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水上恒司、『本当にあった話(の話)』の怪演を称えられ恐縮「恐れ多いです」黒木華&小池栄子&佐々木蔵之介も太鼓判

  • 2026.9.9

水上恒司主演のディストピア映画『本当にあった話(の話)』(10月2日公開)の完成披露上映会が9月9日にテアトル新宿で行われ、水上をはじめ、黒木華、小池栄子、佐々木蔵之介、武井佑吏監督が出席した。

【写真を見る】ポスターかと思いきや…ご本人!?水上恒司が様々な表情を繰り出して会場を笑わせた

インパクトあふれるポスタービジュアルも話題!
インパクトあふれるポスタービジュアルも話題!

鴻池留衣の小説を映画化した本作。世間を震撼させた配偶者入れ替え連続殺人事件から、数十年後。事件をもとにした舞台が作られることになり、演技経験のない夛田(水上)が主演の座を射止める。だが役柄に自分の経験を重ね、深くのめり込んでいった夛田は、虚構と現実の境界を見失い、次第に演じる人物と一体化していく。

【写真を見る】ポスターかと思いきや…ご本人!?水上恒司が様々な表情を繰り出して会場を笑わせた
【写真を見る】ポスターかと思いきや…ご本人!?水上恒司が様々な表情を繰り出して会場を笑わせた

暴走する男を演じる水上が、強烈な笑顔を浮かべているポスタービジュアルも注目を集めている。イベント前にはスクリーンにそのビジュアルが投影されていたが、時折、ポスターとは違う服装や髪型をした水上の姿がチラチラと映り、会場はざわざわ。実は舞台袖にいた水上の姿がリアルタイムでスクリーンに映し出されており、気づいた観客からは笑いが起きた。

水上恒司、茶目っ気たっぷり!
水上恒司、茶目っ気たっぷり!

ステージに登壇者が呼び込まれても、そこに水上は不在。スクリーン越しにさまざまな表情を見せ続ける水上に、黒木は「後ろがうるさいな」と笑い、小池も「早く来てくれよー!」と呼び込み、ついに水上がステージに登場。会場からは大きな拍手が沸き起こった。

やがて虚構と現実の境界を見失い、演じる人物と一体化してしまう夛田を演じた水上恒司
やがて虚構と現実の境界を見失い、演じる人物と一体化してしまう夛田を演じた水上恒司

満席の会場を見渡した水上は、「『どんな映画なの?』とよく言われます。説明もしにくいんですが、とにかくおもしろいと思います。笑っていただけるとうれしいです」と希望。夛田の相手役となる米良役を演じる黒木は「台本を読んだ時から、不思議な映画だなと思っていた」と続き、「皆さんに観てもらって、どう受け取ってもらえるのか楽しみです」と期待を込めた。舞台の脚本家・垣内役を演じる小池も「みんなの感想が聞きたい」と目尻を下げ、「武井ワールドに、どっぷりと浸かっていただきたい。水上くんが取材の時に『これは一種のコメディ』だと言っていて。一生懸命に生きている人が、ある瞬間から滑稽に見えたりする。その世界観を楽しめると思います」とにっこり。舞台演出家の加藤役を演じる佐々木は、「狂ったヤツしか出てきません。笑ってください!」と独特の世界観をアピールしていた。

夛田の相手役となる米良役を演じる黒木華
夛田の相手役となる米良役を演じる黒木華

武井監督にとって、本作は商業デビュー作となる。武井監督は「新人の監督で、こんなに主役級の方が集まるってなかなかないものだと思う。先ほど、控室でも不思議な気持ちになった。集まっていただいて、ありがとうございます」と感謝を伝えた。すでに映画を鑑賞した関係者の間では、水上の表現する狂気ぶりが話題となっているそうで、武井監督は「これまでに見たことがない、水上さん」と夛田役は水上の新境地だと太鼓判。「映画のなかで水上さんのボルテージが、ひとつ上がる瞬間がある。そういうところの演出も、水上さんからいろいろなアイデアをいただけた。“夛田ってこういう人だよね”というものを、水上さんも一生懸命に考えてくださった。僕も考えて、それを組み合わせて理想の形になりました」と語っていた。

舞台の脚本家・垣内役を演じる小池栄子
舞台の脚本家・垣内役を演じる小池栄子

水上は、「役者が気合を入れて、狂いぶりをやればやるほど空回りしていく現象にはなってほしくないと思っていた。そうならないように気をつけました」と役作りについて説明。「いまのいわゆる商業映画とはまたひとつ、対局にあるような作品になっていると思います。だからこそ自由に、伸び伸びと、いろいろな解釈の幅があるなと思いながらやることができました」と充実感を口にした。

舞台演出家の加藤役を演じる佐々木蔵之介
舞台演出家の加藤役を演じる佐々木蔵之介

水上との共演について話が及ぶと、黒木は「おもしろかったです」と笑顔を見せ、「どういうお芝居をされるかわからなかった。米良はそれを受ける役でもあるので、そのまま素直に受け取ろうと思って。監督と水上さんが、役について話し合っているところもおもしろかった。目が離せなかった」という。「私もおもしろかったです」と切り出した小池は、「私が演じる役柄は、自分の思うようにいろいろなことを進めてきた人物。でも夛田と接していると、自分の思うペースに行かなくて。この人に主導権を握られて、飲み込まれていく感じが快感でした」と振り返った。夛田が段階を踏んで変化していく役だと解説した佐々木は、「いまはどのような状態なんだということを、すごく丁寧に作っていた」と水上の演技を称えた。

先輩方に感謝!
先輩方に感謝!

先輩たちの言葉に「恐れ多いです」と恐縮しきりの水上は、「狂った演技は、初挑戦に近いようなもの。お三方が、ちゃんと呼吸や鼓動を感じるお芝居をされているからこそ、僕は芝居がかった芝居にならず、バランス調整ができた。下っ端の僕が、一番助けられた現場でした」と大いに支えられたとお礼を述べていた。

現場のエピソードをフリップに書いて発表した
現場のエピソードをフリップに書いて発表した

本作のキャッチコピー「化けの皮、剥がれちゃってますよ?」にちなみ、キャスト陣がそれぞれの現場の裏の顔をフリップに書いて暴露するコーナーも実施された。「お付き合い」と書いた水上は、「業界用語で、カメラに映っていなくても、目線のお付き合いをすることを“お付き合い”というんです。ここにいらっしゃる先輩方は、“お付き合い”を当たり前のようにやられる。さすがと言うか、ステキだなと思いました」としみじみ。「ちょっと違う暴露かもしれませんが、“お付き合い”をしない役者っているんですよ。簡単に控室に戻る役者っているんです」とぶっちゃけて会場を笑わせながら、「この現場では、お三方が『いるよ、いるよ。当たり前じゃん』と(“お付き合い”してくれた)。僕はそれが忘れられないです」と先輩たちの姿勢に惚れ惚れとしていた。

商業デビューを果たした武井佑吏監督
商業デビューを果たした武井佑吏監督

最後に水上は、改めて「娯楽として笑っていただけると、本当にうれしいです。コメディです」と語り、「真剣に、人の滑稽さというものをみんなで作り上げました。どうぞ楽しんでください」と呼びかけた。武井監督は「ここにいる皆さん、全員が笑って帰れるとは思っていなくて。このなかの数パーセントの人だけでも、なにか刺さるものがあったらうれしい。これが“おもしろい”と思えたのが、偉いとか偉くないということではなく、何人かに刺さったらうれしいなと思います」と願い、大きな拍手を浴びていた。

取材・文/成田おり枝

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