1. トップ
  2. 大腰筋ストレッチのやり方|硬いとどうなる?腰痛・股関節との関係とほぐし方

大腰筋ストレッチのやり方|硬いとどうなる?腰痛・股関節との関係とほぐし方

  • 2026.10.21

長く座ったあとに腰が張ったり、立ち上がるときに腰が重く感じたりすることはありませんか。

その背景に、体の奥で股関節や背骨まわりに関わる筋肉「大腰筋」が関係している場合があります。

理学療法士・パーソナルトレーナーの安藤瑞樹さん監修のもと、大腰筋ストレッチのやり方と、続けたときの変化の目安を紹介します。

大腰筋とは?股関節を動かす「腸腰筋」のひとつ

大腰筋は、股関節を動かす「腸腰筋」を構成する筋肉のひとつです。腰椎から骨盤の内側を通って太ももの骨につながり、体の深い位置にあります。

大腰筋は背骨から太ももの骨につながる

大腰筋は、腰の骨(腰椎)の側面から始まり、骨盤の内側を通って太ももの骨につながる筋肉です。お腹側の奥にあるため、表面からは触れにくいのが特徴です。

大腰筋と腸腰筋の違いは?

大腰筋と腸骨筋などをまとめて「腸腰筋」と呼びます。 腸腰筋は、股関節を曲げる動きに関わる代表的な筋肉です。

脚を持ち上げる・後ろへ引くと伸ばされる

大腰筋は、脚を持ち上げたり、膝を胸に引き寄せたりする、股関節を曲げる動きの中心的な筋肉です。反対に、脚を後ろへ引くと、脚の付け根の前側にある大腰筋が伸ばされます。

座っているときには、腰の骨を安定させる働きもあるとされています。

腸腰筋の筋トレ&ストレッチ|腰まわりの筋肉の鍛え方

大腰筋が硬く感じる原因・背景

大腰筋の硬さや股関節の動かしにくさには、日常の過ごし方だけでなく、もともとの体のつくりも関係します。主な原因や背景を見ていきましょう。

座っている時間が長い

座った姿勢では、股関節を曲げた状態が続きます。長時間座っていて身体活動量が少ない人は、股関節を後ろに伸ばせる範囲が小さい傾向にあることが研究でも報告されています。

立ち上がる・歩く機会が少ない

立つ・歩くといった動作は、股関節を前後に動かす機会になります。こうした機会が少ないと、股関節まわりを大きく動かす場面も減りやすくなります。

脚を大きく後ろに引く動作が日常で少ない

普段の生活で、脚を大きく後ろに引く場面はあまり多くありません。そのため、股関節の前側に伸びを感じる機会が限られやすくなります。

もともとの体のつくりによる個人差もある

股関節の動かしやすさには、骨格や関節の形など、生まれつきの個人差もあります。そのため、生活習慣だけでなく、もともと股関節を後ろへ動かせる範囲が小さい人もいます。

ただし、股関節が動かしにくいからといって、必ずしも大腰筋だけが硬いとは限りません。

毎日30秒の「開脚」で股関節は柔らかくなる?1週間~1ヶ月で期待できる変化

大腰筋が硬いとどうなる?腰痛・股関節との関係

大腰筋は骨盤や腰に近い筋肉のため、硬さが腰や股関節まわりの体感と関係があるといわれることがあります。ここでは、関連が指摘されている範囲で紹介します。

姿勢の崩れとして現れることも

大腰筋の状態は、骨盤の傾きや姿勢にも関係します。骨盤には前へ傾く「前傾」と、後ろへ傾く「後傾」があり、大腰筋の硬さや働きによってその傾きに影響することがあります。

例えば、大腰筋が硬く短縮すると、腰椎や骨盤の位置関係に影響し、いわゆる「反り腰」の要因になることがあります。

ただし、大腰筋が硬いと必ず前傾する、あるいは後傾するという単純な関係ではありません。骨盤の傾きには、ほかの筋肉の状態や姿勢、股関節の動きなども関係します。

腰の張りや痛みとの関連が指摘されることも

腰痛のある人が股関節まわりのストレッチを続けたところ、痛みが軽くなったとする研究があります。その要因のひとつとして、股関節の前側の硬さが関わっている可能性が指摘されています。

股関節の前側に詰まり感を覚えることも

脚の付け根の前側に、詰まったような、つっぱるような感覚を覚える人もいます。長く座ったあとに気づく人もいるでしょう。

【保存版】反り腰の原因と改善法|ストレッチ → 筋トレの順番が効果的

大腰筋ストレッチで期待できる効果

大腰筋を含む股関節の前側をストレッチすることで、次のような変化が期待できます。

・脚の付け根のつっぱり感がやわらぐ
・股関節を後ろへ動かしやすくなる
・股関節まわりの柔軟性・可動域の改善につながる

とくに長時間座ることが多く、股関節を後ろへ動かす機会が少ない人は、日常のケアとして取り入れやすいでしょう。

毎日1分から始める基本の大腰筋ストレッチ

特別な道具はほとんど必要なく、1日1分から始められます。毎日続ける基本の膝立ちから始めて、生活の場面に合わせて立ったまま・寝ながらのバリエーションも試してみてください。

基本の大腰筋ストレッチのやり方

1. 床に片膝を立てて膝立ちになります。後ろ側の膝の下には、タオルやクッションを敷きましょう。

2. 骨盤を立てて、背すじを伸ばします。

3. 息を吐きながら、体重をゆっくり前へ移動します。

4. 後ろ脚の付け根の前側に、心地よく伸びを感じる位置で30秒キープします。

5. 反対側も同じように行います。

ポイント

骨盤を立てたまま体重を前へ移動し、腰を反らせて代用しないことがポイントです。腰が反ると、脚の付け根に伸びを感じにくくなります。

次:立ったまま、イスや台につかまって行う大腰筋ストレッチ

立ったまま、イスや台につかまって行う大腰筋ストレッチ

床に膝をつけない場面や、仕事の合間に行いたいときに向いています。

1. 安定したイスや台に片手を添えて立ち、片脚を大きく後ろに引きます。

2. 前側の膝を軽く曲げ、後ろ脚の膝は伸ばします。

3. 骨盤を立てたまま、体重をゆっくり前へ移します。

4. 後ろ脚の付け根の前側に、心地よく伸びを感じる位置で30秒キープし、反対側も同じように行います。

ポイント

腰を反らさず、骨盤を正面に向けたまま前へ移動します。後ろ脚のかかとは浮いても構いません。ふくらはぎではなく、後ろ脚側の付け根の前に伸びを感じる位置を目安にしましょう。

寝ながら行う大腰筋ストレッチ

1. 仰向けに寝て、両膝を立てます。

2. 片方の膝を両手で抱え、胸のほうへ引き寄せます。

3. 反対側の脚は、床に下ろしたまま伸ばします。

4. 伸ばしている側の脚の付け根の前側に、心地よく伸びを感じる位置で30秒キープし、反対側も同じように行います。

ポイント

腰を反らさないように注意し、伸ばしている側の足を床から浮かせないようにしましょう。足が浮く場合は、無理に床へ押しつけず、心地よく伸びる位置でキープしてください。

大腰筋をほぐすには?強く押すケアは避ける

大腰筋はお腹の奥にあり、内臓や血管などが近い部位です。ボールや指でお腹の奥を強く押してほぐそうとするのは避け、今回紹介したストレッチなどで、股関節まわりを無理なく動かすケアを取り入れましょう。

大腰筋ストレッチはいつやるといい?

大腰筋ストレッチは、長時間座ったあとや、デスクワークの合間に立ち上がったタイミングがおすすめです。股関節を曲げた姿勢が長く続いたあとに、脚の付け根の前側を無理のない範囲で伸ばしましょう。

また、入浴後など体が温まっているときもおすすめです。体温が上がると筋肉などの組織が伸びやすくなるため、無理なくストレッチを行いやすくなります。

毎日「1分だけ」でも効果はある?

静的ストレッチは1回10〜30秒程度の保持を繰り返すことで、柔軟性や関節可動域の改善が期待できます。

今回の大腰筋ストレッチでは、左右30秒ずつ、合計1分を目安に行います。短時間でも、無理のない範囲で継続することが大切です。

大腰筋ストレッチの注意点

安全に続けるために、始める前に押さえておきたいポイントです。

心地よく伸びを感じる範囲で止め、反動をつけない

強い痛みを感じるところまで伸ばす必要はありません。心地よく伸びを感じる範囲で止め、反動をつけずにゆっくり行いましょう。

呼吸を止めずに行う

息を止めると体に力が入りやすくなります。ゆっくり深い呼吸を続けながら行いましょう。

腰や股関節の前側に痛みや違和感が出たら中止する

腰や股関節の前側に痛みや違和感が出たときは、無理に続けずすぐに中止してください。

ふらつきやすい姿勢では、転倒・ずり落ちに注意する

立ったまま行うときは転倒に、ベッドなど高さのある場所で行うときはずり落ちに注意しましょう。イスや壁など、支えになるものの近くで行うと安心です。

続けても変化がない場合や、強い痛みがある場合は医療機関に相談する

続けても変化が感じられない場合や、強い痛みがある場合は、自己判断で続けず医療機関に相談してください。

大腰筋ストレッチを続けた変化|1週間〜1ヶ月

基本の大腰筋ストレッチを左右30秒ずつ、1日合計1分続けると、体にはどのような変化が期待できるのでしょうか。

ここで紹介するのは一般的な変化の目安で、個人差があり、各期間の変化を保証するものではありません。

1週目|伸ばす感覚をつかむ

1週目は、大きな変化を感じないことがほとんどです。ただし、脚の付け根に伸びを感じる位置がわかり始める人もいます。まずは毎日の習慣にすることを意識しましょう。

2週目|つっぱり感に変化

2週目に入ると、同じ姿勢でも脚の付け根のつっぱり感が気になりにくくなる人もいます。ストレッチ中の姿勢を、以前より楽にとれると感じる人もいるでしょう。

3週目|立ち上がりがラクに

3週目になると、立ち上がるときや階段を上がるときの動きが軽く感じられる人もいます。

1ヶ月|腰の張りに変化

1ヶ月ほど続けると、長く座ったあとの腰の張りや重さが気になりにくくなる人もいます。

ただし、ストレッチの研究では数週間から数か月続けた例が多く、1ヶ月では変化を感じにくい人もいます。焦らず、続けやすい範囲で習慣にしていきましょう。

腸腰筋(深腹筋)を鍛えると、どんな“イイコト”がある?専門家が解説

監修者プロフィール

理学療法士・パーソナルトレーナー 安藤 瑞樹

総合病院で約7年間、理学療法士として、スポーツ・一般整形のリハビリに従事。独立後約4年間、パーソナルトレーナーとして勤務。2021年にパーソナルトレーニングジムJuntosをオープン。現在、パーソナルトレーナーの他、高校サッカー部のトレーナーとしても活動中。

パーソナルトレーニングジムJuntos
https://juntos-tokachi.com/

<Edit:編集部>

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ