1. トップ
  2. エンタメ
  3. トム・ホランドとアン・ハサウェイが語る『オデュッセイア』の凄み「何千年も語り継がれた物語は、まるで“生き物”」

トム・ホランドとアン・ハサウェイが語る『オデュッセイア』の凄み「何千年も語り継がれた物語は、まるで“生き物”」

  • 2026.9.11

『オッペンハイマー』(23)で悲願のオスカーに輝いたクリストファー・ノーラン監督の最新作『オデュッセイア』(公開中)。2800年の時を超えて語り継がれてきた、古代ギリシャの吟遊詩人ホメロスによる英雄譚「オデュッセイア」を映画史上初めて全編IMAX撮影で描きだした本作は、すでに全世界興収16億ドルを突破しノーラン監督作品史上最大のヒット作となると共に、第99回アカデミー賞の大本命との呼び声も高い超大作だ。

【写真を見る】パリのエッフェル塔を臨んでポーズ!『オデュッセイア』のキャストをキャッチ

トム・ホランドが圧倒された、“ノーラン流”のアクションとは?

そんな本作で、マット・デイモン演じる英雄オデュッセウスの帰還を信じる息子テレマコスを演じたのは、現在歴史的メガヒットを記録している『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』(公開中)などMCU版「スパイダーマン」でピーター・パーカー/スパイダーマン役を演じているトム・ホランド。「この前、映画館へ行ったら『オデュッセイア』の予告編が流れ、僕が映っているカットがありました。その瞬間、子どものころに初めてスクリーンに映る自分の姿を観た時のことを思い出しました」と感慨深げに語る。

テレマコスを演じたトム・ホランド [c] 2026 UNIVERSAL STUDIOS
テレマコスを演じたトム・ホランド [c] 2026 UNIVERSAL STUDIOS

映画デビューからおよそ15年。マーベル作品はもちろんのこと、ロン・ハワード監督やジェームズ・グレイ監督など名だたる監督たちと作品を共にしてきたホランドだが、ノーラン監督とはこれが初タッグ。「本当に光栄なことです。これがどれだけ刺激的なことか、言葉にするのは難しい。クリス(ノーラン監督)は唯一無二の存在で、この業界にいながら独自の世界を築いている。その世界に迎え入れてもらえたことがとてもうれしくて、いまでも夢なんじゃないかと思うほどです」。

「スパイダーマン」シリーズのスタント・コーディネーターでもあり、ノーラン作品にも携わってきたジョージ・コトルから“ノーランの映画づくり”について長年話を聞いていたというホランド。「どれだけ違うんだろうか?と想像していたけれど、やはり直接体験してみないとわからないものです」と、撮影初日からその規模の大きさに圧倒されたことを告白。「IMAXカメラに最適な演技を把握する必要もあり、俳優としてまた一からやり直さないといけないかもと感じるほどでした。でもクリスたちは、僕が慣れるように十分な時間を確保してくれました」。

映画界に革新をもたらし続けるクリストファー・ノーラン監督。本作では史上初の全編IMAX撮影に挑んだ photo by Melinda Sue Gordon [c] Universal Studios. All Rights Reserved.
映画界に革新をもたらし続けるクリストファー・ノーラン監督。本作では史上初の全編IMAX撮影に挑んだ photo by Melinda Sue Gordon [c] Universal Studios. All Rights Reserved.

特にホランドが苦戦したというのは、「スパイダーマン」さながらのアクションを“マスクを被らずに”こなすことだったようだ。「アクションのためのアクションではなく、人物を際立たせて物語を進めるためのアクション。マスクをかぶって演じることに慣れていたから、相手の動きを意識することをあまり考えたことがありませんでした。どうすれば派手なアクションのなかにリアルな芝居を落とし込めるのか。もっと学ばなければならなかったんです」。それでも持ち前の身体能力の高さを活かして演じ切ったホランドに、ノーラン監督も最大級の賛辞を送ったのだとか。

「『オデュッセイア』は人類史上最高傑作」

一方、オデュッセウスの妻であり、テレマコスの母でもあるペネロペを演じたのは、『ダークナイト ライジング』(12)と『インターステラー』(14)以来3度目のノーラン作品参加となるアン・ハサウェイ。「この歴史的な作品にかかわっていると思うと、不思議な感覚になります」と、彼女もまたホランドと同じように本作に出演できたことの喜びを明かす。

オデュッセウスの妻ペネロペを演じたアン・ハサウェイ photo by Melinda Sue Gordon [c] Universal Studios. All Rights Reserved.
オデュッセウスの妻ペネロペを演じたアン・ハサウェイ photo by Melinda Sue Gordon [c] Universal Studios. All Rights Reserved.

「いまは技術がものすごく進んでいるので、なにもかもをわかったような気になってしまうものです。でもこの映画を観たら、きっと言葉を失い、純粋な驚きと畏敬の念に打たれることでしょう。私も同じように圧倒され、『いったいどうやって撮ったの?』と考えてしまいました。でもそれが映画というものの楽しさだと思います。この作品の場合はCGや修正といった容易い答えでは片付かない。実際に手法を編み出し、まるで手品を見ているような感覚になる、魔法のような映画なのです」。

そんなハサウェイは、以前からギリシャ神話の大ファンだったそうで「ギリシャ神話は究極のストーリーテリング」と断言する。「私にとって『オデュッセイア』は人類史上最高傑作と呼べる物語のひとつともいえる、特別な存在。それをクリスが映画化すると聞いた時は、これ以上の題材とフィルムメーカーの組み合わせはありえないと直感しました」。

子どものころからギリシャ神話ファンだったというアン・ハサウェイ [c] 2026 UNIVERSAL STUDIOS
子どものころからギリシャ神話ファンだったというアン・ハサウェイ [c] 2026 UNIVERSAL STUDIOS

そして「私がギリシャ神話に惹かれるのは、とても純粋な営みから生まれた物語だから。世界の謎解きに挑んだ人々は、当時の人間が使える最も高度な道具である想像力を使いました。それによって、世界がより豊かに色鮮やかになっていく。当時は物語で埋められる余白があまりにも広大でした。だから彼らの物語は深いところまで掘り下げられており、いまもなお読み解かれている。数千年もの時を経ても残り、いまの私たちは何度もそこへ立ち返る。どの世代の人々にも探求する価値のある問いを投げかけてくれます」と熱弁を振るった。

ハサウェイの言葉を受けてホランドも、「何千年にもわたって語り継がれてきた物語なので、この映画は最高の共同制作ともいえるでしょう」と自信をのぞかせる。「この『オデュッセイア』のように昔から語り継がれてきた物語は、まるで生き物です。人から人へと語り継がれるなかで変化を遂げるし、クリスもまた、何百万人もの語り手の一人なのだと思います」。

【写真を見る】パリのエッフェル塔を臨んでポーズ!『オデュッセイア』のキャストをキャッチ [c] 2026 UNIVERSAL STUDIOS
【写真を見る】パリのエッフェル塔を臨んでポーズ!『オデュッセイア』のキャストをキャッチ [c] 2026 UNIVERSAL STUDIOS

最後にホランドは観客に向け、「この映画を観たら、まるで冒険をしてきたかのような感覚になると思います。IMAXで観たらその感覚もさらに強くなるに違いないでしょう」とIMAXでの鑑賞をアピール。ハサウェイも「映画館での鑑賞体験があり、その後も作品の余韻が残ります。この映画は他者の立場に身を置いて想像する感覚を喚起する。つまり『自分が人にしてもらいたいと思うことを、人にもせよ』ということで、私たちはいまだにその実現を追い求めています。この冒険譚が初めて語られた時代から、なにも変わっていないと思います」と呼びかけていた。

文/久保田 和馬

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ