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デリケートゾーンのにおい対策、洗いすぎは逆効果?正しいケアを看護師が解説

  • 2026.9.11

まだまだ気温や湿度が高い残暑。
「デリケートゾーンのにおいや蒸れ、かゆみが気になる」という悩みを抱える女性が増える季節です。
人にはなかなか相談しづらい悩みだからこそ、「不潔なのかも」と不安になって石けんでゴシゴシ洗っていませんか?
実は、デリケートゾーンのにおいは単純に「洗えばなくなる」というものではありません。
かえって洗いすぎることで、本来肌を守っている常在菌や腟の自浄作用を乱してしまうリスクがあります。
この記事では、看護師、日本メディカルフェムケアアカデミー校長として女性の身体のケアに携わる間宮さんが、アポクリン汗腺とエクリン汗腺の仕組みや「すそワキガ」との違い、VIO脱毛の影響、そしてデリケートゾーンをやさしく守る正しいケア方法について分かりやすく解説します。

この記事のポイント
・においの原因と汗腺の仕組み:においは不潔だからではなく、アポクリン汗腺からの汗や皮脂が常在菌によって分解されることや蒸れ・ホルモンが影響している
・「洗いすぎ」による自浄作用の低下:腟内は弱酸性(pH3.5〜4.2)に保たれており、過度な洗浄はバリア機能を乱すため、外陰部をやさしく清潔に保つケアが重要
・VIO脱毛や医療機関への相談:脱毛は汗腺自体を無くすものではないが蒸れ軽減に役立つ。強いかゆみやおりものの変化がある場合は早めに婦人科を受診することが大切

デリケートゾーンのにおい――不潔だからではなく身体の仕組みが原因

9月に入っても、まだ気温も湿度も高いですよね。
「デリケートゾーンのにおいがいつもより気になる」
「生理中のにおいが心配」
「下着の中が蒸れて、かゆみもある」
そんな悩みを抱えていても、なかなか人には相談できないという方は少なくありません。
私は看護師として女性の身体のケアに携わる中で、こうした相談を受けることがあります。
また、美容外科のドクターとも「すそワキガ」について話をする機会があります。
そこで感じるのは、デリケートゾーンのにおいは、単純に「不潔だから」「洗えばなくなる」というものではないということです。
エクリン汗腺とアポクリン汗腺の違いとにおい発生のメカニズム
まず知っておきたいのが、汗腺の違いです。
人の汗腺には大きく分けてエクリン汗腺とアポクリン汗腺があります。
エクリン汗腺は全身の皮膚に広く分布し、成人では約200~400万個あるとされています。
暑いときや運動したときに汗を出して体温を調節する、私たちの身体にとって非常に重要な汗腺です。
エクリン汗の主成分は水分で、分泌された直後の汗は基本的に強いにおいを持ちません。
一方、アポクリン汗腺は脇や外陰部など、身体の限られた部位に存在し、毛包に開口しています。
思春期以降に活動が活発になるという特徴があります。
アポクリン汗腺から出る分泌物そのものが、最初から強い悪臭を持っているわけではありません。
汗や皮脂などに含まれる成分が皮膚上の微生物によって分解されることで、特徴的なにおいが生じます。
つまり、デリケートゾーンのにおいは、汗腺だけで決まるものではありません。
汗や分泌物、皮膚の状態、常在菌、毛、蒸れ、ホルモンなど、さまざまな要素が関係しています。
「すそワキガ」と一時的なにおい(生理・汗・蒸れ)の見分け方
一般的に「すそワキガ」と呼ばれているのは、外陰部周辺からワキガに似た独特のにおいがする状態です。
ただし、デリケートゾーンのにおいがあるからといって、すべてがすそワキガというわけではありません。
生理中の経血や汗、蒸れ、おりものなどによって、一時的ににおいが変化することもあります。
私は美容外科のドクターともすそワキガについて話しますが、デリケートゾーンは脇とは異なり、皮膚が薄く、粘膜にも近い非常にデリケートな部位です。
そのため、治療も簡単ではありません。
「この治療をすれば必ずにおいがなくなる」と一言で言えるものではないからこそ、まずはその方の悩みを丁寧に聞くことが大切だと考えています。

逆効果になっていない?「洗いすぎ」が招くトラブルと正しい洗顔・保湿ケア

そして、においが気になる方ほど注意してほしいのが「洗いすぎ」なのです。
女性の腟内は、一般的にpH3.5~4.2程度の弱酸性に保たれています。
これは腟内に存在する乳酸菌などの常在菌が作り出す環境によるものです。この状態が、外から侵入してくるさまざまな微生物の増殖を抑える、いわゆる「腟の自浄作用」に関係しています。
「においが気になるから」と石けんなどで何度も洗ったり、強くこすったりすると、皮膚への刺激になるだけでなく、腟内や外陰部の環境を乱す可能性があります。
特に腟の中まで洗浄する必要はありません。
大切なのは、腟の中を洗うことではなく、外陰部をやさしく清潔に保つことです。
汗をかいたら下着を交換する、通気性のよい衣類を選ぶ、入浴後は水分をやさしく拭き取るなど、蒸れを長時間続けない工夫も大切です。

VIO脱毛でにおいは消える?メリットと正しい捉え方

VIO脱毛について「脱毛すると、すそワキガは治りますか?」と聞かれることもあります。
脱毛によってアポクリン汗腺そのものがなくなるわけではないため、VIO脱毛をすそワキガの治療と考えることはできません。
ただ、毛が減ることで汗や分泌物が毛に付着しにくくなり、洗浄や清潔を保ちやすくなることで、蒸れや不快感が軽減される場合はあります。
自己判断は危険!医療機関(婦人科)を受診すべき症状
一方で、においに加えて強いかゆみや痛み、赤み、腫れ、おりものの色や量の変化、出血、排尿時の痛みなどがある場合には、単なる蒸れや汗だけが原因ではない可能性があります。
カンジダなどの感染症や皮膚の炎症、婦人科疾患などが隠れていることもあります。
上記のような症状が続く場合は、自己判断で市販薬を使い続けず、婦人科などの医療機関に相談することをおすすめします。

まとめ:正しい知識で自分の身体を大切に。一人で悩まず専門家に相談を

デリケートゾーンのにおいは、「不潔だから起こる」という単純なものではありません。
汗腺、皮膚、常在菌、ホルモン、月経、蒸れなど、さまざまな身体の仕組みが関係しています。
すそワキガのように治療が難しい悩みだからこそ、私は「治す・治さない」だけではなく、「どうすれば今より快適に過ごせるか」を一緒に考えることが大切だと思っています。
脱毛をする、洗い方を見直す、蒸れを減らす、下着を工夫する。
そして、気になる症状が続くときには医療機関へ相談する。
デリケートゾーンも、身体の大切な一部です。
「こんなことを相談していいのかな」と一人で悩まず、まずは専門家に相談してみてください。正しい知識を持つことが、自分の身体を大切にする第一歩になります。

執筆者


間宮美穂
看護師
日本メディカルフェムケアアカデミー校長

私は、婦人科系看護師を10年勤めた2002年ころから当時はまだ言葉も存在していなかった『産後ケア』を当時のドクターの協力のもと開発し、のべ6万人以上の母体を施術し、広めていきました。
今では女性のライフステージ全般における不調をケアするフェムケアに取り組み、令和5年5月に日本メディカルフェムケアアカデミー校長に就任、女性特有の健康課題とキャリア・働き方への影響を研究し、多くの企業や自治体で啓発活動を行っています。
女性の健康とウェルネス分野において医療をベースにしたケアの実践者、教育者としては日本の第一人者といわれております。
特にフェムテック活用や、女性が心身ともに健康で活躍できる職場環境構築に関する実践的アドバイスには定評があります。
本セミナーでは、豊富な経験と最新の知見に基づき、「わかってほしい」を「わかり合える」に変えるコミュニケーション術や、企業が取り組むべきサポート体制を具体的にお伝えします。

【資格】
平成8年5月 保健師助産師看護師法 看護師登録
平成11年 国際エステティック連盟 GOLD MASTER取得
平成17年 山本淑子アロマスタジオスクール 上級者講座取得
平成23年~平成28年一般社団法人 日本アロマセラピー学会 認定看護師取得

日本メディカルフェムケアアカデミー
https://jmf-academy.jp/

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