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50代男性「左肩が痛いだけ」救急車を要請。腫れや外傷もないが→救急隊が覚えた”重大な違和感”とは…

  • 2026.9.25
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。ライターのとしです。

救急現場では、傷病者が訴えている場所だけを見ていては、原因を見誤ることがあります。

今回は、左肩の痛みを訴えた50代男性について、外傷がないことをきっかけに救急隊が別の病気を疑った事案をご紹介します。

左肩の痛みを訴えた50代男性

あるとき、50代男性が左肩の痛みを訴えていると、妻から救急要請が入りました。

現場へ到着すると、男性は自宅リビングのソファーに腰かけていました。

意識はしっかりしており、救急隊からの問いかけにも問題なく答えることができました。

本人が強く訴えていたのは左肩の痛みです。

そこでまず確認したのが、転倒や打撲など、肩を痛めるようなきっかけがあったかどうかでした。

「転んだり、肩をぶつけたりしましたか?」

そう尋ねましたが、男性は「いや、何もしていません」と答えました。

見た目にも腫れや傷などの明らかな外傷はありません。

肩が痛いと聞けば、筋肉や関節などの問題を思い浮かべる人も多いと思います。

しかし救急隊として気になったのは、外傷のきっかけがないのに左肩に痛みが出ていることでした。

肩だけを見て終わらせない

救急現場では、「どこが痛いか」だけでなく、「いつから痛いのか」「どのように始まったのか」「ほかに症状はないか」といった情報も確認します。

今回も左肩だけに注目するのではなく、男性の既往歴や症状が出た時間、痛みの出方などを一つずつ確認していきました。

そのうえで、肩そのものの問題だけではなく、別の原因が隠れている可能性も考えました。

特に左肩の痛みは、場合によっては心臓の病気に関連して現れることもあります。

そこで救急隊は心電図を測定することにしました。

すると、心電図に心筋梗塞を疑う所見が確認されました。

この時点で、単なる肩の痛みとして見るのではなく、心疾患の可能性を考えて対応する必要があると判断しました。

心疾患に対応できる医療機関へ

救急隊は心電図の所見を踏まえ、心疾患に対応できる医療機関へ受け入れを依頼しました。

受け入れ先が決まると、男性を救急車内へ収容し、医療機関へ向けて出発しました。

搬送中も、意識状態や血圧、脈拍、痛みの変化などを継続して確認します。

幸い、搬送中に大きな容態変化はありませんでした。

医療機関へ到着後は、左肩の痛みから救急要請となったこと、転倒や打撲がなかったこと、心電図で心筋梗塞を疑う所見が見られたことなどを医師へ申し送りました。

その後、男性は詳しい検査を受け、急性心筋梗塞と診断されました。

痛む場所と原因が同じとは限らない

今回の男性は、「胸が痛い」とは訴えていませんでした。

救急要請のきっかけは、あくまで左肩の痛みでした。

そのため、もし「肩が痛いのだから肩の問題だろう」と決めつけてしまえば、心臓の病気を疑うタイミングが遅れていた可能性もあります。

救急現場では、傷病者本人の訴えを大切にしながらも、その言葉だけで原因を決めつけないことが重要です。

外傷がないことや、症状が出た経緯、既往歴などを一つずつ確認し、必要に応じて心電図などの観察を行うことで、見えてくるものがあります。

一見すると心臓とは関係がなさそうな左肩の痛みでも、重大な病気が隠れていることがある。

傷病者が訴えている場所だけにとらわれず、全身を見ながら考えることの大切さを改めて感じた事案でした。


ライター:とし

元救急隊員。消防で17年、主に救急隊として活動し救急救命士資格を取得。現場経験をもとに、救急の分かりにくい部分を一般向けに噛み砕いて発信しています。


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