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『口腔がんになりやすい人』には“共通点”があった…歯科医が明かす、当てはまったら要注意な「2つのNG生活習慣」とは?

  • 2026.10.1
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「歯並びが悪いと病気になりやすいのだろうか?」「合わない入れ歯を使い続けて大丈夫?」など、お口の中のトラブルや違和感に不安を感じたことはありませんか?

特に、恐ろしい病気である「口腔がん」と、歯並びや入れ歯、あるいは長引く口内炎にどのような関係があるのかは、多くの人が疑問に思うところです。

そこで今回は、歯科医師の鷹巣多紀さんに、お口の中の環境ががんのリスクにどう影響するのか、そして健康を保つために私たちが今すぐできるセルフチェックの方法について詳しく解説していただきました。

歯並びや入れ歯は口腔がんと関係する?知っておきたいリスクと生活習慣

---歯並びが乱れている、あるいは入れ歯を使っていると、口腔がんのリスクが高まるのでしょうか?

鷹巣 多紀さん:

「歯並びが乱れている、あるいは入れ歯を使っているというだけで、口腔がんになるわけではありません。

たとえば、歯が重なっている場所は歯ブラシが届きにくく、汚れが残りやすい部分です。入れ歯も、清掃や調整が不十分なまま使っていると、粘膜の炎症や感染につながることがあります。口の中の衛生状態の悪さは口腔がんとの関連も指摘されており、毎日の手入れで改善していきたいところです。

また、口の乾燥も、粘膜の健康を保つうえで気をつけたい変化です。唾液には、口の中を潤し、食べかすを洗い流し、細菌などの増殖を抑える働きがあります。唾液が少ない状態ではこうした保護が弱まり、感染などのトラブルが起こりやすくなるため、乾燥が続く場合は歯科で相談しましょう。ただし、口が乾くことだけで、がんのリスクが高まると決めつけることはできません。

生活習慣のなかで、口腔がんとの関係がはっきりしているのは喫煙と飲酒です。たばこには発がん性のある物質が含まれ、お酒が分解される途中で生じるアセトアルデヒドという物質も、細胞の遺伝子を傷つけます。両方の習慣が重なると危険性がさらに高まるため、『口をきねいにしていれば大丈夫』とは考えないでください。

ご自身で取り組めることとしては、汚れが残りやすい場所の磨き方を歯科で確認し、入れ歯を外して毎日清掃することが基本になります。喫煙している方は禁煙を、飲酒する方は量や頻度を減らすことも考えてみましょう。受診する際は、磨きにくさだけでなく、入れ歯の痛みや口の乾きも伝えてください。」

合わない入れ歯や長引く口内炎、どこからが危険なサイン?

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---「合わない入れ歯が当たる痛み」や「治らない口内炎」を我慢していると、がんに変わってしまうことはありますか?受診の目安を教えてください。

鷹巣 多紀さん:

「合わない入れ歯や尖った歯による慢性的な刺激は、口腔がんに関わる要因の一つとして疑われています。ただし、刺激そのものがどの程度リスクを高めるのかは、まだ十分に分かっていません。喫煙や飲酒などの影響も重なるため、『刺激が続けばがんになる』とまではいえないのが現状です。

だからといって、痛みや傷を我慢して使い続ける必要はありません。同じ場所に歯や入れ歯が当たり続けると、傷ついた粘膜が回復する前に、また傷つく状態になりがちです。入れ歯は、歯ぐきや顎の形が変わることで合わなくなる場合もあります。『以前はぴったりだったから』と思わず、痛む場所や外れやすさの変化を歯科で伝えてください。

口内炎については、『いったん治ってから繰り返すもの』と『同じ傷が治らずに残っているもの』を分けて考えましょう。よくある小さな口内炎は、通常1〜2週間ほどで治ります。一方、口腔がんが口内炎やこすれた傷のように見えることもあるため、『歯が当たっているから、それが原因』と自分で決めつけないでください。これは、傷ががんに変わるかどうかとは別に、見逃しを防ぐために知っておきたい点です。

歯科では、歯や入れ歯が当たる部分を調整するだけでなく、その後に粘膜がきちんと治ったかまで確認します。必要に応じて、粘膜の一部を採って調べる検査を行う場合もありますので、市販の口内炎薬だけで長く様子を見るのは避けましょう。

2週間ほどたっても治らない傷は、痛みが軽くても歯科や歯科口腔外科に相談してください。硬いしこりがある、傷が大きくなる、出血が続くといった場合は、2週間を待つ必要はありません。『がんかもしれない』と一人で悩むより、まず傷が治らない理由を確かめることから始めてみてください。」

お口の健康を守る!自宅でできる簡単セルフチェックの手順

---がんなどの病気を早期に見つけるために、自分でお口の中をチェックする方法があれば教えてください。

鷹巣 多紀さん:

「歯磨きのあと、鏡で歯だけでなく、舌や頬の内側まで見る習慣から始めてみてください。自宅のチェックは、がんを予防したり診断したりするものではなく、普段との違いに早く気づくための方法です。明るい場所で鏡を用意し、手を洗い、入れ歯を使っている方は外してから確認しましょう。

最初に、唇を軽くめくって、唇の内側と上下の歯ぐきを見ます。次に頬を指でそっと広げ、左右の頬の内側も確認してください。口を大きく開けて、上あごも見ておきましょう。入れ歯の下に隠れている粘膜も、忘れずに確かめたい場所です。

舌は、前に出して表面を見るだけで終わらせず、左右の側面も確かめましょう。舌の両側は、舌がんができやすい場所です。見にくいときは、清潔なガーゼで舌先を軽く持つと確認しやすくなります。さらに、舌先を上あごにつけて、舌の裏側とその下の粘膜も見てください。

気にかけてほしいのは、治らない傷やただれ、赤い・白い部分、できものや腫れです。指の腹で軽く触れたときに、以前はなかった硬いしこりを感じる場合も、歯科で伝えてください。白い部分を無理にはがしたり、傷を強く押したりする必要はありません。見た目の変化に加えて、しびれや舌の動かしにくさがないかも確認しましょう。

気になる場所は、気づいた日をメモし、写真を撮っておくと受診時に説明しやすくなります。2週間ほど治らない傷や色の変化は、痛くなくても歯科や歯科口腔外科に相談してください。しこりがある、急に大きくなる、出血やしびれが続く場合は、その期間を待たずに受診しましょう。写真は相談の助けになりますが、撮り続けるだけで受診を先延ばしにしないでください。

鏡では見えにくい場所もあるため、自宅のチェックに加え、定期的な歯科受診でも舌や粘膜を見てもらいましょう。入れ歯の当たり具合や、磨きにくい部分も一緒に確認してもらってください。」

毎日のセルフチェックと定期的なプロケアで安心なお口を

歯並びや入れ歯自体が直接がんの原因になるわけではなく、気をつけるべきなのは、磨き残しによる不衛生な環境、合わない器具の慢性的な刺激、そして何より喫煙や飲酒といった生活習慣であることが分かりました。

明日からできる最初の一歩として、歯磨き後の「お口のセルフチェック」をぜひ習慣にしてみましょう。鏡の前で自分の粘膜を観察し、普段とのちょっとした違いに早く気づくことが、健康な毎日を守ることにつながります。

もし2週間以上治らない傷や気になる変化を見つけたら、一人で悩まずに歯科医院を受診し、医師に確認してもらいましょう。


監修者:鷹巣 多紀
大学病院口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています。
歯科医師ママkiki|note: https://share.google/uUYsDiSMnkNKZCrOw X: https://x.com/kikimama0405

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