初めての公衆電話だったのですが、なんと扉も開けられませんでした……!これは正直、予想外でした。“受話器を持ち上げる”ことすら通じず。今の子どもたちが、どれほど公衆電話と無縁の暮らしをしているのかを痛感しました。

災害時には、災害用伝言ダイヤル「171」が利用できることを、その使い方とともに説明しておくと安心です。実際に使う機会がなくても、「こういう方法がある」と知っているだけで、子どもの不安は大きく減ると感じました。

いざという時どうするか?「考える力」育てたい

通学中の防災は、特別な道具や難しい知識がなくても始められます。いつもの通学路を一緒に歩き、もしもの時の行動を話し合うだけでも、子どもの防災意識は確実に高まります。

大切なのは、「怖がらせること」ではなく、どうしたらいいか「考える力」を育てること。親が一方的に教えるのではなく、子ども自身が考え、判断できるようになることが、いざという時に命を守ると感じました。

災害は、ある日突然やってきます。だからこそ、平時からしっかり親子で考えておくことが大切です。ぜひ一度「通学中の防災」をテーマに話し合ってみてください。

<執筆者プロフィル>
海老原葉月
ライター、整理収納アドバイザー1級
13歳、10歳、1歳の三兄弟を子育て中。東日本大震災、令和元年房総半島台風にて被災した経験から、防災に関する情報を発信。

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