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70代・紫苑さんの安くて体にいい自炊生活。60歳から始めた節約生活が、新しい世界を開くきっかけに

  • 2026.9.2

70代・紫苑さんの安くて体にいい自炊生活。60歳から始めた節約生活が、新しい世界を開くきっかけに

小さくて自由な暮らしを楽しんでいる女性に、今、注目が集まっています。自身の価値観を大切にして、心地よい毎日を送っている方たちを紹介する『60代からの小さくて自由な暮らし』(主婦の友社)から、紫苑さんの元気の秘訣を2回にわたって掲載します。まずは前編です。

profile
紫苑さん
しおんさん●東京都在住。フリーライターとして30 年以上活躍。58 才で始めた着物ブログが人気となり、現在は節約生活を中心とした情報を発信中。著書に『71歳、年金月5 万円、あるもので工夫する楽しい節約生活』(大和書房)、『72歳ひとり暮らし、「年金月5万」が教えてくれたお金との向き合いかた40 』(マガジンハウス)がある。
ブログ「ひとり紫苑・プチプラ快適生活の工夫」

長年フリーランスとして働いていたことから年金受給額は月5万円。この厳しい現実に嘆くどころか「今がいちばん楽しい」と、はつらつと答えてくれた紫苑さん。そのポジティブな考え方の根底には、ここ数年の節約生活で培った健やかな心身がありました。

「フリーランスという不安定な収入。それに加え、ひとりで子ども2人を育てていたため、常に漠然とした不安がありました。育児や自分の老後にかかる金額を数値化してしまうと、意気消沈するばかり。だからあえて見て見ぬふりをして生きてきたというところもありますね」

その不安が現実化したのは紫苑さんが60才を迎えてから。そのときの住まいである公団住宅の家賃を払い続けることが負担になってきたのだそう。

「悩んだあげく、64才のときに貯金をはたいて築40年の中古住宅を購入しました。一軒家を選んだのは管理費も修繕積立費もかからないから」

月々の家賃はかからなくなったかわりに貯金はなくなり、生活もギリギリ。そこに新型コロナウイルスが襲ってきて仕事が激減。ついに「年金月5万円」という現実に向き合わざるをえなくなりました。

月ごとの固定費をざっと算出してみると、ガス・水道・電気の光熱費が1万円、固定資産税・健康保険・介護保険・NHK受信料などの積み立て費が1万円、通信費が1万円で合計3万円。残った2万円が食費と交通費、医療費、生活費となります。そこで食費を1万円に設定して暮らしてみることに。このとき自らに課したのは、健康のために自炊して一日3食きちんと食べること。

「最初は1回の買い物に2000円ほど使っていましたが、それが1000円になり、買い物のコツをつかんだ今は、足りない食材を買い足すスタイルに落ち着いています。やってみてわかったのは、体にいいものは安価であるということ。満腹感も充実感もありながら、しかも長年悩まされていた過敏性大腸炎がこの食生活を送るうちに治ってしまいました。以前は調子が悪くなると年のせい、体質のせいなんて思っていたんですが、ほかでもない生活習慣のせいだったんですよね。体が元気になると、不思議とやる気も湧いてきて日々が楽しい。少ないお金でいかに生活を充実させるかを工夫することは、とても知的で創造的なこと。刺激を外に求めるのではなく、パッチワークのように自分色の日々をつないでいきたいです」

料理/ 食事

節約がきっかけで始めた安くて体にいい自炊生活は心身にも生活にも大きな変化をもたらしてくれました。料理は元気でいるための脳活でもあるのだと実感。

【1】ひとり暮らしは、自分が喜ぶ料理を楽しめばいい

「家族がいないと料理をする気が起きない」という声を聞きますが、私の場合、子どもが独立してからのほうが、気楽に料理に向き合えるようになりました。それに、ひとり暮らしこそ健康な体が資本。自炊は節約のためだけでなく、自分のために欠かせない行為ではないでしょうか。そのためには旬の食材が欠かせません。新鮮な食材は焼いたり、煮たりとシンプルに調理するだけでおいしいですから。しかも旬の食材はお買い得。100 円前後で売られている旬の食材と肉や魚、卵などのたんぱく質を使って、自分の口、体調に合う滋味ごはんを楽しんでいます。

【2】D I Y でキッチンを自分好みに

入居時はごく普通の白いキッチンでしたが、殺風景で寂しい感じがしたのでシンク下の収納扉に100 円ショップのウォールシートを貼ってみたらカントリー調の愛らしいキッチンに! 壁にもブルー系のタイルやシートをパッチワークのように貼って自分好みに。たったこれだけのことですが、キッチンが好きな場所になると、料理がより楽しくなります。

【3】イワシと鶏むね肉を食材の定番に

節約を始めた当初、ただ安いからと食材を買って、うまく保存できずに廃棄する羽目になった経験から、数字にとらわれるのではなく、栄養があって、おいしく食べきれる食材は何だろうということを念頭に買い物をするようになりました。野菜は旬のものを買うとして、献立のメインとなるたんぱく質をどうするかを考えた結果、イワシと鶏むね肉が定番に。どちらも塩麹につけておけば保存ができ、うまみもアップ。和洋中と何にでもアレンジ可能なところも気に入っています。今日はイワシのゴマ焼きと鶏むね肉のパン粉焼きを。

【4】お高い調味料はポイントで買う

古稀の誕生日に子どもたちがスマホをプレゼントしてくれ、それとともに15,000 円分ほどの楽天ポイントをゲットしました。このポイントで、節約生活では買うのを躊躇してしまうオリーブオイルやバルサミコ酢、米粉やおだしなどを購入しています。お得な上、料理の幅も広がり大満足。ネットに限らずいろいろなお店でポイント制度が導入されていますが、一時のお得感に惑わされず、上手に「ポイ活」をとり入れたいと思っています。

【5】調味料で味変を楽しむ

季節ごとに使う食材が決まってくるので、味つけには変化をもたせるようにしています。一般的な調味料に加え、よく使うのが塩麹やバルサミコ酢、シナモンなど。健康にいいといわれる甘酒を甘味料のかわりに使ったりもします。あと、風味を豊かにしてくれるにんにくオイルとしょうがはちみつも欠かせません。以前は、にんにくもしょうがも余ったら冷凍保存していましたが、オイルやはちみつにつけておくほうが匂いが飛ばず、使い勝手もいい。私の万能調味料です。

【6】作りおきはせず、冷凍保存も必要なときだけに

作りおきは便利ですが、その日の気分や体調で食べたいものが変わるので、切ったり、漬け込んだりした「半調理」の状態で保存するようにしています。毎度の料理の時短になってとても楽。冷凍庫の中身もひと目で何があるかわかるくらいの状態にしていて、今あるのは、うどんと自家製パンの耳、野菜くらい。ストックはともすると「食べなきゃ」という義務感が生まれてしまうので、ほどほどを心がけています。

※この記事は『60代からの小さくて自由な暮らし』主婦の友社編(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

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