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「しあわせは食べて寝て待て」でも話題!“薬膳”で梅雨の体調不良対策を

  • 2025.5.1

ドラマ「しあわせは食べて寝て待て」でも注目されている「薬膳」を手軽に取り入れてみませんか。梅雨は湿気や気温差、低気圧などの影響で体調不良が起こりやすい時期。そんな時こそ薬膳で調子を整えましょう。

ドラマで話題の薬膳とは

ドラマ「しあわせは食べて寝て待て」は水凪トリさんの同名漫画が原作。桜井ユキさん演じる主人公の麦巻さとこさんが一生付き合わなくてはならない病気(膠原病)を発症し、「薬膳」と団地の人々との交流によって生きる気力を取り戻していく物語です。

主人公・さとこさんが出会った薬膳の魅力

さとこさんが出会った「薬膳」とは、漢方の理論をもとに体調や体質、症状、季節に合わせてとる食事のこと。

漢方の思想である「医食同源」とは、「食べるものと薬になるものの源は同じ」という意味です。たとえば生姜は「ショウキョウ」、しそは「蘇葉(ソヨウ)」など、私たちが普段食べている食材は漢方の原料としても使われています。

また、東洋医学では、旬の食材は体を整える作用があると考えます。旬の食材を中心に、自分の体調や体質に合わせた食材を選ぶことで体の調子を整えていくのが薬膳です。

梅雨の「未病」対策にも薬膳

梅雨は湿度が高く水分代謝が低下しやすいほか、低気圧や寒暖差の影響で自律神経が乱れやすいことから体調不良が起こりやすい時期です。

梅雨の時期に「体がだるい」「食欲がわかない」「体が冷える」などと感じる人がいますが、こうした「病気ではないが健康でもない状態」を「未病」といいます。東洋医学では、未病の対策は薬だけでなく食事も重要とされています。

たとえば、5~7月に旬を迎える「うめ」は水分代謝を整える作用があり、湿度が高い梅雨や夏にぴったりの食べ物です。

知っておきたい用語「気・血・水(き・けつ・すい)」

薬膳を取り入れるうえで知っておきたい用語のひとつが「気・血・水(き・けつ・すい)」です。東洋医学では、人間の体は「気・血・水」という3つの要素で構成されると考えます。「気」は生命エネルギー、「血」は血液とその働き、「水」は体内の血液以外の体液のこと。

「気・血・水」がうまく巡ることで健康が保たれ、これらが不足したり、滞ったりすることでバランスが崩れると不調が出ると考えられています。

なお、薬膳は病気を予防するための食事であり、万能薬ではありません。そのことを理解したうえで、自分の状態に合う食事を取り入れて元気な体づくりに役立てましょう。

梅雨におすすめの食べ物

薬膳で梅雨によいとされている食べ物をご紹介します。

黒米

黒米の濃い紫色はポリフェノールの一種であるアントシアニンによるもの。黒米を白米と一緒に炊くとごはんがきれいな紫色になります。

薬膳では、食欲がない、元気がないなど体力や気力の低下が気になるときや、エイジングケアによいとされています。消化機能をよくする働きがあり、元気を出したいときにおすすめです。

きび

きびは2㎜程度の小さな穀物で、卵の黄身のような鮮やかな黄色をしています。消化吸収力を高める作用があり、胃が重い、ゲップが出るなど胃腸が弱っているときに取り入れたい食材です。

あわ

あわは小さな球形の穀物で、穀実の色は白、黄、赤、黒などさまざまな種類があります。消化吸収力を高めるので、胃が重いときや吐き気がするときによいでしょう。水分代謝を整える作用があり、むくみが気になるときにもおすすめです。

あずき

カリウムを含むあずきには利尿作用があり、むくみが気になるときによい食材です。食物繊維を含むため、便秘の解消効果も期待できます。

ピーマン

胃腸の調子を整えるため、食欲がないときにおすすめ。心を穏やかに鎮める作用があり、イライラや憂うつにもよいとされています。

そらまめ

利尿作用があり余分な水分を取り除くため、むくみがあるときによい食材です。自然な甘みは消化器官を元気にするので、食欲がないときにも取り入れるとよいでしょう。

しそ

気の巡りをよくして胃腸の調子を整えるしそは食欲増進作用があります。冷えを取り除くので梅雨冷えのときにもおすすめ。花粉症やアレルギー症状にもよいとされています。

うめ

整腸作用や水分代謝を整える作用、食欲増進作用があり、夏バテのときや疲れているとき、風邪気味のときに取り入れたい食材です。

びわ

びわの果実は疲れや胃もたれがあるとき、気が上がってイライラやのぼせがあるときによいとされています。びわの葉は「枇杷葉(ビワヨウ)」という生薬として用いられています。

バナナ

肺や腸を潤す作用があり、慢性の空咳や便秘のときによいでしょう。二日酔いのときにもおすすめです。

うなぎ

たんぱく質やビタミン、ミネラルを含み、栄養価が高いうなぎ。気と血を補う作用があり、滋養強壮や老化予防におすすめです。

梅雨におすすめの薬膳レシピ「黒米がゆ」

梅雨におすすめの「黒米がゆ」のレシピをご紹介します。ドラマ(第3話)ではさとこさんが土鍋で白米のおかゆを作っていました。ここでは、白米に黒米を加えた黒米がゆを炊飯器で手軽に作ります。

〈材料〉(お茶碗2杯分)
白米…0.5合
黒米…小さじ1
しそ…3~4枚
梅干し…1個
白すりごま…小さじ1
しらす干し…30g

〈作り方〉
1.白米を洗って炊飯器の内釜に入れ、おかゆ(全がゆ)0.5合の目盛りまで水を入れる。

黒米がゆはお米のほのかな甘みと、もちもちとした食感を楽しめます。この日のトッピングはしそ、梅干し、白ごま、しらす干しです。

白ごまは体を潤す作用があり、肌の乾燥や便秘の予防に適した食材。しらすは骨の健康に役立つカルシウムやビタミンDが含まれています。ほかにも、好みのごはんのお供を添えて楽しんでくださいね。

(まとめ)
薬膳は身近な食材で実践することができます。まずは「食べてみたい」「作ってみたい」と思うものから取り入れてみてはいかがでしょうか。

画像協力/PIXTA
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この記事を書いた人

作りおき料理コーディネーター・薬膳マイスター かみはらえりこ

かみはらえりこ

「女性が生きやすい社会づくりへの貢献」をモットーに、食や健康、美容など女性が笑顔になれる情報を発信中。

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