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ワクチン接種前に『インフルエンザ』にかかってしまったら…摂取は必要?それともいらない?【医師の解説】

  • 2025.11.27
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

今年は例年より早い時期から流行しているインフルエンザ。もしワクチンを接種する前に、インフルエンザにかかってしまったらどうしたらいいの?と思う方も多いのではないでしょうか。

今回はそんな疑問にお答えするため、感染してしまった場合のワクチン接種の必要性や理由、背景について分かりやすく解説していきます。

インフルエンザ感染後のワクチン接種は必要?

インフルエンザに感染すると、そのウイルスに対して体内で免疫反応が起き、一時的にそのタイプのウイルスに対する抗体をつくることが考えられます。つまり、自然感染によって一種の「免疫」が生まれる可能性があります。

しかし、ここで重要なのは、インフルエンザウイルスには複数の型があり、流行するタイプが異なることです。一度感染してできる免疫は、その感染したウイルスの型に対しては働く可能性がありますが、別の型や亜種に対しては効果が弱いとされています。さらに、感染で得た免疫は場合によっては一時的で、時間が経つと低下していくこともあるようです。

このような背景から、すでにインフルエンザにかかっていても、流行する他のタイプに備えるためにワクチン接種が推奨される場合があります。

インフルエンザとワクチンの基礎知識、感染後の注意点もチェック

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

もう少し背景を掘り下げると、インフルエンザワクチンは感染予防だけでなく、重症化のリスクを下げることも目的と作られています。インフルエンザウイルスは毎年のように形を変えるので、最新の流行情報に基づいてワクチンの成分も更新されています。

感染後にワクチンを受ける目的の1つは、新たに流行する型への防御も期待するためです。特に重症化しやすい高齢者や慢性病を持つ人は、感染後であっても可能な範囲で接種を検討することがあります。

また、インフルエンザは感染後も人にうつす可能性がありますので、症状が出ている間や回復直後は周囲への配慮として接触を避けることも大切です。また、病気の回復直後などの体調によっては接種のタイミングを調整する必要があり、接種時期については医療機関に相談するのが望ましいでしょう。

知っておきたい!ワクチン接種のポイント

インフルエンザにかかってしまった場合でも、場合によってはワクチン接種が望ましい場合もあります。感染したウイルスの型に対しては体が免疫をつけるものの、他の型に対しては不十分なこともあるためです。

ただし、体調や感染の状況によってはワクチン接種をすぐにしないほうがよいこともあるため、自己判断を避けて医師と相談するのがベストです。

日々の予防対策としては、手洗いやマスク着用、人混みを避けるなどの基本的な感染対策も重要です。感染してからの対応だけでなく、日頃からの健康管理も意識することが大切です。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。