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「オートミールは太りにくい」1日3食食べて“61kg→50kg”まで減量するも…→数日後、30代女性を襲った“想定外の悲劇”

  • 2026.3.14
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。管理栄養士として、日々さまざまな相談に向き合っている工藤まりえです。 

健康食品として人気のオートミールですが、「太らない」「いくら食べても安心」という思い込みは危険です。栄養価が高く、海外では朝食の定番として有名。食物繊維が豊富なことでダイエット目的で取り入れる方が増えていますが、摂り方や量を誤ると消化器トラブルを引き起こすことも。

実際に、オートミールを主食として置き換えたことで、急激に食物繊維の摂取量が増え、腸の不調を起こし、あわやイレウス(腸閉塞)になりかけた36歳女性・Aさん(仮名)の事例を、管理栄養士の視点から紹介します。

朝食にオートミールを取り入れて2か月でー5kg。順調だったダイエット

きっかけはSNS。

「オートミールは食物繊維が豊富で太りにくい」「オートミールはお米のようにアレンジできる」という情報を見て、ダイエットのために朝食の白米をオートミールに置き換えることから始めたそうです。

ダイエットを決意してから、最初は1日1回、朝食に30〜40g程度。ごはんの代わりとして食べていました。

味も気に入って、毎日続けていくうちに、1か月で3キロの減量に成功。

その後停滞が続いたことで、ダイエットを加速させるために、ジムにも入会しました。入会時、160cmで61kg、BMIは23.8の普通体形。ジムでの運動もプラスすることで、滞っていた体重が1か月で2キロ減量し、夢だった50キロ台に入ってとても喜んでいらっしゃいました!

「これを続ければもっと痩せる」と感じていたそうです。

ただ、その後少しずつ体重の減るスピードが落ちてきました。運動して筋肉が増えることで、体重の減り方がゆっくりに見えることがあるとお伝えし、ボディラインの変化を意識しましょうねとフォローしていました。

ところがある日、予約の日にいらっしゃらないことがあり、翌週お話を伺うと、「実は緊急で病院に担ぎ込まれていました」とのこと。

なんと、便秘を悪化させてしまい、あまりにもお腹が痛くて病院で見てもらうと、イレウス(腸閉塞)になりかけていたとのこと。

1日3食オートミール生活で起きた体の異変

お話を聞くと、3〜4日前から「食物繊維をもっと増やした方がいいのでは」と考えるようになり、オートミールを1日3食に増やしていたというのです。

この女性は、はじめは1食あたり約30~40gのオートミールを食べていました。

オートミールをお米のようにアレンジするレシピや、パンケーキにしたり、お好み焼きにしたりと、調べるとたくさん出てくるレシピを次から次へと試していたそうですが、次第に1日1食ではなく、3食オートミールを食べる生活になった矢先、腹痛に襲われたとのこと。

どうやら、1回に使っていたオートミールは50~60gで、3食となると約180gです。

オートミールは100gあたり約9gの食物繊維を含むため、これだけで1日約16gほど。野菜の摂取も心掛けていて、特に根菜の煮物や蒸し野菜も毎日摂っていました。これも含めると、20g以上の食物繊維を摂っていた可能性があります。

加えて、季節は冬。水分補給をする機会が減って、腸内にも水分が不足してしまい、なかなか便が排出しにくい環境が重なっていた可能性もあります。

さらに悪いことに、この女性は長年便秘傾向で、数日便が出ないことは日常茶飯事だったため、何日便が出ていないか把握できない状態だったそうで、「もしかしたら1週間以上出てなかったのかも・・・」とのこと。

幸い、大きな手術をすることなく、即日退院することができたそうですが、お医者さんからは「危うくイレウス(腸閉塞)になるところでしたよ」と伝えられたそうです。

オートミールは「適量」が大切な健康食品

このケースから感じたのは、「体にいい食品ほど多く食べた方がいい」と思い込んでしまう人が多いということです。

オートミールは栄養価の高い食品ですが、決して「いくら食べても太らない食品」ではありませんし、「食べれば痩せる」という夢の食材でもありません。

ダイエット目的で取り入れる場合は、1食30〜40g程度を目安に、まずは1日1食から始めるのがおすすめです。オートミールは水分を吸って膨らむ食品なので、スープや牛乳、豆乳などでしっかり水分を含ませて食べること、水分補給を意識することも重要です。

日本人の多くは、食物繊維の摂取量が不足しているといわれています。食物繊維は体に良い面を多く持っていますが、一方で多すぎたり、水分不足の環境では便秘や腸の不快感を引き起こしかねません。1日の適量を守り、水分補給もしっかりとすることが大切です。

健康食品は上手に取り入れれば大きな味方になります。ただし「体にいいから安心」と量を増やしすぎないこと。バランスの良い食事の中で取り入れることが、無理のないダイエットにつながります。


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。