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「そんな話、聞いてないよ。上司を出してくれ」電話で高圧的な客。だが、担当を2回も変えた結果

  • 2026.9.13
「そんな話、聞いてないよ。上司を出してくれ」電話で高圧的な客。だが、担当を2回も変えた結果

名乗るより先に、強い声が飛んできた

電話の受付をしていた頃の話です。始業と同時に回線が開き、ヘッドセットをつけると次々に着信が入ります。

その日の午前中に取った一本は、私が名乗り終えるより先に、相手の強い声が耳に飛び込んできました。

用件は、手続きの順番についての行き違いでした。

私は画面を確認しながら、できるだけゆっくり説明しました。

「申し訳ありません。その場合は、先にこちらのお手続きが必要なんです」

すると、すぐに声が返ってきました。

「そんな話、聞いてないよ。上司を出してくれ」

私はもう一度、担当が代わっても案内できる内容は変わらないと伝えました。

「でも、おかしいでしょう。こっちは納得してないんだよ。上司に代わって」

さっきより明らかに声が大きくなっています。

「申し訳ありません。ただ、こちらではこの順番でお願いしていまして…」

最後まで言い終わる前に遮られました。

「いいから上司を出せって言ってるだろ!」

同じ要求は、それで三度目でした。

しばらく説明を続けても話は平行線のままでした。すると相手が、少し苛立った声で言いました。

「もういい。じゃあ、ほかの人に代わって。あなたと話してても同じだから」

私は保留にして、斜め前の席の同僚に声をかけました。

「ごめん、代わってもらえる?同じ説明はしたんだけど、別の人と話したいみたいで」

同僚は画面から顔を上げました。

「分かった。内容は手続きの順番だよね?」

「うん。それだけ」

代わっても、答えは変わらなかった

二人目の同僚は、最初から状況を聞き直しました。

「お待たせしました。担当が代わりました。もう一度確認させてください」

しばらくして、彼女の表情が少し困ったように変わりました。

「はい…そうですよね。ただ、こちらで順番を飛ばすことはできないんです」

それでも通話は続きます。

やがて同僚が受話器を押さえ、私たちに聞こえるくらいの声で言いました。

「今度は、また別の人に代わってほしいって」

二つ隣の男性がこちらを向きました。

「じゃあ、僕が出るよ」

三人目も、相手の話を聞いてから同じ内容を説明しました。

「何度も同じご案内になってしまって申し訳ありません。ただ、この手続きだけは先にお願いすることになっています」

私は自分の席に戻り、ときどき時計を見ました。

最初の着信から、もう40分近く経っています。

しばらくすると、三人目の同僚の声が聞こえました。

「はい、承知しました。お時間をいただき、ありがとうございました」

そこでようやく通話が終わりました。

彼はヘッドセットを外し、小さく息を吐きました。

「…終わった」

斜め前の同僚も振り返ります。

「長かったね…」

私は二人に頭を下げました。

「ごめん。ありがとう」

男性は苦笑いして言いました。

「まあ、誰が出ても答えは同じだったね」

それ以上は誰も話さず、それぞれの席に戻りました。

私は端末に、時刻、用件、対応した人数、案内した内容を入力しました。

保存を押した直後、また着信音が鳴ります。

私は一度息を吐き、ヘッドセットに手を添えました。

「お電話ありがとうございます」

そして、いつもと同じ声で名乗りました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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