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「血糖値が急上昇しやすくなる」管理栄養士が警告。実は『糖尿病』の原因に…注意すべき「市販のドリンク」とは?

  • 2026.3.12
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

健康のために毎朝野菜ジュースを飲んでいる人も多いですが、「本当に体に良いのか?」「なぜ血糖値が上がりやすいのか?」という疑問を感じたことはありませんか?手軽に栄養補給ができる反面、実は知られざるリスクも潜んでいます。

野菜ジュースが持つ糖質の問題や血糖値の影響、そして今すぐできる健康的な飲み方の工夫について、かきねキッチン 管理栄養士 小池三代子さんに詳しく伺いまいた。

この記事を読むことで、野菜ジュースの正しい取り入れ方がわかり、日々の健康管理に役立てることができます。

市販の野菜ジュースに潜む糖質の落とし穴とは?

---なぜ市販の野菜ジュースには糖質が多く含まれているのでしょうか?その影響はどのようなものなのでしょうか?

かきねキッチン 管理栄養士 小池三代子さん:

「まず、野菜ジュースには想像以上に多くの糖質が含まれていることがあります。特に市販の野菜ジュースでは、飲みやすくするために果物が多く配合されていることがあり、果糖やブドウ糖などの糖質量が増える傾向があります。これらの糖質は体内で血糖値を上昇させる要因となり、毎日摂取すると血糖値のコントロールに負担をかける可能性があります。糖質の摂取量が多い状態が続くと、すい臓から分泌されるインスリンの働きが追いつかなくなり、長期的には糖代謝の異常につながる可能性があります。

次に重要なのが吸収スピードです。野菜をそのまま食べる場合は、咀嚼によって消化がゆっくり進み、糖質の吸収も比較的緩やかになります。しかしジュースの場合、すでに細かく加工されているため消化吸収が速く、血糖値が短時間で急上昇しやすくなります。血糖値の急激な上昇は、インスリンの大量分泌を招き、これが長期間繰り返されるとインスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなる状態)が生じ、糖尿病の発症リスクを高めると考えられています。

さらに、ジュースに加工する過程で食物繊維が減少することも影響します。食物繊維には糖の吸収をゆるやかにし、血糖値の上昇を抑える作用があります。しかし野菜ジュースでは、搾汁や濾過の工程で不溶性食物繊維が取り除かれることが多く、結果として糖の吸収を抑える機能が弱くなります。そのため、同じ野菜を摂取する場合でも、ジュースよりも固形のまま食べた方が血糖値の上昇は穏やかになる傾向があります。」

野菜ジュースに頼ることで陥りやすい2つの共通点とは?

---健康のために続けている習慣(例:毎朝の市販野菜ジュースの摂取など)で、かえって糖尿病リスクを高めてしまう人の共通点や注意点を教えてください。

かきねキッチン 管理栄養士 小池三代子さん:

共通点①:液体で手軽に栄養を補おうとする

市販の野菜ジュースを常飲し、糖尿病リスクを高めてしまう人の多くは、忙しさを理由に食事を手軽に済ませ、咀嚼(そしゃく)を省略する傾向があります。固形物を噛んで食べる場合、消化管ホルモンが分泌され、脳に満腹感や『これから糖が入ってくるぞ』という準備信号が送られます。しかし、液体の糖質はこれらをスキップして小腸へ移動し、急激な血糖値の上昇を招きます。

共通点②:野菜を取っているから健康的だと安心している

『1日分の野菜』というフレーズは魅力的ですが、加工過程で食物繊維(特に不溶性)が失われていることに無頓着な方が多いのも特徴です。野菜が持つ大切な栄養の一つである食物繊維が不足すると、糖の吸収が速くなり、血糖値が一気に上昇してしまうことがあります。急激に上がった血糖値を下げるため、すい臓から大量のインスリンが放出されると、今度は一気に血糖値がさがります。こうした血糖値の乱高下は、すい臓を疲弊させ、インスリンの効きが悪い体質(インスリン抵抗性)へと傾いていくのです。

野菜ジュースを飲んでいる安心感から、食事での野菜摂取量が減ってしまったり、主食や甘い食品の量が増えてしまうケースも少なくありません。本来、糖尿病予防に重要なのは、単一の食品ではなく、主食・主菜・副菜のバランスや総エネルギー摂取量、食物繊維の量など、食事全体の質です。糖尿病予防の観点では、飲料だけに頼らず、野菜をそのまま食べることを基本にしながら、加工飲料は補助的に取り入れるという意識が重要です。」

毎日の野菜ジュース習慣に取り入れたい、簡単で効果的な工夫とは?

---毎朝の野菜ジュースを習慣にしている人が、健康のために明日からすぐ実践できる具体的な行動や簡単な工夫を一つ教えていただけますでしょうか。

かきねキッチン 管理栄養士 小池三代子さん:

「毎朝の野菜ジュースを習慣にしている人が、健康のために明日からすぐ実践できる最も簡単で効果的な工夫の一つは、『野菜ジュースを単独で飲むのではなく、何か“噛んで食べる食品”と一緒に摂るようにすること』です。これは非常にシンプルな方法ですが、血糖値の上昇を緩やかにするうえで重要な意味があります。

市販の野菜ジュースは、野菜を手軽に摂取できる便利な食品ですが、加工の過程で食物繊維が減少していることが多く、糖質の吸収が比較的速いという特徴があります。そのため、空腹の状態でジュースだけを飲むと、糖が短時間で吸収されて血糖値が急上昇しやすくなります。そこでおすすめなのが、ジュースを飲む前に『噛んで食べる食品』を少量でも先に摂ることです。例えば、ナッツ、サラダ、ゆで卵などが手軽な選択肢です。これらの食品にはたんぱく質や脂質、食物繊維が含まれており、胃の中に食べ物がとどまる時間を長くし、糖の吸収スピードを穏やかにする働きがあります。また、咀嚼(そしゃく)をすることで満腹感が得られやすくなり、血糖値の急激な変動を防ぐ助けにもなります。

あまり噛まずに食べられる食品ではありますが、ヨーグルトやチーズを先に食べるのも良いでしょう。食物繊維は含まれていませんが、たんぱく質や脂質が多く、血糖値の上昇スピードを穏やかにするのに役立ちます。

毎朝の野菜ジュースをより健康的な習慣にするためにも、『ジュースだけにしない』という工夫を取り入れてみましょう。」

野菜ジュースは「噛む」習慣とセットで健康に

今回の取材から分かったのは、野菜ジュースに含まれる糖質の多さや吸収の速さが、血糖値の急激な変動を招きやすいことです。ジュースの加工過程で食物繊維が減少するため、固形の野菜を食べるのとは異なる影響があります。また、液体で手軽に栄養を補うことや、野菜を取っている安心感から食事全体のバランスを崩しやすい点も注意が必要です。

そんななか、毎日の野菜ジュース習慣をより健康的にする最も簡単で効果的な方法は、「ジュースだけにせず、何か噛んで食べる食品と一緒に摂ること」です。ナッツやサラダ、ゆで卵、ヨーグルトやチーズなどをプラスすることで、血糖値の上昇を緩やかにし、満腹感も得やすくなります。これを習慣にすれば、糖代謝の負担を軽減し、糖尿病リスクの低減につながる可能性も高まるでしょう。

野菜ジュースはあくまでも補助的なものと考え、固形の野菜を基本にしたバランスの良い食生活を心がけることが大切です。ぜひ、今日から簡単な工夫を取り入れて、健康習慣を見直してみてください。


監修者:かきねキッチン 管理栄養士 小池三代子
管理栄養士×保育士|実務経験13年|現在はフリーランスの管理栄養士として、栄養相談や献立作成、記事執筆・監修を中心に活動中。「人に寄り添い、無理なく実現できる食生活のサポート」をモットーに、忙しい中でも続けられる、簡単でおいしい時短レシピを発信している。