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「枝の1本や2本、自然のことでしょ」玄関まで伸びる隣の木。だが、2度断られた私が渡した一通の書面

  • 2026.10.7

毎朝、隣の木の実を掃く日々

わが家と隣の家のあいだには、境界にブロック塀があります。

隣の庭の木はその塀を越えて枝を伸ばし、郵便受けから玄関までの通り道の上に垂れていました。

通るたびに葉が顔に当たり、春になると小さな実が大量に落ちてきます。踏むと敷石や靴に紫色のしみが残るため、私は毎朝ほうきを持って通り道を掃いていました。

ある朝、塀の向こうで隣の奥さんが庭に水をまいていました。私は思い切って声をかけました。

「おはようございます。すみません、枝がこちらにかなり出ていまして…」

奥さんはちらりとこちらを見て、笑いながら手を振りました。

「枝の1本や2本、自然のことでしょ」

「実も落ちてきて、通り道にしみがつくんです」

「実が落ちるのだって自然なことでしょう。そこまで言われてもねえ」

それ以上は話にならず、その日は引き下がりました。

ところが次の春、落ちた実を踏んだ私は、通り道で足を滑らせました。転ばずにはすみましたが、白い靴には紫色のしみが残りました。

その靴を手に、もう一度お願いしました。

「やっぱり、こちらに出ている枝だけでも切っていただけませんか」

奥さんは靴をちらりと見ましたが、ホースの水を止めません。

「切る気はないわ。毎年たくさん実がなるのに、もったいないじゃない」

そう言うと、奥さんは家の中へ入ってしまいました。

写真と一緒に渡した、一通の書面

このまま口頭でお願いを続けても難しいと思った私は、市の窓口で越境した枝について相談し、一般的な扱いを確認しました。

そして、通り道を覆う枝と、実でしみのついた敷石の写真を添えて、改めてお願いを書面にまとめました。

最後には、月末までに切っていただけない場合、境界を越えてこちら側に出ている枝については、こちらで対応する旨も記しました。

日曜の朝、奥さんが庭で水をまいているところへ、その書面を持っていきました。

「こちら、読んでいただけますか」

奥さんは目を通すと、少しあきれたような顔をしました。

「大げさね。だから、自然のことだって言ったでしょ」

私は言い返す代わりに、添えた写真を指しました。

「この写真を、もう一度見ていただけますか」

写真を見ると、紫色の実が多くついているのは、塀を越えてわが家側へ伸びた枝でした。

一方、隣の庭側の枝には、実がほとんど見えません。

「もったいないとおっしゃった実ですが、こちらに落ちたものは、毎朝私が掃いて捨てています」

奥さんは返事をせず、写真と木を交互に見ました。ちょうど前の道を近所の人が通りかかり、塀の上まで伸びた枝に目を向けましたが、そのまま歩いていきました。

奥さんは書面を持ったまま、何も言わず家へ戻りました。

それからしばらくして、月末を待たずに隣の庭にはしごが立ちました。奥さんは自分で、こちら側へ伸びていた実のついた枝を切り、ごみ袋へ入れていきました。

枝がなくなった通り道には、久しぶりにすっきりと日が差していました。その朝、私はほうきを持たずに玄関を出ました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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