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「なくなっていたんです」娘を疑って家まで来た同級生の母親。だが、マスコットを受け取って黙った理由

  • 2026.10.7
「なくなっていたんです」娘を疑って家まで来た同級生の母親。だが、マスコットを受け取って黙った理由

夕方の呼び鈴と、差し出された手のひら

小学2年生の娘が、学校から小さなマスコットを1つ持って帰ってきた。指先ほどの大きさで、100円くらいのものだ。

「お友だちがくれたの」

娘はうれしそうにそう言って、玄関の棚に飾った。

その日の夕方、台所に立っていると呼び鈴が鳴った。エプロンのままドアを開けると、娘と同じクラスの子のお母さんが立っていた。娘も私の後ろから顔をのぞかせた。

「うちの子が集めているマスコットが、5つなくなっていたんです。聞いたら、こちらのお嬢さんが持っていると言うので」

お母さんはそう言うと、手のひらをこちらに向けた。

「返してもらえますか」

娘が何かしてしまったのかと、胸がどきりとした。

私は振り返り、娘に事情を聞いた。

「ほしいって言ってないよ。あの子がみんなにくれたの。5人に1つずつ」

私はそのまま、お母さんに伝えた。

「娘は、お嬢さんからもらったと言っています。ほかの子にも1つずつ配っていたそうです」

すると、お母さんは少し表情をかたくした。

「でも、そちらのお子さんが『ほしい』って言ったんじゃないですか?うちの子は、100円の物でも人にあげる子じゃないので」

娘が私のエプロンのすそをぎゅっとつかんだ。

「とにかく、今日中に返してもらいます。ほかの4人のおうちにも、これから行きますから」

返しながら、これだけは伝えた

マスコットを返すこと自体は、少しもかまわなかった。

ただ、娘がねだったと決めつけられたままにするのは嫌だった。

私は玄関の棚からマスコットを取り、小さな袋に入れた。そして、お母さんに差し出した。

「お返しします。でも、娘はねだっていません。お嬢さんが5人に配ったと聞いています」

いったん言葉を切ってから、続けた。

「それに、大事なものなら学校には持たせないほうがいいと思います。おもちゃは持ってこない決まりですよね」

お母さんは袋を受け取ると、一瞬黙った。

さっきまでこちらをまっすぐ見ていた視線が、手元の袋へ落ちた。

「…配ったっていうのは、聞いてなくて」

少し間を置いてから、「すみません」と小さく頭を下げた。そして袋をかばんにしまい、門を出ていった。

ドアを閉めると、娘の手がようやく私のエプロンから離れた。

次の日、娘はその子と並んで帰ってきた。その子は門の前で足を止め、私を見上げた。

「きのう、ママがごめんなさい」

私は「うん。また遊びにおいで」と返した。

その子はこくりとうなずくと、娘と顔を見合わせた。二人がいつものように笑っているのを見て、私は少しほっとした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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