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【EPOさん】が語るデビュー前夜の「ミラクル」山下達郎さんに直談判してカヴァー曲でデビューするまで

  • 2026.9.2

【EPOさん】が語るデビュー前夜の「ミラクル」山下達郎さんに直談判してカヴァー曲でデビューするまで

昨年デビュー45周年を迎え、10年ぶりとなるアルバム『EPOFUL』のリリース、記念ライブの開催と精力的な活動を展開するEPOさん。1980年代に颯爽とデビューし、数々のタイアップ曲をリリースするなど華々しい活躍だったが、決してすべてが順風満帆だったわけではない。EPOさんが歩んできた激動の日々について語ってもらった。

山下達郎さんへの直談判によりカヴァー曲でデビュー

「音楽は自分にとって心を支えてくれたもので、なくてはならないものです」

こう語るEPOさんはピアノを習い始めた3歳の時から、日常の何気ない出来事を歌にしていたほど、音楽は生活に欠かせないものだった。

「飼っている鳥の話や海に行った時の話など、日記みたいに出来事を歌にして、先生に聴いてもらったりしていました。その日にあったことや感じたことを歌にする遊びみたいな感じでしたね。特に好きだったのは山下達郎さんのシュガー・ベイブやユーミン。あとはカーペンターズも好きで、アメリカの70年代、80年代音楽にすごく影響を受けていると思います」

そんなEPOさんに最初の転機が訪れたのは高校時代。作曲家でアレンジャーの清水信之さん、ギタリストの佐橋佳幸さんと同じ都立松原高校に在学時、アマチュアバンド「Laugh」のピアノ&コーラスとして、ニッポン放送のアマチュア発掘番組「ライオン・フォーク・ビレッジ」のコンテストに出場して、見事に優勝を果たした。この出来事をきっかけに音楽関係者との接点が生まれ、1980年3月のデビューへとつながっていく。

「デビューが決まって、デビューアルバムの発売直前にRCAレコードで会議があって、アルバムはできそうだけど、シングルになりそうな曲がないから『シングルにできそうな曲を1曲頑張って作ってみない?』と言われたんです。でも、それまで人に聴かせるための音楽を作ったことがなかったので、シングルカットできる曲ってどうやって作るんだろう?と思って、どうしよう…と困ってしまいました」

自分の考えを整理するため会議室を出たEPOさんがエレベーターホールのベンチに座っていると、「ミラクルでした」と回想するまさかの出来事が起こる。目の前のエレベーターが開いて、憧れの山下達郎さんが降りてきたのだ。まったく面識はなかったものの、EPOさんの体は自然と動いていた。

「山下達郎先生が目の前に現れた時、『今だ!』って声が聞こえて、背中を押された気がしたんです。それで『今度デビューするEPOと言います。中学時代から大ファンで、DOWN TOWNをカヴァーさせてもらえないでしょうか』ってお願いしたんです」

この直談判を快諾してもらい、デビュー曲が憧れのシュガー・ベイブの「DOWN TOWN」に決まった。

「達郎さんと出会えたことも、あの楽曲をアルバムに入れさせてもらったことも、たくさんの方に聴いてもらえたことも、感謝の気持ちでいっぱいです。今でもあの時の喜びはずっと残っています」

宮田茂樹プロデューサーに鍛えられた日々

大きな目標が叶ったとはいえ、デビューはゴールではなくスタート。仕事として音楽と向き合っていく日々が始まり、EPOさんは音楽プロデューサー・宮田茂樹さんのもと、アーティストとしての土台を積み上げていく。

「宮田さんは歌詞も曲もアレンジも、クオリティに関してすごく厳しいので、何度も何度もダメ出しがあって、そのたびにやり直しという繰り返しでした。だからOKが出たらすごく嬉しくて、このプロデューサーに許可をもらえたら成長していけると思って取り組んでいました。嫌なこともありましたけど、本当に鍛えられたし、そのおかげで今の私があると思っています」

昨今はSNSやYouTubeの影響もあって、70~80年代のシティポップが、国内外の若者から支持を集めている。流行に左右されず、時が経っても廃れない楽曲とはどういうものなのか? このシティポップブームの背景をEPOさんは「丁寧に音楽を作っていたから」と考えている。

デビュー45周年記念の“おとなのためのシティ・ポップスアルバム” 『EPOFUL』(2025年10月1日発売)

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「ポップスってすごくシンプルで楽しい音楽なんですけど、実はすごく緻密な計算があって、設計図みたいなものなんです。宮田さんも本当に丁寧に音楽を作っていたし、アレンジャーの清水信之さんもそうです。昨年、『EPOFUL』というアルバムを作った時、私は大事なことを知りました。デモ音源は私が作ったのですが、いざレコーディングでミュージシャンの方たちにプレイしてもらうと、彼らがそこでアレンジという設計図の重要性を無視して、自己表現してしまい、私が理想としていた音源にならなかったんです。なんで成立しないんだろう?と思って、過去の信之さんのアレンジ譜面を見てみたら、すごく丁寧に緻密にメロディーや弾き方、リズムが書き込んでありました。この設計図通りに弾かないとPOPSとして成立しないようにできていました。なので、アレンジャーの指定通りにミュージシャンの方は演奏していました。この出来事で大事なことがわかったし、あらためて清水信之すごいなと思いました」

緻密に丁寧に作れた楽曲はいつの時代でも、どこの国でも、人々の心にしっかり届く。流行の波に流されることなく、聴き手の日常に寄り添い続けるEPOさんの音楽は、色褪せることなく、この先も愛されて続けていくのだろう。

PROFILE
EPOさん・歌手

えぽ●1960年東京都生まれ。1980年3月、シュガー・ベイブのカヴァー「DOWN TOWN」でデビュー。人気バラエティー番組「オレたちひょうきん族」のエンディングテーマとなった「土曜の夜はパラダイス」、資生堂CMソング「う、ふ、ふ、ふ」など、数々のヒット曲で人気を博す。1987年9月レコーディングで渡英。その後、当時ヨーロッパ最大のレコード会社Virgin UKと契動。活動の場をLONDONに移す。帰国後は通常のホールコンサートだけでなく、教会、病院、学校などでもライブ活動を行う。2025年にデビュー45周年を迎え、オリジナルアルバム『EPOFUL』をリリースした。また、セラピストの資格も有し、「歌」「音楽」を通じてのカウンセリングも行っている。カウンセリング・スタジオ Music &Dramaの予約、問い合わせはTEL046-877-5653 music.drama@eponica.netまで。

【Information】EPO コンサートツアー 2026 〜 ALL EPO SONGS リクエスト・ライヴ 〜

大阪 9月23日(水・祝) NHK大阪ホール 16:30開場 17:30開演
名古屋 9月26日(土) COMTEC PORTBASE 16:30開場 17:30開演
東京 9月29日(火) LINE CUBE SHIBUYA 17:30開場 18:30開演


https://epo-live.com/

撮影/本間寛 取材・文/佐久間一彦

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