1. トップ
  2. エンタメ
  3. 名女優が紐解く韓国時代劇の世界⑤チェ・シラ…あの頃キミは若かった

名女優が紐解く韓国時代劇の世界⑤チェ・シラ…あの頃キミは若かった

  • 2026.5.9

韓国史を飾った数々の女たち。その半生や功績は、数々の時代劇ドラマで映像化されているが、歴史人物を演じた女優たちは、どんな感想を持っているのだろうか。

その制作秘話も含めて、韓国の人気女優たちが語ってきた「時代劇論」を通じて、当時の女たちの生きざまについて考えてみたい。

『千秋太后」撮影報話と仁粋大妃ヘの想い

ベテラン女優のチェ・シラは『海神』『千秋太后』など時代劇にも数多く出演してきた。2012年には『仁粋大妃』でも主演(成人期)をつとめ、話題になった。

チェ・シラは1998年のドラマ『王と姫』でも仁粋大妃を演じていて、この役に扮するのは2度目だった。

「仁粋大妃は、女性としてはもちろん、母としての象徴と意義があふれた人物です。歴史的には息子(朝鮮王朝第9代王・成宗)を王にするために冷徹に戦う女性に思われがちですが、彼女は19歳で未亡人となり、2人の息子を育てながら苦労と孤独を味わったはず。その苦労と孤独を乗り越えた、強い母であり、女性だと思います」

強い母。その言葉に、チェ・シラが考える仁粋大妃の人物像が集約されている。また、今まで出演した時代劇を振り返り、このように語っている。

「王妃または太后などは、時代劇では権力を握る役で、日常生活や現代劇などではなかなかできない命令口調をしたり、王族の暮らしを疑似体験できたりするのが魅力です。とくに格式のある独特の言いまわしは、時代劇でしか使うことがありません。こうした時代劇特有の言いまわしで話していると、役と一体化できて、強い達成感を感じます。それも時代劇の魅力だと思います」

時代劇に意欲的に臨んでいる彼女だが、時代劇ならではの苦労も明らかにしている。

たとえば『千秋太后』については、こう話す。

「時代劇では衣装をつけるまでの準備に時間がかかるので、たいへんな面もあります。『千秋太后』はほかにも細かなことで苦労が多かった記憶があります」

ただ、『千秋太后』では達成感もあったという。

「千秋太后は、史実では不義の子を宿した”とか妖婦だ"などと、否定的な記録が残っています。ですがドラマでは、そんな千秋太后像を見直して、現代の女性にとっての生き方のモデルになるように描いています。私自身も作品を通して新しい女性像を提示したいと考えて、役に臨みました」

数多くの時代劇に出演してきたチェ・シラは、使命感のような思いをいだきながら、役に取り組んでいるのだ。

文=森下 薫

元記事で読む
の記事をもっとみる