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「妻には言うなよ」同期に話す夫の声を、私は玄関で聞いてしまいました

  • 2026.10.25
ハウコレ

玄関の鍵を回したとき、リビングから夫の声が聞こえました。「妻には言うなよ」。いつもの夫の声なのに、私だけが知らない何かがある。夫の何気ない行動まで疑うようになりました。

いつもどおりの夫の声で

その日は、夫の同期が久しぶりに家へ飲みに来ていました。私も顔なじみの人です。お酒の氷が足りなくなり、コンビニへ買い足しに出ていました。

「妻には言うなよ」

玄関に戻った私の耳に、夫の声が届きました。同期の返事は聞き取れません。わざと音を立ててドアを閉め、「ただいま」と声をかけました。

「おかえり。早かったね」

夫は何事もなかったようにグラスを持ち上げました。同期もいつもどおりです。2人の様子からは、何を隠しているのか分かりませんでした。

「仕事の話だよ」とだけ言った夫

同期が帰ったあと、洗い物をしながら聞きました。

「さっき、何の話してたの?」

「仕事の話だよ」

夫はそれ以上話しませんでした。

それから、夫は電話が鳴るたびにベランダへ出るようになりました。窓を閉め、私に背を向けて話しています。

仕事の話なら、なぜ隠すのだろう。もしかして、浮気でもしているのだろうか。

考えすぎだと思いながらも、夫のスマホが鳴るたびに気になりました。私は半年前に転職したばかりで、ようやく仕事が楽しくなってきたところでした。夫も応援してくれていたのに、最近は自分の話をほとんどしません。夫が何を隠しているのか。確かめるきっかけは、思わぬ形でやってきました。

「人事部」と印字された封筒

数日後、ダイニングテーブルに夫の会社の茶封筒が置かれていました。隅には「人事部」の文字。中身は見ずに、夫の帰りを待ちました。

帰宅した夫は封筒を見つけると、すぐに鞄へしまいました。

「私に言えないことなの?」

「もう終わった話だから」

「仕事のこと?それとも、ほかに誰かいるの?」

夫は驚いた顔で私を見ました。

「違う。そういう話じゃない」

それなら、どうして教えてくれないのか。同期には話せるのに、妻の私には話せない。そのことが何より嫌でした。

そして...

夫が向かいの椅子に腰を下ろすのを待って、私は座り直しました。

「終わったかどうかは、私も一緒に聞きたかった」

夫は鞄を膝に抱えたまま、しばらくテーブルの木目を見ていました。やがて小さくうなずき、鞄の口に手を入れました。

責めたかったわけではありません。夫が1人で終わらせたのは、いったい何だったのか。同期には言えて、私には言えなかったその中身を、私はまだ知りませんでした。

(30代女性・商品企画)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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