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【日本橋】彼女たちのアボリジナル・アート オーストラリア現代美術@アーティゾン美術館

  • 2025.7.29

日本初、アボリジナル女性作家たちによる展覧会

日本橋のアーティゾン美術館では、「彼女たちのアボリジナル・アート オーストラリア現代美術」展が2025年9月21日(日)まで開催されています。本展は複数のアボリジナル女性作家に焦点をあてる日本で初めての機会となります。所蔵作家4名を含む7名と1組による計52点の出品作品が展示されています。

出典:リビング東京Web

地域文化から世界へ:アボリジナル作家たちの表現

オーストラリア先住民によるアボリジナル・アートは地域に根ざした表現への関心が高まる中、国際的に再評価されています。2024年のヴェネチア・ビエンナーレでは、アボリジナル作家の個展を展開したオーストラリア館が金獅子賞を受賞するなど、現代アートにおける存在感も際立ちます。なかでも女性作家たちの表現は、多様性と力強さを備えた、オーストラリア現代美術を牽引する存在です。

出典:リビング東京Web

会場展示風景

オーストラリア各地で躍動する作家たち

ノンギルンガ・マラウィリは、アーネムランド北東部出身のアーティストです。 伝統的なバーク・ペインティングに、自身の感性や新たなモティーフを取り入れています。革新的な技法で、先住民アートの可能性を広げる存在です。

出典:リビング東京Web

ノンギルンガ・マラウィリ《ジャブデザイン》2018-19年、天然顔料・紙、天然顔料・ 自然に空洞化した幹、ケリー・ストークス・コレクション© the artist ℅ Buku-Larrŋgay Mulka Centre

イワニ・スケースの《えぐられた大地》は、オーストラリアの鉱山開発によって傷つけられた大地と、それに伴う先住民の土地喪失をテーマにした作品です。 イワニ・スケースは、黒い紙に繊細な線を刻み込む技法で、搾取と浸食の痕跡を視覚化し、静かで力強い抵抗のメッセージを表現しています。ガラスの形は、アボリジナルの伝統的な食料であるブッシュバナナを模してつくられています。 作品には、環境破壊や文化的アイデンティティの喪失への深い問いかけが込められています。

出典:リビング東京Web

イワニ・スケース《えぐられた大地》2017年、ウランガラス(宙吹き)、石橋財団アーティゾン美術館 © Courtesy the Artist and THIS IS NO FANTASY

マリィ・クラーク《ポッサムスキン・クローク》は、オーストラリア南東部のアボリジナルのコミュニティで古くから使われていたポッサム(フクロギツネ)の毛皮を縫い合わせたマントです。生まれたときに新調され成長とともに毛皮が継ぎ足され亡くなるとクロークに覆われて埋葬されました。防寒具や寝具としてだけでなく、儀礼や物語の伝承、アイデンティティの象徴としても重要な役割を果たしていました。

出典:リビング東京Web

マリィ・クラーク《ポッサムスキン・クローク》2020-21年、ポッサムの毛皮、ヴィクトリア州立美術館 © Maree Clarke

ジュリー・ゴフ《1840年以前に非アボリジナルと生活していたタスマニア出身のアボリジナルの子どもたち》は、植民地期に記録から消された子どもたちの存在を、ティーツリーを用いて静かに可視化する作品です。記憶と癒やしの象徴でもある自然素材を通じて、忘れられた歴史へのまなざしと再生の祈りが込められています。

出典:リビング東京Web

ジュリー・ゴフ《1840年以前に非アボリジナルと生活していたタスマニア出身のアボリジナルの子どもたち》2008年、木製椅子・焼けたティーツリーの枝、オーストラリア国立美術館、キャンベラ © Julie Gough

マリィ・クラーク《私を見つけましたね:目に見えないものが見える時》は、パラフィンワックスに封じ込めた葦を染め、アセテート紙に印刷し、それを無数に並べることで、記憶や文化の層を可視化するインスタレーションです。アボリジナル文化において装飾や実用の両面で用いられてきた葦は、失われゆく伝承や見えない歴史を象徴し、観る者に静かに語りかけます。

出典:リビング東京Web

マリィ・クラーク《私を見つけましたね:目に見えないものが見える時》2023年、顕微鏡写真・アセテート、作家蔵(ヴィヴィアン・アンダーソン・ギャラリー)© Maree Clarke

アボリジナル・アートの多様性は、オーストラリアの広大な国土と深く結びついています。本展では、出品作家たちの出身地域がそれぞれの作品の背景を読み解く重要な手がかりとなっています。ポッサムの毛皮やユーカリ、ティーツリーなど、オーストラリア固有の素材を用いた表現が印象的で、そこには歴史的な痛みや失われた記憶へのまなざし、そして彼女たち自身の力強いメッセージが投影されています。ぜひ会場で、貴重なアボリジナル・アートの世界に触れてみてはいかがでしょうか。

出典:リビング東京Web

展示風景

彼女たちのアボリジナル・アート オーストラリア現代美術
2025年9月21日(日)まで
アーティゾン美術館 6・5階展示室
〒104-0031 東京都中央区京橋1-7-2
JR東京駅(八重洲中央口)、東京メトロ銀座線・京橋駅(6番、7番出口)、
東京メトロ・銀座線/東西線/都営浅草線・日本橋駅(B1出口)から徒歩5分

時間 10:00–18:00(毎週金曜日は20:00まで)*入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜日(8月11日、9月15日は開館)、8月12日、9月16日
入館料 日時指定予約制
ウェブ予約チケット1,800円、窓口販売チケット2,000円、学生無料(要ウェブ予約)
*予約枠に空きがあれば、美術館窓口でもチケットをご購入いただけます。
*中学生以下の方はウェブ予約不要です。
*この料金で同時開催の展覧会をご覧いただけます。

同時開催
石橋財団コレクション選 コレクション・ハイライト(4階展示室)

URL:https://www.artizon.museum/

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