1. トップ
  2. 奥平大兼が図書館で働くヤンキー高校生に! 起用理由は「芝居の“間”」 夜ドラ『税金で買った本』実写化の経緯を制作陣に聞く

奥平大兼が図書館で働くヤンキー高校生に! 起用理由は「芝居の“間”」 夜ドラ『税金で買った本』実写化の経緯を制作陣に聞く

  • 2026.9.21
(C)NHK
(C)NHK

この記事の画像を見る

夜ドラ『税金で買った本』(NHK総合 毎週月~木曜 夜10時45分~放送中)は『週刊ヤングマガジン』で連載中のずいのさんと系山冏さんによる同名漫画が原作のライブラリー・ヒューマンコメディー。10年ぶりに訪れた図書館で起きた出来事をきっかけに、その場所でアルバイトを始めたヤンキー高校生の石平紀一(奥平大兼)が個性豊かな職員たちとともに奮闘する。

お仕事ドラマとしては珍しく「図書館」を舞台に描かれる本作。本作で初めてプロデュースを手がける古和田早紀さん(東阪企画)と制作統括を務める内丸摂子さん(東阪企画)に、ドラマ化に至った経緯や作品の魅力、キャスティング秘話について伺った。

図書館が舞台のお仕事ドラマと「夜ドラ」の親和性

――本作をNHK「夜ドラ」枠でドラマ化しようと思ったきっかけを教えてください。

古和田早紀さん(以下、古和田):面白そうな本を探していたときに、漫画レンタルのランキングに入っていたんです。初めてタイトルを見たときはまったく図書館とは結びついていなかったのですが、気になって借りてみたら主人公がヤンキーで舞台は図書館と組み合わせが意外で。読み進めるうちに、今まで知らなかった図書館の話にのめり込んでいきました。

私は元々10年くらい情報番組を担当していて、ドラマ部に異動してきてきちんと関わったのは本作が初めてなんです。ただ、図書館が舞台の作品はあまりないので、思いきって企画を提案してみました。

内丸摂子さん(以下、内丸):ドラマ化できないかと相談を受けて原作を読んだときに、15分という尺やターゲット層も含めて「夜ドラ」の枠にぴったりだと思いました。しかも、男女かかわらず楽しめるお仕事ドラマなので、すぐに話を進めましょうと。

ドラマの制作過程における原作者とのやりとり

――ドラマの制作過程において、脚本を担当する坂口理子さんとはどのようなやりとりをされましたか?

古和田:まずは1週目から8週目まで、それぞれの週で何を軸にして伝えたいのかを考えました。最初は石平くんがバイトを始めるまでの話で、そのあとは仕事内容を覚えてだんだんとできることが増えていく。最後は家族の話を描きたい。だから、その軸に合う原作のエピソードを坂口さんと話しながら選びました。

――1週目では早速、石平が家で母親と会話するシーンや父親との思い出が描かれました。家族に関するエピソードはこれからもたびたび登場しますか?

(C)NHK
(C)NHK

古和田:原作にはあまり家族との話は入っていないので、「こういう理由があって、この話を膨らませたいです」と原作者の方々には相談をしました。だから、ドラマのほうが家族の話は多めになっていると思います。

――原作者のお二人とは、ドラマ化に際してやりとりされたのですか?

古和田:脚本を常にチェックしていただく形で密にやりとりさせていただいて、ストーリーの流れやエピソードのつなぎ方も相談しました。

漫画は1話の読み切りものではあるので、連続ドラマとして話をつなげていくうえで構成の仕方も変わってくる。そこは細かく原作者の方々とやりとりをしながら進めていきました。

あと、ずいのさんは「メガネのキャラクターを大切にしてほしい」とおっしゃっていたので、衣装合わせのときにメガネは本当にこだわりました。西野(七瀬)さんのメガネと青木(マッチョ)さんのメガネも、原作キャラがかけている形に似たものをたくさん用意してもらい、お二人に何度もかけていただき、その中から選びました。

(C)NHK
(C)NHK

複数の図書館を組み合わせて撮影した理由

――図書館という場所が主な舞台になるドラマも珍しいと思います。撮影のロケーションはどのように選定しましたか?

古和田:実際の図書館で撮影するか、スタジオセットを作るかですごく悩んだんですけど、さすがに本を何十万冊と用意するのは難しかったので図書館をお借りすることにしました。今回、メインフロアで使っている図書館は、広さや抜け感などを監督とも話し合いながら決めました。

――メインフロアで使っている図書館があるということは、ほかの場所でも撮影されたのですか?

古和田:図書館は閉館日にお借りしているのですが、そうすると撮影が月曜日だけみたいになってしまうので、今回は複数箇所を使用しています。事務所のシーンは火曜日がお休みの図書館を借りたり、外観は図書館とは関係ない大学を使わせていただいたり。複数の図書館を組み合わせて、ドラマ上ではひとつの図書館になるようにイメージして作っています。

図書館は常に利用者さんがいらっしゃるので、図書館側には撮影のために休館日にご対応いただき、利用者の方には迷惑にならない形で撮影しています。

奥平さんの空気感や芝居の“間”が好きだった

(C)NHK
(C)NHK

――主人公の石平を演じる奥平大兼さんは同じ夜ドラ枠で放送された『いつか、無重力の宙で』(2025年)のお芝居も印象的でした。彼を本作の主人公に選んだ理由を教えてください。

古和田:石平くんは高校生ですが、話し合いのなかで20歳くらいの人をキャスティングしようとなったときに浮かんだのが奥平さんでした。出演しているドラマも拝見して、奥平さんの空気感や芝居の“間”がすごく好きだったんです。今までは重めの役が多かったのですが、石平くんみたいなヤンキーを演じたらどうなるんだろうと興味があって。それを事務所の人に伝えたら、ご本人も興味を持ってくれたみたいです。実際にお会いすると明るくて気さくな方でした。

(C)NHK
(C)NHK

所属事務所の方も実際の本人は「明るくてよく喋るんですよ」っておっしゃっていたのですが、お会いするまでは完全に今までの役柄のイメージしかなくて(笑)。衣装合わせでお会いしたときにたくさんお話をしてくださったので、内面は石平くんと似てるのかもしれないとそのとき感じました。

内丸:アクションのイメージがあまりなかったので、最初は喧嘩のシーンが少し心配でした。でも、空手をやっていたこともあったからか、私たちがスタントの方との練習に立ち会ったとき、本当に見事な身のこなしで驚きましたし、すごく安心しました。

――図書館で働く早瀬丸と白井を演じた西野七瀬さんと青木マッチョさんも、遊び心のあるキャスティングだと感じました。どのような経緯で配役が決定したのですか?

(C)NHK
(C)NHK

内丸:本作はコメディ要素や芝居の“間”がすごく大事だと思っていました。西野さんとは以前ドラマ『シャイロックの子供たち』(2022年/WOWOW)でご一緒していて、性格やお芝居の幅も知っていましたし、『0.5の男』(2023年/WOWOW)のときの彼女のコメディの“間”がすごく上手だった。早瀬丸の役を30代前半の方にやってもらう話になったとき、すぐに西野さんの顔が浮かんだので推薦させてもらいました。

古和田:白井役に関しては、原作者さんとの打ち合わせのときに「あそこまで筋肉がすごくて、鍛えている俳優さんはなかなかいないかもしれないから、顔が怖い人でもいいですよ」とおっしゃってくれていて。でも、やっぱり白井は筋肉あってこそのキャラクターなので、そこは大切にしたいなと思っていたときに、ちょうど内丸が『ラヴィット!』(TBS系)でぴったりの人をみつけたと…。

――青木マッチョさんだったんですね(笑)。

古和田:お芝居しているところは観たことがなかったので、それこそ挑戦ではありましたけど(笑)、ご本人も演技のお仕事をやってみたいと思っていたタイミングだったそうで喜んで引き受けてくださいました。

内丸:実は最初会ったときに、監督が「あれ、腕、意外と細いね」って言っちゃったんですよ。それが悔しかったらしく、撮影中にちょっとでも時間が空いたらすぐに筋トレをしていました(笑)。そしたら本当に衣装が着られなくなるぐらい筋肉がついてしまって、衣装部がその場で服を脱がすのに苦労していました。よく見ると白井の腕がだんだん太くなってるんです。筋肉の成長にも注目してください(笑)。

(C)NHK
(C)NHK

「図書館は気軽に行ける場所」だと知ってほしい

――石平が図書館で働き始めたことで、利用者との交流も増えてくると思います。これからの見どころも教えてください。

古和田:もちろん変わった利用者や個性的なキャラクターも登場しますが、メインはあくまで図書館で働く人たち。石平くんをはじめとする図書館員たちが、どう利用者に対応していくのかも楽しんでいただきたいです。

――あまり知る機会のない図書館の知識や裏側に触れられるのも本作の魅力のひとつです。ドラマではどのような部分に注目してほしいですか?

古和田:図書館って意外と身近にあって、街にひとつは絶対にある。でも、利用していない人も多い。ハードルが高く感じている人もいると思うのですが、図書館ではいろんなイベントが開催されていて、本以外の目的で訪れてもいい。図書館は気軽に行ってもいい場所なんだってことをドラマを通しても知ってほしいなと思っています。「知りたいことがあったら図書館へ」そう思うきっかけになったら嬉しいです。

文=ネゴト / ばやし

夜ドラ『税金で買った本』

放送情報:NHK総合 毎週月~木曜 夜10時45分~放送中

出演:奥平大兼、西野七瀬、青木マッチョ、平山浩行、矢田亜希子ほか

原作:ずいの・系山冏『税金で買った本』(講談社刊)

脚本:坂口理子

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ