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【箱崎ほか(出張)】スペシャルティコーヒーとエスプレッソの世界にハマる!

  • 2026.5.10

福岡県内の「リビング」という名がつくお店や施設・会社・団体を訪ね、その名の由来や取り組みを紹介していく「リビングさん探訪」シリーズ「We’re living!」。そろそろネタがなくなってきたか…と思いきや、ひたすら検索していて「living coffee」を発見! いかにもおいしそうな名前です。店舗を持たない出張スタイルで、主に日曜日に定期的に福岡市東区箱崎のカレー屋さんに出張していると聞き、出かけました。

“日曜エスプレッソ”@筥崎荘々

旧九州大学箱崎キャンパス正門のすぐそばにある、雑居ビルへやって来ました。

出典:リビングふくおか・北九州Web

この2階にある「筥崎荘々」はカレー屋さんです。カレーもとってもおいしそうでしたが、お客さんが多かったので今回はコーヒーのみに。

出典:リビングふくおか・北九州Web

「おすすめ!」と書いてある「オーロラ」を注文してみました。 え?マンゴーとリンゴのジュースに、コーヒー?合う?

出典:リビングふくおか・北九州Web

合う!見た目も夕日のように美しい。左のスプーンで混ぜていただきます

確かにマンゴーの味もコーヒーの味もします。これは衝撃でした! 「コーヒーの実はフルーツですから、合いますよ」。そう笑うのは北井栄美さん。「living coffee」のバリスタです。

ゆっくり話が聞ける別日に再訪。筥崎荘々にあるエスプレッソマシンと電動グラインダーを使って、コーヒーの作り方を実演してもらいました。

出典:リビングふくおか・北九州Web

電動グラインダーで豆を挽きます。元Appleエンジニア、ダグラス・ウェバーさんがコーヒーが福岡県糸島市で立ち上げたコーヒー器具メーカー〈Weber Workshops〉だそうです

出典:リビングふくおか・北九州Web

フィルターバスケットに入れた粉を、ムラをなくすためにコームでほぐして均一にします

出典:リビングふくおか・北九州Web

ディストリビューションツールを回し入れ高さを均等にしてから、タンパーで粉を押し固めます。マシンに入れるまでにこんなに手数がいるのを知りませんでした…

出典:リビングふくおか・北九州Web

説明しながら流れるように手際よく作る北井さん

出典:リビングふくおか・北九州Web

エスプレッソマシン。初めて間近で拝見しました。9気圧と高い圧力でお湯を通し抽出していきます。クレマ(泡)がふわふわでおいしそう!抽出の秒数や温度によって、味が大きく異なってくるそうです

「エスプレッソにどのくらいのミルクの割合を合わせていくか、作るコーヒーによって組み立てていくのがバリスタのお仕事です」と北井さん。カプチーノやカフェラテもエスプレッソで作るのですね。知りませんでした…。 この日はカフェラテ(600円)とカプチーノ(500円)を飲み比べさせていただきました。

出典:リビングふくおか・北九州Web

カフェラテとカプチーノの違いは、スチームミルクの比率と泡立ち加減の違い

出典:リビングふくおか・北九州Web

どうして絵が描けるのか不思議でしたが、これは注ぐ高さを調節することがポイント

出典:リビングふくおか・北九州Web

おお、美しい!こちらは「カプチーノ」です。口当たりもふわっふわ!

カフェラテは一般的にミルク多めですが、「living coffee」のカフェラテはコーヒーの味がしっかりめ。牛乳もコーヒーもどちらも飲みたい派にとっては、両方主張してくれるとてもありがたい味です。同じ材料なのに違いがはっきり分かりました。なかなかできない貴重な経験!

このほか、「季節限定のコーヒー」(650円)も提供。現在は新メニューの「メープルカルダモンのミルクブリュー」です。「季節限定の予定ですが、好評なので続けるかも…?」とのことでした。お湯を使わずに一晩じっくり低温の牛乳で抽出するので、とろっとした質感に。これだけでもおいしそうです…。

さらに自家製、カルダモンベースのオリジナルミックススパイス入りのメープルシロップを入れて…。

出典:リビングふくおか・北九州Web

二層になりました!これを混ぜていただきます

カルダモンの風味も予想より強烈すぎず、上品な存在感を放っています。飲んでいくうちにカルダモンが広がっていく感じです。「カレーのお供か、カレーの後に飲んでほしいので、口が辛い時に、ラッシー代わりにほっとしていただけるかな、と思って」と北井さん。おすすめは氷なしですが、もちろん暑い日、ゴクゴクっといきたい時は氷を入れて、とのことでした。次回は日曜日にカレーとこのコーヒーの組み合わせ、ぜひ試してみたいです。

コーヒーへの情熱の原点

実は北井さん、昔はコーヒーを飲めなかったというから驚きです。甘いお菓子を一緒なら飲める程度で、コーヒーを飲めると大人の仲間入りというか、かっこいい、と思っていたそうです。 また、カフェが大好きで、カフェ巡りをしたり、カフェでアルバイトをしていたことはあったけど、「コーヒーの魅力が分かっていないながらアルバイトをしていた」と振り返ります。

そんな北井さんが“コーヒー沼にハマった”きっかけは、福岡の大学を卒業後、地元に戻った時期に、実家近くのコーヒー豆屋さんに行ったことでした。ふと豆を買って家で淹(い)れてみた時に、「ブラックなのに甘い!今までのコーヒーと違う!」と驚き、その理由を知りたくて電話をかけたといいます。アルバイトができないかも聞いたけれどその時は求人がなく、他のコーヒー屋さんのアルバイトをしながら求人が出るのを1年半待ち、念願かなってそのお店で働けることに。そのお店のマスターは、実はCOE(カップオブエクセレンス)国際品評会の審査員で、現地に買い付けにも行き、世界レベルの素晴らしいスペシャルティコーヒー(※)を取り扱っていました。

※スペシャルティコーヒー…コーヒーの液体の風味(カップ・クオリティ)により判定された、消費者が美味しいと評価したコーヒーのこと。 SCAA協会に認定された審査員から80点以上の高得点を獲得した最高ランクのコーヒーで、コーヒーの豆(種子)からカップまでのすべての段階において一貫した体制・工程・品質管理が徹底していることが必須

マスターから豆や淹れ方などについて直接指導を受けることができ、充実した日々を送っていた北井さんですが、結婚のため再度福岡へ行くことに。「そのお店が大好きすぎて、お店から離れるのが悲しすぎて」と落ち込んでいた北井さんを見かねたマスターから、同じ高品質な生豆を扱う福岡のスペシャルティコーヒー専門店を紹介してもらい、コーヒーの勉強を続けることができました。 そこでは会社代表として日本のトップバリスタが集まるコンテストに2017年から出場。10分間でエスプレッソマシーンでカプチーノを4杯ずつ淹れながら、使っている豆や淹れ方などについての細かいプレゼンテーションをしていくという、ハードなコンテストでした。「味、抽出技術、プレゼンテーション能力、全部必要。伝えることの大切さを感じたのが、大会で培ったものです」

そのようにコーヒーに真剣に向き合っていく日々を送る中で、「逆に真剣に向き合いすぎて、目的というか、何のためにこんなに毎日頑張っているんだろうということを考え直した」のがコロナの時期。原点に返ろう、と独立し、「living coffee」の活動を始めました。

その原点は、「この素晴らしいスペシャルティコーヒーを1人1人の好みに合わせて淹れて、喜んでもらうことで、多くの方に知ってもらい、身近に感じてもらいたい」ということでした。「実家で何気なく淹れたコーヒーを家族が喜んで飲んでくれる。姉2人はブラック、父と母にはちょっとミルクを入れて、甥っ子姪っ子は当時幼稚園児だったので、たっぷりお砂糖にたっぷり牛乳、そしてちょっとコーヒーを入れて…家で淹れることを伝えたいからお店もいらない。いろんな人に会いに行こうと思ったんです」

「いろんなところでコーヒーを淹れたい」

コーヒー教室やワークショップに参加した人から「友達と一緒にまた楽しみたい」と出張の依頼をもらったり、市民センターや施設からワークショップの依頼があったり、インスタグラムで見かけたお店からケータリングの依頼があったり…とクチコミで活動を広げてきた北井さんですが、「日々、変わっていくコーヒーの世界。そろそろインプットが必要なので勉強したい」と現在、ワークショップの依頼は休止中(出張珈琲の依頼は受けています)。

また、イベント出店での出会いから、すてきなコラボも生まれています。使用済みのコーヒー豆袋をポケットサイズのポーチに生まれ変わらせて販売する「ビーンポケットプロジェクト」。アーティストのつしまかおりさん、ハンドメイド作家のとうあかねさんとのアップサイクルプロジェクトです。 「コーヒー豆の袋って、頑丈にできているのでもったいないんです。その先に、捨てる以外の未来があることを知っていただくきっかけになれば。私たちは逆に、これが作れなくなる未来を目指して地道に活動しています」と北井さん。

出典:リビングふくおか・北九州Web
出典:リビングふくおか・北九州Web

1つ1つ違って味があるポーチ。引き手は、なんとコーヒーフィルターの再生紙のビーズが使われています。このビーズを作っているcopare paperさんもバリスタだそうです。コーヒー愛にあふれている作品。「私はつくる才能がないので、つなぐ役。コーヒー屋さんに使用許可をとるのが私の役目です」と北井さん

3つの「リビング」

そうそう、話が面白すぎて聞くのを忘れそうになってしまいました。最後に今日のメインの質問を。「リビング」と屋号に付けた意図は?

出典:リビングふくおか・北九州Web

「簡単に言うと、“リビングルームにお伺いしますよ”、というのが一番。そして、“生きている”“コーヒーで生き生きとしている”、という生活をつくっていただきたいから。あとは、“生きているコーヒー”というか、“命の通ったコーヒー”というか、農家さんが栽培し収穫して、輸出業者、焙煎士、バリスタ、そしてお客様へ届く、ずっと人の手がかかっていると思えるから。その3つです。コーヒーっていろんな場にあって、面白いので、これからもいろんな方とコラボしたり、いろんなところでコーヒーを淹れたいなと思っています。どこかで出会えたらうれしいです」と北井さん。

コーヒーが苦手な人も、コーヒーが大好きな人も、生き生きと生きている北井さんに出会ってコーヒーのお話を聞いたら、きっと新しい扉が開くに違いありません! 5月も筥崎荘々への出店を予定、今後もイベントを計画中とのこと。これからもInstagramをチェックして、活動に注目していきたいです。

living coffee Instagram ホームページ ビーンポケットプロジェクト Instagram

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