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フットサルで膝を負傷した40代男性…救急隊に伝えた“搬送先の要望”に→救急隊員「できません」

  • 2026.10.28
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。ライターのとしです。

救急現場では、傷病者本人から搬送先について希望を伝えられることがあります。

今回は、フットサルイベント中に膝を負傷した40代男性が、搬送先についてある希望を伝えてきた事案をご紹介します。

フットサル中に膝を負傷

40代男性がフットサルイベントでのプレー中に膝を負傷し、歩くことが難しくなったとして救急要請が入りました。

現場へ到着すると、男性は膝に強い痛みを訴えており、自力で歩いて移動するのは難しい状態でした。

どのような動きで痛めたのか、膝のどのあたりが痛むのかなどを確認しながら状態を観察しました。

救急隊としては、その場で詳しいけがの程度を判断することはできません。

歩行も困難だったため、医療機関で診察を受けた方がよいと説明しました。

男性も受診すること自体には納得していました。

イベント中のけがということもあり、周囲には一緒に参加していた人たちもいましたが、本人はその場を離れたあとのことまで気にしている様子でした。

「自宅に近い病院まで行けませんか」

ただ、搬送先について話を進めると、少し気になる希望を伝えてきました。

「自宅に近い病院まで行けませんか」

男性の自宅は同じ県内にありましたが、イベント会場からはかなり距離のある場所でした。搬送先について説明するなかで、できれば自宅に近い病院まで連れて行ってほしいと希望されたのです。

なぜそこまで自宅近くの病院を希望するのかを尋ねると、男性が気にしていたのは搬送されたあとのことでした。

現場近くの病院で診察を受けても、歩くことが難しい状態で、その後どうやって自宅まで帰ればよいのか分からない。

さらに、治療後に通院が必要になった場合も、自宅から離れた病院では負担が大きくなることを心配していたのです。

事情を聞くと、自宅近くの病院を希望する理由も理解できました。

まずは対応できる医療機関へ

ただ、救急搬送では帰宅のしやすさだけで搬送先を決めることはできません。

傷病者の状態や受け入れ状況などを踏まえ、

現在地から搬送可能で、けがに対応できる医療機関へつなぐことを優先する必要があります。

希望を聞いたからといって必ずしもその病院へ搬送できるわけではないこと、今の状態に対応できる医療機関を優先して選ぶ必要があることを男性に説明しました。

「まずは今の膝の状態を診てもらうことが大切です」

そう伝え、診察後の状態を確認してから、家族に迎えに来てもらうなどして帰宅方法を考えてもらうことになりました。

男性も事情を理解してくれ、現場から搬送可能な医療機関へ向かうことを了承しました。

その後、受け入れ先の医療機関が決まり、男性を救急車へ収容しました。

搬送中に大きな容体変化はなく、無事に医師へ引き継ぐことができました。

イベント先では搬送後の問題も

スポーツイベントや行楽先でけがをすると、その場での治療だけではなく、その後どうやって帰るのかという問題も出てきます。

自宅から離れた場所で歩けなくなれば、本人が不安になるのも自然なことだと思います。

今回の男性も、病院へ行きたくなかったわけではありません。

搬送されたあと、自宅まで戻れるのか、その後の通院をどうするのかを心配していました。

一方で、救急隊としては、まず目の前のけがに対応できる医療機関へつなぐことを優先しなければなりません。

本人の希望を聞きながらも、今何を優先すべきなのかを説明し、納得してもらうことも救急活動の一つだと感じた事案でした。


ライター:とし

元救急隊員。消防で17年、主に救急隊として活動し救急救命士資格を取得。現場経験をもとに、救急の分かりにくい部分を一般向けに噛み砕いて発信しています。


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