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毎日の食事で気をつけたい、炎症を引き起こす食品リスト

  • 2025.11.29

慢性炎症を抑えるために、避けるべき食品とは

Slice of whole wheat bread, toast with butter and cream cheese on white plate. Breakfast, snack, sandwich, lunch with spread. Dark rye bread. Copy space. Flat lay

私たちの周りには、炎症を引き起こす可能性がある食べ物が至る所にある。

ジョンズ・ホプキンス医学によれば、「慢性的な炎症は深刻な健康問題であり、食事によって悪化することもあれば、改善することもある」という。しかし、どういった食品が炎症を引き起こすのだろうか? フランスを拠点とし、微量栄養学を専門とする自然療法士のヨハン・マンノーネには、いくつかのアドバイスがあるようだ。彼は最近、自身の抗炎症食を取り上げた『 My Anti-Inflammatory Diet(原題)』を出版しており、そのなかで持病を克服するために取り入れた健康的な習慣と食事の詳細について綴っている。

炎症を招きやすい食品のリストを掲載したこの本のなかで、彼は「人の数だけいい食事法がありますから、すべての人に有効な一皿を処方することは不可能です」と前置きした上で、こう続けている。「その一方で、ある種の食べ物は、いい質ではない場合は特に、炎症を引き起こすことがわかっています。したがって、それらを避けることが望ましいでしょう」

マンノーネとヘルスコーチでありウェルネスプラットフォームAgora Healthの共同設立者であるグレース・ショーが、健康のために避けることを推奨する5つの主要な食品は以下よりチェックしてほしい。

1. グルテン

グルテンは、小麦、大麦、ライ麦、スペルト小麦などの穀物や、それらを使ったパン、パスタ、クッキー、菓子パンなどの食品に含まれるタンパク質のこと。弾力性があり、粘着性のある構造をしているため、生地を膨らませ、パンをふっくらとさせることができるのもこのグルテンのおかげだ。

しかし問題なのは、現在の小麦がその祖先の形と異なっていることだとマンノーネは説明する。品種改良によって本来の14対の染色体ではなく42対の染色体を持つようになったことで、高収量化が進んだもののグルテンの含有量が増加し、消化しにくくなったという。グルテンが体内で十分に分解されないと、有害な細菌を餌として腸内環境を破壊し、腸内細菌異常症を引き起こしたり、腸のバリア機能が低下し「リーキーガット症候群(腸もれ、腸管壁侵漏症候群とも)」を引き起こすタンパク質であるゾヌリンの放出を誘発するそうだ。

セリアック病の人はグルテンを完全に避けなければならないが、マンノーネによれば、そうでない人もグルテン、特に現代の小麦を制限することができる。彼はアインコーン(古代小麦)や天然のサワードウから作られたパンなど、発酵によってグルテンが部分的に分解された、より消化しやすいものを選ぶことを勧めている。

2. 質の悪い乳製品

ラクトース(乳糖)とは、グルコースとガラクトースからなる炭水化物のこと。通常はラクターゼという酵素によって消化され、分解されて健康な腸内細菌のエサとなる。しかし、大人になると、多くの人が十分なラクターゼを生成しなくなる。ラクターゼがないと、体は乳糖を処理するのに苦労するようになり、乳糖は腸内で発酵し、消化不良、炎症、肌荒れ、偏頭痛、関節痛などの不耐症状を引き起こすという。

ただし、乳糖不耐症だからといって、乳製品を完全に断たなければならないわけではない。パルメザンチーズ、ゴーダチーズ、グリュイエールチーズといった乳糖をほとんど含まないハードチーズや、ラクトースフリーの製品であれば、考慮してもいいだろう。

乳糖以外にも、乳製品には主要タンパク質であるカゼインが含まれている。カゼインのなかには、炎症や免疫反応、腸透過性を誘発するもの(特に雑種牛由来のA1型β-カゼイン)もあるが、ヤギやヒツジ、伝統的な牛種由来のA2型は有害性が低いとされている。

同様に重要なのは、牛乳の生産方法だ。伝統的な牧草飼育の牛はオメガ3系を豊富に含むミルクを提供していたが、今日の集約型農業では、炎症を引き起こすオメガ6系を多く含む穀物や大豆ベースの飼料に頼っているという事実もある。また、工業的なプロセスでは、農薬、抗生物質、ホルモン剤などが用いられていることもあり、これらは人間の健康に影響を及ぼす可能性があるとされている。低温殺菌やUHTのような加工法は、栄養素をさらに劣化させ、腸にストレスを与えるような方法でタンパク質を変化させてしまうそうだ。

そこでマンノーネが推奨する、乳製品を選ぶときに気をつけるべきポイントは以下の通り:

  • 農薬、抗生物質、ホルモン剤の使用を避け、牧草で飼育されたヤギ、ヒツジ、ジャージー牛のオーガニック製品を選ぶ
  • 有益なバクテリアの恩恵を受けるために、発酵乳製品(ヨーグルトやチーズ)を取り入れる
  • ラクトースもカゼインも含まない生バターやギーなどを使う

3. 加工肉・赤身肉

サラミ、ベーコン、ステーキ、ソーセージといった加工肉や赤身肉は、飽和脂肪酸、添加物、高温調理で生成されるAGEs(「Advanced Glycation Endproducts」の略称で「終末糖化産物」のこと)を多く含む傾向があるため、炎症と関連があるとされている。「これらの化合物は体内の炎症経路を活性化させます」とショー。特に加工肉は、硝酸塩や亜硝酸塩で保存され、ニトロソアミンを形成する。これらは酸化ストレスと炎症に関連しているという。

しかし、赤身肉を完全に避ける必要はない。ショーは、肉の産地を考慮し、量より質を選ぶことを勧めている。「赤身の肉を時折食べることで、バランスの取れた食事に必要な鉄分やビタミンB群を摂取することができます。程よく取り入れることが大切です」

加工肉や赤身肉を減らしたい場合は、鶏肉や魚、豆腐や豆類などの植物性タンパク質に置き換えることもできるだろう。

4. 炭酸飲料、お菓子、ペストリー

「精製糖は、血糖値の急激な上昇とそれに続く下降を引き起こし、長期的にはインスリン抵抗性の一因となります」とショーは言う。「この絶え間ない血糖値のジェットコースターは、体内で低レベルの慢性炎症を促進し、内分泌系に余分なストレスを与え、ホルモンバランスを乱してしまうのです」。精製糖を多く含む食事はまた、有害な腸内細菌を養い、微生物の多様性を低下させる。このアンバランスが腸のバリアを弱め、血液中に毒素を流れ込みやすくするという。

精製糖は、発泡性飲料、包装されたスナック菓子、菓子パンや白いパンなどの加工食品に多く含まれており、これらは一般的に栄養が乏しいとされる。「一方で、果物に含まれる天然の砂糖には、食物繊維や吸収を遅らせる栄養素が含まれています。そのため、すべての糖が同じというわけではありません」とショー。成分表には、高フルクトースコーンシロップ(HFCS、異性化糖)、メープルシロップ、ココナッツシュガー、グルコースフルクトースシロップ(GDS、ブドウ糖果糖液糖)、濃縮果汁などさまざまな名前で記載されているため、買い物をする際に注意したい。

5. 揚げ物

揚げ物は、「高温で加熱するとトランス脂肪酸や酸化油などの有害な化合物を生成する精製油で調理されることが多い」とショーは説明する。「これらは炎症だけでなく、酸化ストレスも高めます。定期的な摂取は、エストロゲンやプロゲステロンといった主要な女性ホルモンの体内での処理と利用を妨げる可能性もあり、月経不順や不妊症、子宮内膜症やPCOSのような症状を引き起こす可能性もあります」

揚げ物をよく食べると、体重増加、インスリン抵抗性、2型糖尿病にもつながり、腸内細菌叢を乱すという事実は言うまでもない。しかし、ショー曰くたまに家でオリーブオイルやアボカドなどの上質な油を使って揚げ物をするのは、テイクアウトしたものを食べるよりはいい。

成分表に「水素添加」や「部分水素添加油」という言葉が並んでいる場合は、炎症性食品であることを示す赤信号だ。私たちが取り入れるべきは、加工品ではない、手作りの食事だ。「何から始めたらいいか迷ったら、地中海式ダイエットに従うといいでしょう」

Text: Marie Bladt Adaptation: Motoko Fujita

From VOGUE.FR

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