1. トップ
  2. もう後戻りできない…これは“借りるだけ”のはずだった【やさしさに焦がれる Vol.50】

もう後戻りできない…これは“借りるだけ”のはずだった【やさしさに焦がれる Vol.50】

  • 2026.2.20

■これまでのあらすじ

母に結婚と海外移住を告げた凜は強く反対され、心を痛める。その裏で、弟は同棲資金を稼ぐために始めたFXで偶然の成功を収め、自信をつけていた。彼女の提案で1年間の同棲を余儀なくされた弟は、結婚資金を早く稼ぎたいという欲に駆られ、危険を顧みずレバレッジを引き上げる。すると相場はまさかの大暴落。大損を抱え、翌日までに80万円を用意しなければならなくなった弟は、追い詰められた末に禁断の行動へと踏み出してしまうのだった。

■こんなことしたくないけど…他に方法がないんだ

■盗むわけじゃない…一時的に借りるだけ

母が仕事に出ている時間を狙い、弟はそっと実家へ戻ってきました。

すでにキャッシングの上限まで借りてしまい、他に資金を工面する方法が見つからなかったのです。思いついたのは、実家にある金目のものに手を出すこと――。

しかし、家にあった現金は想像していたよりもずっと少なく、弟はついに祖母の形見の宝石にも手を伸ばしてしまいます。

「FXでうまくいけば、すぐに返せる。こっそり戻せば気づかれない」そう自分に言い聞かせ、これは“盗み”ではなく“借りるだけ”だと正当化しながら家を出ようとしたその瞬間――。

玄関の扉が開き、母が帰宅してしまったのです。

(福々ちえ)

元記事で読む
の記事をもっとみる