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憧れ続ける小さな舞台。お笑い芸人・じろうに聞く、東京の小劇場

  • 2026.10.26

シソンヌ単独ライブの会場にも小劇場を選ぶ、じろうさん。上京後すぐの20代で訪れたその場所にはどんな東京らしさがあるのだろうか。

初出:BRUTUS No.1028「ブルータスの東京大全」(2025年4月1日発売)

photo: Masanori Kaneshita / text: Asuka Ochi / edit: Emi Fukushima

三軒茶屋〈シアタートラム〉入口
BRUTUS

上京のきっかけは、短大時代に大阪で知った、シティボーイズの舞台だった。

「シティボーイズのようなことがしたいと思ってはいたものの、具体的に何をすればいいかわからず、とりあえず『演劇ぶっく』だけ買っていた。そこにはいつも小劇場や大人計画のことが書いてあって、漠然と自分にとっての聖地は、劇場なのだと意識していました」

初めて観劇に訪れたのは、今はなき〈銀座小劇場〉。その後、同じ場所で初舞台に立つ。

「最初に観た舞台で、ダブル公演の片方がコントみたいなことをやっていたのが面白くて。すぐに雑誌の劇団員募集から連絡しました。初舞台は22歳の頃。それから初めて〈本多劇場〉での出演依頼を受けた時は、バイクで移動中に一人で泣きましたね。吉本の芸人なのに〈本多〉の舞台に立てるなんて、と」

今や、シソンヌでの単独ライブも〈本多劇場〉での複数公演が恒例だが、異例と言えるお笑いでの劇場公演を叶えたのは、じろうさんの小劇場愛があってこそのものだろう。さらに2025年6月には、大人計画の作品に役者として初参戦するという大仕事も控えている(現在は終演)。

「大人計画で〈本多〉に立つのはまさかで、夢が叶いました。楽しみですね。あそこは立ってよし、観てよしで。自分たちのネタでも小道具を使ったりする小さいボケが好きなんですが、それは大劇場だと難しい。〈本多〉はギリギリ一番後ろの人にも見えて、すごくやりやすいんです。

〈小劇場B1〉には城山羊の会の公演でよく行きますが、日常会話を覗き見しているような近さと温度感は、まさに小劇場ならではのものだと感じます。さらに観劇専門で行く〈シアタートラム〉の贅沢さもまた格別で。僕みたいな青森出身の田舎っぺからは信じられないほど劇場が密集していて、毎日何かしらの公演に行ける選択肢があるのは、東京ならではの楽しみだと思います」

シソンヌ・じろうのお気に入りの小劇場

本多劇場(下北沢)

下北沢〈本多劇場〉外観
開館:1982年 最大定員:386人

Information

本多劇場

下北沢=演劇を象徴する劇場として、演劇界を牽引。大人計画やナイロン100℃などの著名な劇団や、人気役者を目の当たりにできる公演も多い。

住所:世田谷区北沢2-10-15
TEL:03-3468-0030
休:不定休


小劇場B1(下北沢)

下北沢〈本多劇場〉小劇場B1
開館:2014年 最大定員:135人

Information

小劇場B1

観客と演者との距離が近く、親密な空間が特徴。演劇のほか、ダンスや音楽などのパフォーマンスの場としても活用されている。

住所:世田谷区北沢2-8-18 北沢タウンホールB1
TEL:03-6416-8281
休:不定休


シアタートラム(三軒茶屋)

三軒茶屋〈シアタートラム〉外観
開館:1997年 最大定員:248人
三軒茶屋〈シアタートラム〉入口
現代的で高級感のある、〈シアタートラム〉の客席への入口。ここから物語の世界へ。

Information

シアタートラム

現代演劇と舞踊を中心に紹介し、新しい舞台芸術の可能性を探る実験場。プロセニアム形式やフロア形式など、客席や舞台を柔軟に設定できる自由さも特徴。

住所:世田谷区太子堂4-1-1
TEL:03-5432-1526
休:不定休


profile

じろう(お笑い芸人)

1978年青森県生まれ。お笑いコンビ・シソンヌで活動するほか、俳優、脚本家としても活躍。

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