1. トップ
  2. エピソード
  3. 「私、あの家の前は通らないの」玄関前を通るたびに光るインターホン。だが、住人の発言に背筋が凍ったワケ

「私、あの家の前は通らないの」玄関前を通るたびに光るインターホン。だが、住人の発言に背筋が凍ったワケ

  • 2026.9.4

玄関の前を通ると、ランプが光った

以前住んでいたマンションは、同じ階に五世帯が並んでいました。

廊下の突き当たりにエレベーターがあり、私の部屋へ行くには何軒かの玄関前を通ります。

そのうち一軒だけ、扉の横に新しいモニター付きのインターホンがついていました。

前を通ると、小さなランプがピカッと光ります。最初は人が近づくと反応する機械なのだろうと思い、特に気にしていませんでした。

その家には年配の女性が住んでいて、廊下で会えばよく声をかけてくれました。

「お出かけ?」

「はい、ちょっとそこまで」

そんな短いやり取りをする程度です。引っ越して間もないころは、顔を合わせれば挨拶してくれる人がいることを、むしろありがたく感じていました。

ただ、何度か通るうちに気づいたことがありました。玄関の真正面まで行く前に、ランプが光るのです。

近づいた段階で反応する機械なのだろう。それでも、そのころは深く考えていませんでした。

誰にも話していない帰宅時間でした

ある朝、エレベーターを待っていると、その女性が玄関から出てきました。

そして何気ない口調で言ったのです。

「昨日は遅かったわね。23時過ぎに帰ってきたでしょう」

一瞬、何と返せばいいのか分かりませんでした。

前日は帰宅が遅くなりましたが、その時間を女性に話した覚えはありません。そもそも、帰宅してから誰とも会っていませんでした。

「ああ…はい」

それだけ答えてエレベーターに乗りました。

扉が閉まってから、昨日のことを思い返しました。外出するときも帰宅するときも、あの玄関の前を通っています。そして、そのたびにランプが光っていました。

もしかすると、あのインターホンで人の出入りが分かるのだろうか。

本当に見られていたのか、録画されていたのか、私には分かりません。それでも一度そう考えてしまうと、あの光が急に気になるようになりました。

私だけが気にしていたわけではなかった

それから私は、時間に余裕があるときは階段を使うようになりました。少し遠回りになりますが、女性の家の前を通らずに済みます。

そんなある日、同じ階の住人とエレベーターで一緒になりました。

何気なく廊下の話になったとき、その人が小さな声で言いました。

「私、あの家の前はなるべく通らないようにしてるの」

理由までは聞きませんでした。相手もそれ以上は何も言わず、エレベーターを降りていきました。

ただ、その一言で、自分だけが気にしすぎていたわけではないのかもしれないと思いました。

その後、私は別の場所へ引っ越しました。

あの女性が本当にインターホンを使って出入りを確認していたのかは、今でも分かりません。それでもマンションの廊下を歩くと、ときどき玄関脇の小さなランプに目がいってしまいます。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ