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管理栄養士「激痛を引き起こします」→実は『痛風』を招く原因に…注意すべき“意外な食材”とは?

  • 2026.3.13
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

朝食の定番であり、健康維持のために毎日食べている人も多い「納豆」。手軽にたんぱく質や食物繊維がとれる優秀な食材ですが、「実はプリン体が多く含まれている」という噂を耳にしたことはありませんか?

プリン体と聞くと、ビールや魚卵などをイメージしがちですが、身近な健康食材である納豆にも含まれているとなれば、毎日の習慣を見直すべきか悩んでしまいますよね。「健康に良いから」とたくさん食べることは、痛風リスクにつながってしまうのでしょうか?

今回は、納豆に含まれるプリン体の真実と、安心できる適量や正しい食べ方について、管理栄養士の工藤まりえさんに詳しく解説していただきました。

納豆にはプリン体が多い? 毎日の習慣に潜む落とし穴

---手軽にたんぱく質がとれるため、健康のために毎日納豆を食べている人も多いと思います。しかし「納豆にはプリン体が多く含まれている」というのは本当でしょうか?

工藤まりえさん:

「健康に良い食品として知られる納豆。たんぱく質や食物繊維が手軽にとれることもあり、『健康のために意識して食べている』という人もいれば、『手軽だから朝ごはんに食べている』『昔から何となく食卓にある』という人も多いのではないでしょうか。

そんな身近な食材に『実はプリン体が多く含まれている』という話を耳にすると、驚いてしまう人もいるかもしれません。

まず『プリン体』と聞くと、痛風の原因物質でビールなどのアルコールや魚卵など、酒の肴に含まれているイメージが強いかもしれません。プリン体はさまざまな細胞の核に含まれる成分で、食べ物からも取り込まれるほか、体内でも作られる物質です。このプリン体が、体内で尿酸に分解され、体内の濃度が高くなりすぎると結晶化して痛風発作という激痛を引き起こします。

納豆のプリン体量は100gあたり約110〜120mg程度とされており、1パック(約45g)では50mg前後です。極端に多い食品というわけではありませんが、毎日2パック食べる習慣がある場合、単純計算で約100mg程度のプリン体を納豆から摂取することになります。

さらに、食事の中で肉や魚、アルコールなどプリン体を多く含む食品が重なると、1日の総摂取量が増えていきます。痛風予防の目安としては、プリン体の摂取量は1日400mg以内が一つの目安とされているため、納豆自体が特別危険というわけではないものの、『健康に良いから』と量が増えすぎると、結果として尿酸値を押し上げる可能性もあります。」

大豆製品の「重ね食べ」やアルコールとの組み合わせに注意

---納豆にプリン体が含まれているとなると、豆腐や豆乳など、他の大豆製品も心配になってきます。また、どのような食事の組み合わせだと痛風リスクが高まるのでしょうか?

工藤まりえさん:

「実は納豆にもプリン体が含まれることを知ると、では大豆を原料にしたほかの食材もそうなの?と不安になりますよね。大豆製品も例外ではなく、納豆、豆腐、厚揚げ、豆乳などにはそれぞれ一定量のプリン体が含まれています。

例えば、納豆を1日2パック食べる習慣があり、さらに味噌汁に豆腐が入っていたり、間食代わりに豆乳を飲んだりすると、大豆由来のプリン体が積み重なっていきます。先ほどお伝えしたように、納豆自体のプリン体量は極端に多いわけではありませんが、このように同じ食品群が重なることで、1日の総摂取量が増えてしまう可能性はあります。

大豆製品以外にも、プリン体は多くの食材に含まれています。代表的なのは、レバーやいわし、マグロなど。魚卵にも含まれていることが有名ですが、実はレバーのほうが圧倒的に多いんです。こういった食材と組み合わせると、1日の総摂取量はどんどん増えていく可能性があります。

また、アルコールは分解の過程で尿酸を作りやすくし、さらに排泄を邪魔する作用もあるため、血中の尿酸値を上げることにつながります。アルコールを飲みすぎた翌日、健康を気づかって、納豆を2パックに豆腐の味噌汁、明太子を乗せた朝ごはん…となると、かなり痛風リスクを高めることになってしまいます。

日常生活で、納豆や大豆製品そのものを過度に心配する必要はありませんが、『健康に良い食品だから多く食べるほど良い』と考えるのではなく、適量を守りながら食事全体のバランスを意識することが大切です。」

「1日1パック」が目安。納豆のメリットを活かす食べ方

---痛風リスクを高めずに納豆の健康メリットを得るためには、どのような食べ方をすればよいのでしょうか?明日からできる具体的なアドバイスをお願いします。

工藤まりえさん:

「先ほどの例のように、意図せず痛風リスクを高めないように、納豆を健康的に楽しむには、『量』『組み合わせ』『食べ方』を少し意識するのがポイントです。

まず、納豆の目安量は1日1パック程度。この量なら納豆のたんぱく質や食物繊維、ビタミンなどのメリットをしっかり取り入れることができます。『体にいいから』と2パック、3パックと増やすよりも、毎日1パックを気楽に続けるくらいがちょうどいいバランスです。

物足りないという場合は“ちょい足し食材”で納豆を楽しむことがおすすめです。
卵の黄身をプラスして濃厚にしてみたり、しらすや海苔をトッピングしてミネラル補給ができるようにしてみたり。キムチを加え発酵食品コンビにすると、食べ応えもありながら整腸作用も期待できるのでおすすめですよ。

さらに、尿酸対策として意識したいのが水分補給です。尿酸は尿として排出されるため、食事のときや日中にこまめに水やお茶を飲む習慣をつけると、体内にたまりにくくなります。

納豆はとても優秀な食品ですが、大切なのはたくさん食べることではなく、上手に続けること。1日1パックを目安に、食材の組み合わせや味のアレンジを楽しみながら取り入れていきましょう。そうすれば、納豆の健康メリットを活かしながら安心して続けることができます。」

納豆は「適量」と「水分補給」で上手に楽しむ

健康に良いからといって、過剰に摂取するのは逆効果になる可能性がある納豆。しかし、極端に避ける必要はなく、「1日1パック」という適量を守ることで、たんぱく質や食物繊維といった恩恵をしっかり受け取れることがわかりました。

大豆製品の重ね食べや、プリン体の多い食品との組み合わせには注意しつつ、食事全体のバランスを意識することが痛風対策の鍵となります。

明日からは、いつもの納豆にちょい足しアレンジを加えたり、こまめな水分補給を心がけたりしながら、無理なく健康的な食生活を続けていきましょう。


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。