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『膀胱炎』になってしまったら…やってはいけない“5つのこと”を医師が解説

  • 2025.11.27
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

急にトイレが近くなったり、排尿時に痛みや違和感を感じたり…。これらは膀胱炎のサインとされることが多いものです。膀胱炎は膀胱の炎症で、日常生活の中でも起こりやすく、誰にとっても身近な症状のひとつ。

この記事では膀胱炎の際に気をつけたい『5つのNG行動』を医師の視点からわかりやすく解説します。つい見逃しがちなポイントも含まれているので、膀胱炎の予防や対処に役立ててください。

膀胱炎によくある6つの症状を解説

膀胱炎は、尿道から膀胱へ細菌が侵入して炎症を起こす疾患です。原因菌の多くは大腸菌で、尿道が短く肛門に近い女性に多く見られます。また、ストレスや疲労による免疫力の低下も発症に関与しています。

膀胱炎には急性膀胱炎、慢性膀胱炎、間質性膀胱炎、出血性膀胱炎などさまざまな種類がありますが、一般的に「膀胱炎」といえば急性膀胱炎を指すことが多いです。感染症の一種ですが、発熱を伴わないことが多いのも特徴です。

膀胱炎を発症した際に現れやすい症状を6つ紹介します。

  1. 頻尿
    トイレが近くなる症状です。健康な方は1日に4〜8回程度排尿しますが、膀胱炎ではそれ以上の頻度で尿意を感じます。
  2. 排尿時痛
    排尿の終わり際に「きゅーっとした痛み」を感じることがあります。
  3. 尿混濁
    尿が濁っている場合、白血球や細菌が多く含まれている可能性があります。
  4. 下腹部の不快感
    下腹部の痛みや違和感、重だるさを訴えることがあります。
  5. 残尿感
    尿をし終えた後でも「まだ尿が残っている」ような感覚がある状態です。
  6. 血尿
    尿に血が混じることがあります。赤ワインのように濃い色になる場合もあります。

膀胱炎になってしまったら…やってはいけない5つのこと

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

膀胱炎の症状を悪化させないために、次の5つの行動は避けましょう。

  1. 性行為
    症状が改善するまでは性行為を控えましょう。性行為によって膀胱炎が悪化することがあります。
  2. 長時間トイレに行かない
    尿をためすぎると細菌が増殖し、症状が悪化します。長時間座り続けることも尿の流れを妨げる原因になります。
  3. お腹を冷やす
    膀胱の冷えは症状を悪化させる可能性があります。暖かくして過ごすよう心がけましょう。
  4. 刺激物の摂取
    カフェイン、アルコール、辛い食べ物などは膀胱を刺激し、症状を悪化させることがあります。
  5. 自己治療
    自己判断で薬を使ったり、症状が改善したからといって、治療を中断することは危険です。医師の指示に従って適切に治療を続けましょう。

また、膀胱炎を早く治すためには、次の2つのポイントが重要です。まずは「水分をたくさん摂る」こと。排尿による自浄作用で、尿道や膀胱に侵入した細菌や異物を排出できます。こまめな水分補給と適切な排尿で、膀胱の健康を保ちましょう。

次に、「抗生剤を服用する」こと。膀胱炎は細菌感染によって起こるため、抗生剤による治療が欠かせません。適切な抗生剤を服用することで、細菌を減らし炎症を抑えることができます。

膀胱炎は放置しないことが大切

膀胱炎は細菌感染によって起こり、女性に多く見られる疾患です。症状には頻尿や排尿時痛、尿の濁りや血尿などがあります。

治療中は、性行為や長時間の排尿我慢、腹部の冷え、刺激物の摂取、自己判断での薬の服用を避けることが重要です。早く治すには、水分をしっかり摂り排尿を促すことと、医師の指示に従った抗生剤の服用が基本です。

症状が軽くても自己治療で完治するのは難しく、再発や腎盂腎炎のリスクがあります。症状を和らげつつ、なるべく早めに医療機関での診療を受けることが安心です。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。