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肩“だけ”何とかしようとしていない? 体幹の専門家が「肩こり」を解説

  • 2025.7.17

肩こり

働く女性が気になる症状や疾患について解説。今回は、ワーカーにとって切っても切り離せない「肩こり」の悩みをひもときます。

出典:シティリビングWeb

教えてくれたのは…石塚利光さん

日本コアコンディショニング協会副会長。豊富な知識と経験から、プロアスリートや学校、一般の人への指導や、運動指導者への指導なども行う。ストレッチポールなどの体幹ケアツールの使用方法を監修

Q.肩こりはなぜ起こるの?

肩こりは、筋肉が「支えすぎて疲れている」サインです。頭は約5〜6kgと重く、さらにデスクワークで前に傾いた姿勢になると、それを肩の筋肉が支え続け、そこに腕の重さも加わって筋肉の緊張状態が続きます。動かさないことで血流も悪くなり、酸素不足の筋肉が神経にダメージを与える。これが肩こりの正体です。根本には「骨盤が後ろに倒れたまま」頭を支えようとする姿勢の崩れがあり、まずは骨盤を立て、体全体のバランスを整えることが解消の第一歩になります。

Q.マッサージで改善する?

マッサージやストレッチは一時的に筋肉をほぐす効果がありますが、根本解決にはつながりません。大切なのは、まず骨盤と背骨を正しい位置に整え、良い姿勢を「頑張らずに」保てる状態にすることです。これには本来使うべき肩回りのインナーマッスルが機能しないと、大きな筋肉が代わりに頑張ることになり、肩や首に余計な負担がかかります。まずは全体を整えて、それをキープできる筋肉を育てるという順番がカギになります。

Q.「呼吸」が関係するって本当?

走った後に「肩で息をする」と言いますよね。呼吸は姿勢のゆがみと密接に関わっています。猫背や巻き肩になると肋骨が動きにくくなり、呼吸が浅くなります。すると肩で呼吸するようになり、首や肩の筋肉を酷使してしまうのです。呼吸を“意識的に整える”ことは、特に横隔膜を働かせることにつながり、体幹の安定にも好影響。深くゆったりとした腹式呼吸を行うことが理想的です。まずは「肩を動かさずに息を吸って、吐いてを繰り返す」ことから始めてみましょう。

Q.始めやすい運動やケアは?

日々のケアとしておすすめなのが、ストレッチポールなどアイテムを活用した“体幹ケア”です。ストレッチポールに仰向けで寝て、軽く揺れるだけでも骨盤から背骨の位置が整い、神経がリラックスモードに切り替わります。そこに骨盤底筋や横隔膜などを活性化するトレーニングを組み合わせると、より効果的。どんなストレッチやトレーニングだとしても、姿勢を崩したまま動いてしまうとケガにつながることも。例えば寝る前などに1日1回、姿勢をリセットすることで、整った状態の心地よさを感じられれば、継続もしやすいと思います。

出典:シティリビングWeb

脱力して手の平を“ワイングラスを回す”イメー ジでゆったり小さく回します

Q.日常生活で気をつけることは?

理想の姿勢であってもそのまま「じっとしている」ことは肩こりにつながります。人間の骨格構造は本来動き回り狩りをしたり、食料を求めて移動するのに適した構造で、動かずに座っているのに適してはいないのです。長時間、座り姿勢を続けると、骨盤が後ろに倒れ、背中が丸まり、肩甲骨が外に流れてしまいがち。だからこそ、1時間に一度は立ち上がって歩くなどでリセットをしましょう。座っているときは、お尻の“座骨”が座面に当たっているかを感じることで、「骨盤を立てる」意識がしやすくなります。何をするにも土台が安定しないことには始まりません。肩こりを解消したいから“肩だけをケアする”ではなく、全体を整えて、そこから悩みの部位をどうするかを考えていくのが大切です。

出典:シティリビングWeb

後傾した骨盤(左)と、正しい位置の骨盤(右)

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