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【白金台】松岡美術館企画展「開館50周年記念 1975 甦る 新橋 松岡美術館 ―大観・松園・東洋陶磁―」

  • 2025.4.28

再現!1975年新橋「開館記念展」、昭和レトロな雰囲気も

松岡美術館で企画展「開館50周年記念 1975 甦る 新橋 松岡美術館 ―大観・松園・東洋陶磁―」[2025 年2月25日(火)~ 6月1日(日)]が開催中です。

1975年11月25日に東京港区新橋の自社ビルに松岡美術館創設者・松岡清次郎が蒐集した美術品を公開するための私立美術館が開館しました。 現在の松岡美術館は、白金台の自宅跡地に2000年に移転・開館したものです。松岡清次郎が生涯をかけて蒐集したコレクション約2400点を常設展示しています。

2025年は開館50周年を記念して3会期にわたり様々なテーマで松岡コレクションが紹介されます。 第一弾は、新橋で開催された「開館記念展」[1975年11月25日~1976年4月24日]を白金台で再現した企画展です。早速、見に行って来ました。

※特別な許可を得て撮影しています。館内は撮影禁止です。

50年間、松岡美術館とともに《ミネルヴァ》、《菩薩半跏思惟像(ぼさつはんかしゆいぞう)》、白金台で初公開《アフロディテ像》

松岡美術館の1階に常設展示されている作品76点のうち、石像彫刻26点は開館記念展に出品されていました。現在の常設展示には開館記念展の出品作品が多く含まれているそうです。 入口を入ると、50年間の松岡美術館の歩みを見守って来た古代ローマの神像彫刻や仏像彫刻が静かに出迎えてくれました。

古代ローマの守護神《ミネルヴァ》

ギリシャの女神アテネと同一視された古代ローマの種族神《ミネルヴァ》。 メドゥーサの首を付けた胸当てに兜を被る軍神のような凛々しい姿です。 ギリシャ・ローマの神像彫刻の深いドレ―パリーやウェーブのかかった髪などは、後にヘレニズム文化の影響を受けてガンダーラ地方で誕生した仏像彫刻の衣文線や頭髪へと繋がります。

出典:リビング東京Web

《ミネルヴァ》 金彩 大理石 ヘレニズム後期(紀元前100年頃) ローマ近郊出土 松岡美術館所蔵

ガンダーラ仏《菩薩半跏思惟像》の代表作

左足は籐椅子の下の台座に降ろし、右足は膝を曲げ、左手人差し指と中指で軽く蓮の花を握っています。右に頭部を傾け視線を伏せて思惟にふける《菩薩半跏思惟像》。頭部を傾けた側に挙げた右手は少し顔から離れています。

伏せた眼差しで静かに思惟する菩薩の光背は大きく広がり、仏の心を心とし衆生済度に立ち上がる情熱を秘めているかのようです。

京都・広隆寺の国宝《弥勒菩薩》のルーツとも言える仏教彫刻の優品です。

松岡清次郎が初めて購入したガンダーラの仏像だそうで、1975年11月の開館展では、本像を含む6体のガンダーラ仏が展示されました。

深く刻まれた衣文線は、先に見た《ミネルヴァ》のドレ―パリーを思い出させます。 古代ギリシャ・ローマの彫刻とともにヘレニズム文化の伝播を同時に見ることが出来るとても貴重な展示です。

出典:リビング東京Web

右側、《菩薩半跏思惟像》 片岩 ガンダーラ 3世紀頃 松岡美術館所蔵

日本にないものを《アフロディテ像》

長い髪を垂らし、右手に衣を持つテラコッタの《アフロディテ像》です。左手には鏡でしょうか?何か丸いものを手に口元にはかすかな微笑みが…。 ボッティチェリの海の泡から生まれた《ヴィーナスの誕生》(1483年頃、ウフィツィ美術館蔵)を思わせます。

松岡清次郎は、「日本にないものをご覧いただきたい」という想いから、古代オリエントや古代ギリシャ・ローマの遺物を精力的に蒐集したそうです。その中から白金台ではじめての展示となる作品です。

出典:リビング東京Web

左側、《アフロディテ像》 テラコッタ 出土地不明 ヘレニズム期 紀元前3~2世紀頃 松岡美術館所蔵

東洋磁器の精華《青花龍唐草文天球瓶(せいかりゅうからくさもんてんきゅうへい)》、《青花双鳳草虫図八角瓶(せいかそうほうそうちゅうずはっかくへい)》

元・明時代の青花磁器の名品《青花龍唐草文天球瓶》と《青花双鳳草虫図八角瓶》は、開館前年の1974年にロンドンのオークションで取得したそうです。 翌1975年11月、新橋の自社ビルに清次郎の夢だった美術館が開館。蒐集したコレクションと共に2つの青花磁器も、開館記念展でお披露目されたそうです。

展示ケースには筆で書かれた手書きのキャプションが添えられていました。開館当時は、まだワープロもパソコンもない時代。手書きのキャプションには思わず見入ってしまいました。

出典:リビング東京Web

手前、《青花双鳳草虫図八角瓶》 中国 元 14世紀 景徳鎮窯、左奥、《青花龍唐草文天球瓶》 中国 明 永楽(1403-1424年) 景徳鎮窯 どちらも松岡美術館所蔵

出典:リビング東京Web

手前、《青花龍唐草文天球瓶》 中国 明 永楽(1403-1424年) 景徳鎮窯 松岡美術館所蔵

イタリア日本美術展出品作品、大観《梅花(ばいか)》、後期展示、上村松園《春宵》

前期展示(~4月13日(日)まで)では横山大観(よこやまたいかん)《梅花》が展示されていました。1930(昭和5)年にローマで開催された日本美術展覧会に出品された作品です。

4月15日(火)の後期展示からは、上村松園の《春宵》(1936(昭和11年) 絹本着色 松岡美術館所蔵)が展示されます。こちらも楽しみです。

松岡清次郎の眼にかなった「美しいものを」求めて

展示室内は、手書きのキャプションや開館時に使用した木製ケースに作品を一部展示するなど新橋時代の展示風景が再現されていました。 木製ケースは現在も大切に使われているそうです。手書きのキャプションは、1980年代半ば頃まで書道の経験がある館員の方が筆で書いていたとか。昭和レトロな感じが当時を偲ばせます。

松岡清次郎は、展示室内で観覧者に展示作品について語ることもしばしばあったそうです。楽しそうに語る様子がイメージされます。

松岡美術館の企画展「開館50周年記念 1975 甦る 新橋 松岡美術館 ―大観・松園・東洋陶磁―」は6月1日(日)までです。 是非お出かけください。

出典:リビング東京Web

「新橋時代のチケット」ほか、展示風景 松岡美術館所蔵

ミュージアムグッズ

ミュージアムグッズは、クリアファイルA4 上村松園《春宵》(500円)、一筆箋 上村松園《春宵》(400円)を購入。 後期展示(4月15日(火)~6月1日(日))の上村松園《春宵》にちなんで購入しました。

中国 明時代《青花龍唐草文天球瓶》の図柄のコースターは開館記念展の観覧の記念にいただきました。 ※文中で記載のないものは全て松岡美術館所蔵の作品です。価格は全て税込みです。在庫はご確認ください。

出典:リビング東京Web

ミュージアムグッズ 松岡美術館

〇松岡美術館

URL:https://www.matsuoka-museum.jp/

住所:〒108-0071 東京都港区白金台5-12-6

TEL:03-5449-0251

開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)

第1金曜日のみ10:00~19:00(入館は18:30まで)

休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)、展示替え期間、年末年始

観覧料 一般1,400円、25歳以下700円、障がい者手帳をお持ちの方と介助者1名まで半額 高校生以下無料

交通:東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線「白金台駅」1番出口から徒歩7分

JR「目黒駅」東口から徒歩15分

JR「目黒駅」東口バスターミナル2番のりばより黒77・橋86のバスに乗車2つ目の「東大医科研病院西門」にて下車徒歩1分

〇企画展「開館50周年記念 1975 甦る 新橋 松岡美術館 ―大観・松園・東洋陶磁―」

会期:2025 年2月25日(火)~ 6月1日(日)

前期 2025年2月25日(火)~4月13日(日)

後期 2025年4月15日(火)~6月1日(日)

*掛軸・屏風は前期・後期で展示替え

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