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【更年期世代を元気に!50代の「応援めし」】春のゆらぎ、自律神経を整えるvol.7

  • 2025.5.9

月刊誌『大人のおしゃれ手帖』の読者組織「ミモザ会」の公式ブロガーによる『ミモザ会ブログ』
今回は、食のトレーナー、原田マチ子さんによる、更年期の女性の健康を考えた「応援めし」をお届けします。


こんにちは。
食のトレーナー、原田マチ子です。
50代、更年期世代のカラダを整え、元気にする「応援めし」。
 
にぎやかに花が咲き、お出かけするのが楽しい爽やかな季節です。
一方で、仕事や私生活では、さまざまな変化が訪れる時期でもあります。
外は晴れやかなのに、何だか不調、もやもやする……などと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか? その不調は、自律神経の乱れからきているのかもしれません。

ゆらぎはホルモンや自律神経のバランスの乱れから起こる

自律神経とは、私たちが生きていくための活動(呼吸・体温・心拍の調節など)に欠かせない神経です。体を活性化させる「交感神経」とリラックスさせる「副交感神経」で構成されています。このバランスが崩れて調整がうまくできなくなると、自律神経が乱れます。
そして、「守りのホルモン」と呼ばれる女性ホルモンは、妊娠や出産に大きく関わり、心や体を支えてくれる大切な役割を担っています。更年期には、その女性ホルモンの減少によりさまざまな不調が訪れるのです。
ホルモンが分泌されることにより、卵巣の状態を脳に伝え、ホルモンのコントロールや自律神経の管理が行われます。ホルモンと自律神経は同じ脳の視床下部(ししょうかぶ)が関わっているため、どちらかがうまく機能しないと互いに影響を及ぼします。
では、自律神経が乱れるとどのような症状が起きるのでしょうか。肌や髪などの外見の変化、睡眠障害、動悸やめまい、そしてメンタル面が不安定になることがあります。涙もろくなったり、少しのことでイライラして家族に八つ当たりしてしまうような経験はありませんか?

自律神経を整える食材たち

私たちは普段の食事から、自律神経を整える栄養素を摂ることができます。
幸せホルモンと呼ばれている「セロトニン」。セロトニンの原料となる必須アミノ酸「トリプトファン」は、たんぱく質に含まれています。このトリプトファンを脳内に運んで吸収しやすくする、活発にしてくれるのが炭水化物です。
セロトニンの原料となるトリプトファンは、穀物、鶏のささみ、魚介、大豆、バナナなどに多く含まれています。トリプトファンの吸収を高める働きをするのが「ビタミンB群」で、魚、肉、胡麻、あさり、卵、緑黄色野菜などに豊富に含まれ、「自律神経成分」といわれています。
ストレスを軽減する作用があるとされている神経伝達物質「GABA」は、なす、トマト、発酵食品などに含まれ、交感神経の過剰な働きを抑制し、リラックスや気分を安定させるのにも効果があるとされています。
 
自律神経にまつわる栄養素はこのほかにもたくさんありますが、身近にある食材で摂れるものがほとんどです。トリプトファンの原料となる穀物と吸収を高める旬の食材を使ったおかず、ビタミンやミネラルが豊富な具沢山のみそ汁をいただくことでバランスを整えることができます。セロトニン神経は活性化するため、幸せホルモンは増加し、メンタルも安定します。
また、良く噛み、心穏やかに食事をすると、副交感神経が優位になり、サラサラの唾液が分泌されます。胃腸の働き、消化吸収を助けて、脳にも良い影響を与えてくれます。

「肩の力を抜いた食事」が更年期をラクにする

私は現在50代で更年期世代真っ只中です。涙もろかったり、イライラしたり、太りやすかったりと自分ではコントロールできないことが数々あります。でも、最近では「更年期だから、ホルモンのせいだから」と、なんとかやり過ごすことができるようになりました。そして家族にはっきりと「更年期なので、イライラしている時があります。あまり気にしないでください」と、伝えたことがよかったと思います。周囲に知っておいてもらうことで、自分も周りも守ることにつながります。
そして必要なのは、更年期を「頑張る」ことではなく、「肩の力を抜いた食事」。それが心と体をラクにするのだと思うのです。
「毎日、バランスの良い食事」が理想ですが、なかなか難しいのが現実。私は、普段は「お米と具沢山みそ汁の食生活」が基本です。でも休みの日は大好きなクロワッサンを、友人との食事では食べたいものをたっぷりいただきます。
そんなふうに食事を楽しく味わう時間をもつことで、更年期を一歩ずつ乗り越えていきたいものですね。
 
*次ページでは、春のゆらぎ、自律神経を整えるための簡単レシピをご紹介します!

自律神経を整える 塩麴で柔らかくジューシー! 「鶏ささみとたっぷり野菜の揚げ浸し」

鶏のささみは高タンパク、低脂質でビタミンEが含まれており、体内の酸化を抑制する作用があります。セロトニンの原料であるトリプトファンやビタミンB6も豊富。なす、アスパラ、赤ピーマンにはホルモンの生成に欠かせないビタミンCが多く、しめじは自律神経のバランスを整えるビタミンB群や食物繊維が豊富です。

【材料(2人分)】

鶏ささみ肉…2本
なす…大1本
赤ピーマン…1個
しめじ…1/2パック(70g)
油…大さじ2
塩麹…小さじ1
白胡麻…お好みで
*野菜室にある残り野菜で代用できます

<つけダレ>
醤油…大さじ3
みりん…大さじ3
酢…大さじ1
砂糖…大さじ1
だし汁…100cc
すりおろし生姜…小さじ1/2

【POINT】

鶏ささみに塩麹を塗ることでお肉が柔らかくなり、しっかりとした味になります。

【作り方】
 
① 鶏ささみに塩麹を塗り込む。
 
② なす、赤ピーマンは一口大に切り、しめじは石づきを切りほぐしておく。
 
③ 鶏ささみとしめじを耐熱容器に入れてフタをし、電子レンジ600Wで2分加熱する。
 
④ 鍋につけダレの材料を合わせ、ひと煮立ちしたら火を止める。
 
⑤フライパンに油をひき、なす、パプリカ、しめじを揚げ焼きにする。
 
⑥ ③の鶏ささみを食べやすい大きさに割いて、野菜と漬けダレと合わせる。
 
⑦ お皿に盛り付け、白胡麻をお好みでふりかけたら完成.
 
エネルギー(一人分)/233㎉ 塩分/1.36g たんぱく質/18g 脂質/14.6g 糖質/7.2g

ビタミンB群がストレスを緩和 「あさりとみょうがのみそ汁」

ストレスを感じたときに意識してほしいビタミンB群。あさりは自律神経を安定させるビタミンB12が豊富で、いまが旬のおすすめの食材。みょうがはカリウムが豊富なため、塩分を調節するのに最適です。

【材料(2人分)】

あさり…130g
みょうが…1個
小口ネギ…お好みで
昆布…5cm角1枚
みそ…大さじ1.5
水…400mL

【POINT】

あさりの殻はよく洗うこと。

【作り方】
 
① あさりは砂抜きをしておく。
 
② 400mLの水を入れた鍋に昆布を入れて30分程度、置く。
 
③ あさりを擦りながらよく洗う。
 
④ 鍋にあさりを入れ弱火でじっくりと加熱する。
 
⑤ アクが出たらすくい取り、沸騰したら昆布を取り出す。
 
⑥ あさりの口がすべて開いたら火を止めて、みそを溶き入れ再加熱する。
 
⑦ 沸騰前に火を止め小口ネギを入れる。
 
⑧ お椀に盛り、みょうがをのせて完成。
 
 
エネルギー(一人分)/43㎉ 塩分/2.87g たんぱく質/6.0g 脂質/0.8g 糖質/2.8g


【参考文献】
参考文献/更年期1年生(つちや書店)
心のストレスが消える処方箋(宝島社)
食品成分/食品成分データベース(文部科学省)


*画像・文章の転載はご遠慮ください

この記事を書いた人

食のトレーナー
原田マチ子

原田マチ子

私自身も50代、身体の変化を実感中。更年期世代のダイエットから、強くなりたいジュニアアスリートまで食の力で全力サポート。元気になる「応援めし」を発信しています。

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