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フェードを打つには絶対に“ボール位置”が大切!ゴルフ研究者が解説

  • 2026.5.12

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スライスではないと言い切れるフェードを打つ

左へのプロテクトショット(フェードボール)についてのお話です。体の左側を使って行なわれるスイング(右利きの場合)は、どうしてもスライス傾向が出てしまいます。この状態で「ボールがつかまらない」とした場合、つかまえにいって今度は逆にどフックしてしまうというのが、よくあるパターンだと思います。ただ、前の記事でストレートボール、ドローボールとやってきて、つかまえすぎて大きく左に巻き込んでしまうミスショットは打たなくなったのでは、と思いますがいかがでしょうか。

ストレートボールのバックスピンの回転軸は水平、フェードではフェースのスライドによって回転軸はわずかに右に傾きます。ここでは、まず、基本のストレートボールを打つところからはじめてみます。ドローボールのときにはボールをスイングの最下点より手前で打つことで外側に擦り出したいので、ボールの位置を右寄りにしました。これによって、ボールの回転軸を左に傾けられる、いわゆるドロー回転になる。

フェードボールはその逆で、ボール位置は左寄りがとりあえずのスタートポイントとなります。ドローのときもそうだったのですが、スピンをかける際にフェースをターンさせて結果を求めようとする人たちもいるのですが(ショートアプローチで慣れていれば別ですが)、これはインパクト前後でフェースの状態が連続的に変化していることになり、このなかで一瞬訪れる正解のポイントで毎回確実に打つというのは容易ではなく、スイングの難易度は当然上がってしまいます。うまくいったとしてもそれは絶妙なバランスのうえに成り立った確率の低いナイスショットの可能性が高いので、フェースをあおるような角運動はしないというのが、フェース系スポーツの基本となります。

安定したフェード回転(回転軸の右傾斜)のかけ方は、以前説明したインパクト三原則での、フェースの手前への横スライドによって実現されます。ボールを最下点より左寄りに置いたうえで、ストレートボールを打つイメージで右肩・右手の平でターゲット方向に低く押し込むように(イラストB参照)飛球線に対してスクエアに打ち出す。このとき、ボールが最下点より左にあるため、スクエアに打っても左方向にスライドするフェースの挙動になり、スライス回転がかかります。

もし、大きく右に曲がるスライスになっていたらボールを右に移動していって、軽く右に曲がるフェードの弾道になる位置を探しましょう。

アイアンの場合は、高さも出しながらカット系のボールで止めたいので、ボール位置は大雑把な左寄りの位置に。ドライバーで飛距離を出しながらも左にいかないプロテクトショットを打ちたい場合は、ボールを少しずつ右に移動させ、カット打ちをする感覚は残しながらも低弾道でストレートに近い感覚で打ち出すフェードボールに挑戦してみます。フェードは比較的打ちやすいので、これで大丈夫かと思います。

リラックスして伸び伸び加速して打つことがキモ

最後に前回のドローの説明では文字数の関係で触れなかったのですが、ドロー、フェードのような「こうしたい」という恣意的なショットでは、少なからずストレスがかかるので、むしろコントロールしようとするのではなく、リラックス、脱力してクラブに仕事をさせて自然なスイングで振り抜くことが意外と重要です。イメージとしては、レールに乗っているトロッコが自重でスルスルと自由落下するところをそっと後押しして加速するような感じです。

インパクトでは、以前から何度も説明してきたインナーカウンター(左手の減速)を入れて、クラブをブロックして加速を行ないます。インナーカウンターは慣れてくると無意識で行なわれるようになるので、やっている感が消えてしまうのですが、クラブスピードのアップには重要な要素となります。往々にして、グリップ側から強引に振り回してスピードを上げようとしがちですが、これはスイング軌道の乱れにつながるばかりか、逆にスピードも出ませんので、しなり戻りも最大限利用して伸び伸びと打ってみましょう。

こういうスイングができていれば、ハーフウェイバックからボールをヒットしただけでも滑らかに加速され、結構勢いよく飛んでいくと思います。ゴルフスイングは「ボールがあることを意識せず、たまたま軌道上にボールがあった、と思って打て」といわれたりします。私は、1点でパワーを集中するためにはインパクトは意識すべき派で、その解釈においては違和感があるのですが、スムーズで自然なスイングをするという意味では、こういう解釈があるというのもわからないではないと考えます。理にかなった自然体のスイングで無理なく加速して、その結果打てれば、ドローもフェードボールも難しくありません。

このターゲット方向に押し出す感覚は、あくまでも感覚的なもの。「何センチ真っすぐに押し出す」と解釈するのは正しくない。以前、テニスのインパクトでのボールをフェースに乗せる技術で説明した一瞬の弛緩と追従を利用した「タッチ」のようなものと考えるうがいいだろう。

ボールを最下点より左に置くことで、デフォルトで手前にフェースをスライドすることができる。この状態でフェースをターゲット方向に押し込むように打つとストレートベースのフェードボールを打つことが可能になる。

ストレートを打つ感覚で、右肩を残しながら少し左寄りのポジションのボールを手のひらで低く押し込むようにしてボールをとらえる。

基本的なイメージは、面をしっかり作って打ち込むテニスのストレートボールとほぼ同じ要領だ。

いかがでしたか? ぜひ、参考にして練習してみてください。

文・イラスト=サンドラー博士
●ゴルフ好きの研究者。ゴルフの専門家ではないが、ゴルフ理論は「教える側」という「外側からの視点で組み立てられているから難しい」ということに気づいてからは、「それをどう解決するか」の研究に没頭。出た答えを多くのアマチュアに伝えたく、毎月レポートする。

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