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東京生まれの店を中心に誘致し、外観に自由度を持たせる。完成まで約25年をかけた「TOFROM YAESU TOWER」に見る、一過性のブームに頼らない施設作り

  • 2026.10.7

東京駅の目の前に開業した「TOFROM YAESU TOWER(トフロム ヤエス)」。東京建物株式会社・小澤社長の口から語られた「完成までに約25年かかった」という言葉に驚きつつ、実際に足を運んで館内を歩き、食事をしてみた。そこに広がっていたのは、周辺の景観に調和する重厚感とゆったりとした開放感だ。

単に美しい空間というだけではない。東京創業の店舗を中心に集め、各店が個性を発揮できる自由な設計で、開発前の活気を再現している点に、この開発ならではのおもしろさが見えてくる。

東京建物株式会社 代表取締役 社長執行役員 小澤 克人さんより開発コンセプトが語られた
東京建物株式会社 代表取締役 社長執行役員 小澤 克人さんより開発コンセプトが語られた

歴史ある名店も出店

館内の商業空間やアート展示には、本物志向がブレずに貫かれている。

実際、中で食事をしてみたら、どの料理もおいしかった。路面の本店だと少し敷居が高くて足を踏み入れにくい名店も、このビルに入ることで立ち寄りやすくなり、新たな魅力に触れるきっかけになっている。創業170年を超える割烹「割烹 嶋村」をはじめ、八重洲に強い思いを持ち、長年歴史を重ねてきた人々が店を構えているからこそ、料理にも空間にも揺るぎない説得力が宿っている。

不ぞろいで自由で本物

かつての八重洲にあった「路地に小店舗がひしめき合っていたにぎわい」を継承するため、建物にはあえて不ぞろいに重ねた「箱積み」デザインを採用。内装もガチガチに統一せず、各店舗にデザインの自由度を持たせているのがおもしろい。

バスターミナルや劇場といった都市機能を盛り込みつつも、安易なテーマパーク感に逃げず、「東京・八重洲の本物」をそろえることに重点を置いている。

「TOFROM YAESU TOWER」のコンセプトは「人・時・場をつなぐ」。約25年という歳月をかけて「八重洲の本質」と向き合い、作り上げたこの場所は、一時のトレンドで消費されることなく、これから先も長く愛されていくはずだ。

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