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【日本橋】硲(はざま)伊之助展@アーティゾン美術館 2025年6月1日まで

  • 2025.4.28

硲伊之助の回顧展を東京で初開催

「硲(はざま)伊之助展」が2025年6月1日(日)まで日本橋のアーティゾン美術館で開催されています。 本展は、硲の出身地でもある東京で開催される初めての回顧展であり、初期から晩年までの作品が展示されています。

出典:リビング東京Web

硲(はざま)伊之助(1895–1977)

出典:リビング東京Web

日本の画家、陶芸家。 1914年、第1回二科展に《女の習作》」出品、二科賞を受賞。1918年、二科展に作品26点を特別陳列、二科賞を二度受賞するなど活躍。 生涯で数度ヨーロッパに渡り、アンリ・マティスに師事した経験を持つ。 戦前からフランスの画家の画集の解説を書き、多数の美術エッセイを著しました。

1950年東京藝術大学助教授となり、同年、マティスに招請され渡欧し、マティス展、ピカソ展、ブラック展、ゴッホ展にむけた折衝を行いました。帰国後、1951年頃より作陶を学ぶため、たびたび小松に滞在。1955年、訳書『ゴッホの手紙・上』(岩波書店)刊行。1958年、一水会陶芸部を創立しました。1961年、加賀市吸坂で窯の建設に着手し1964年、渡欧します。翌年、アルバニアを訪問。1977年81歳にて死去。

出典:リビング東京Web

会場展示風景

コレクター、そして展覧会の立役者

制作活動のかたわら、クールベやゴッホなどの画集の編集や、『ゴッホの手紙』(岩波書店)の翻訳に携わるなど西洋美術の紹介にも尽力した他、師マティスの日本ではじめての展覧会(1951年)実現にむけて作家との交渉に携わる実務家としての一面もあわせもっていました。

出典:リビング東京Web

会場展示風景

1951年にマティス展とピカソ展、1952年にブラック展、そして、1958年にゴッホ展がそれぞれ国内で初めての展覧会として開催されました。戦後すぐ、海外渡航が難しい時代に、硲はマティスからの手紙により招請されるかたちで1950年に渡仏します。硲が画家や画商たちと交渉したことがきっかけとなり、それらの展覧会は実現に至りました。

出典:リビング東京Web

会場展示風景

アーティゾン美術館の創設者である石橋正二郎がセザンヌ《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》(1904-06年頃)とマティス《縞ジャケット》(1914年)を入手する際にも関わったと伝えられています。

出典:リビング東京Web

会場展示風景

加賀・吸坂(すいさか)窯での陶芸作品を紹介

硲は、1951年頃より作陶を学ぶためたびたび小松に滞在し、初代德田八十吉や他の職人たちに九谷焼の制作方法について教わりました。

出典:リビング東京Web

会場展示風景

1953年に日本アンデパンダン展へ磁器作品を出品し、1958年には木下と荒川豊蔵、12代今泉今右衛門、12代酒井田柿右衛門、藤原啓らと一水会に陶芸部を創立しました。

出典:リビング東京Web

硲伊之助《九谷上絵 鳥越村採石場大皿》、1975年、磁器、硲伊之助美術館(石川県九谷焼美術館寄託)

そこで弟子たちと共同生活を送りながら徐々に窯を完成させ、吸坂釉の復興などにも取り組みました。加賀へ移って以降の陶芸作品が展示されています。

出典:リビング東京Web

硲伊之助《吸坂窯 象嵌あやめ大鉢》1971年、磁器、硲伊之助美術館(石川県九谷焼美術館寄託)

アーティゾン美術館4階展示室では「石橋財団コレクション選 コレクション・ハイライト』(前期)が2025年6月1日(日)まで開催されています。

出典:リビング東京Web

19世紀から20世紀にかけての西洋近代美術や、抽象表現を中心とする20世紀初頭から現代までの美術作品が展示されています。ルノワール、モネ、マティス、ピカソと云った馴染み深い作品が一堂に展示されています。

出典:リビング東京Web

会場展示風景

20世紀初頭から現代までの美術、そして日本の近現代美術など、石橋財団コレクションの代表作のなかから様々な魅力が紹介されています。

出典:リビング東京Web

会場展示風景

「硲(はざま)伊之助展」は作品の色彩が鮮やかで渡欧経験が豊富なことからヨーロッパの洗練された雰囲気が感じられる風景画が印象に残る展覧会です。絵画作品だけではなく彼の師であるマティスの日本初の展覧会の開催に尽力し、晩年は陶芸作品に取り組むなどマルチな才能を発揮した硲の活動を展望できる、とても見応えのある展覧会です。

「石橋財団コレクション選 コレクション・ハイライト」も西洋美術から日本美術と現代アートまで幅広く作品が鑑賞できる魅了的な展覧会です。

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