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隣人「お宅の工事が悪い!」突然、上に乗っていた家が傾いた…?注文住宅営業の元上司が目撃した“異様な光景”

  • 2026.9.24
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、元注文住宅営業マンのホリカワです。

家が坂の途中や高台にあるなら、土地の端に擁壁(ようへき:崖や土の崩れを防ぐ壁)があるかもしれません。この擁壁を安全な状態に保つ責任は、擁壁のある土地の所有者・管理者または占有者にあると、行政は案内しています。ご存じでしたか。

国土交通省の発表によると、令和4年に起きた土砂災害795件のうち、525件は8月から9月の2か月に集中していました。今年のシルバーウィークは、この2か月のただ中にあります。もしシルバーウィークに帰省するなら、この機会に、擁壁に気になる変化がないか見ておいてはいかがでしょうか。

帰省の際に見てほしいポイントは4つ。ひび割れ、ふくらみ、傾き、そして水抜き穴です。5分もあれば、ひととおり見て回れるはずです。

上司が「土地を見るなら擁壁を見ろ」と言い続けた理由

注文住宅の営業マンをしていたころ、お客さまの土地探しに同行することがありました。その際、必ず擁壁の有無を確かめ、擁壁があれば先ほどの4つの項目をチェックしていました。

なぜなら、上司から、そうするように口酸っぱく言われていたからです。上司は過去に、建築現場でお隣の擁壁が崩れる事故に遭遇したことがあり、その光景と教訓を生々しく語ってくれました。

土砂が流れ出し、上に乗っていた家は傾いたそうです。「お宅の工事が悪い!」「擁壁の管理の問題では?」と大きくもめ、上司はそれ以来、土地を見るとき必ず擁壁を見るようになったといいます。

擁壁は、家を買った人も建てた人も「自分のもの」という意識が薄いものです。そのため、家ほどきっちりと点検されないこともあります。しかし、事故が起こると被害は甚大です。

石を積んだだけの擁壁と、ふさがっている水抜き穴は注意

では、どんな擁壁が崩れやすいのでしょうか。

国土交通省は、石を積んだだけの空石積みや、既存の壁の上に積み増した擁壁で、地震のとき多くの被害が出たと説明しています。

実家の擁壁がどの型か、親と一緒に確認しておきましょう。型がわかれば、あとで相談するときの材料になります。

水抜き穴は、土にしみた雨水が壁を押す力を逃がすためにあります。

たとえば横浜市は公式Webサイトで、「隣の擁壁から水が出る」という相談に「安全上重要な役割の穴なので、ご了承ください」と答えています。それほど、水が出るのが前提の穴なのです。

帰省中の5分で、擁壁の状態を確かめる

帰省する機会に、擁壁の全体を見てください。

ひび割れ(目地に沿ったものも含めて)、ふくらみ、傾きがないか確認しましょう。ふくらみは正面からではわかりにくく、少し離れて斜めから見るとわかりやすいです。

水抜き穴は、ふさがっていないか

水抜き穴もよく確認したいところです。土や植物でふさがっていないでしょうか。雨のあとに、ちゃんと水が出ているでしょうか。

穴がない、または全部ふさがっている擁壁は、改善の優先度が高いといえます。

近づきすぎない(見るのは離れた場所から)

ただし、近寄りすぎは禁物です。がけ地は、風化が進むと雨が降っていなくても突然崩れることがあると、行政は注意しています。

擁壁から離れた場所で短時間で確認し、写真を撮ったら離れましょう。あわせて、擁壁の真下に長く立たない、上端に立たない、大雨の最中と直後は近づかないことも守ってください。

誰の擁壁かを聞き、写真を撮っておく

気になる部分は、引きと寄りで撮影しておきましょう。寄った写真だけだと、あとで見返したときにどの部分かわかりづらいからです。

親に「いつできたか」「メンテナンスしたことがあるか」「書類はあるか」を聞いておくことも大切です。擁壁の危険度は、型と年代で変わる場合があるからです。

念のため、誰の擁壁かも確認しておきましょう。中には、自分のものかお隣のものか、わかりづらい擁壁もあります。お隣のものかもしれないときは、写真を撮る前に親へ確認を。

気になったら、自治体の窓口へ

気になる点があれば、自治体の窓口へ。世田谷区や港区など、工事費の補助だけでなく、専門家を派遣したり相談会を開いたりしている自治体もあります。

あわせて、実家が土砂災害警戒区域かどうかも、ハザードマップで確かめておきましょう。

参考:ハザードマップポータルサイト(国土交通省・国土地理院)

擁壁の変化は、たまに帰省する子どもの目だから気づきやすい

擁壁が崩れると、敷地ごと動くことがあります。しかし、そこで暮らしている人は、ジワジワ進行する異変に気づきにくいもの

たまに帰省する子どもの目のほうが、問題に気づきやすい場合があります。次の帰省で、玄関に入る前に、土地を支える壁を見上げてみてください。

ひび割れやふくらみはないか、雨のあとに、水抜き穴からちゃんと水が出ているか。それを確認するだけでも、一大事の予防につながります。

参考:
あなたの家の擁壁は大丈夫?(神奈川県)
令和4年の土砂災害発生件数は795件(国土交通省)
宅地擁壁について(国土交通省)
Q4-2 隣地の擁壁の穴から水が出てきますが、どうにかなりませんか(横浜市)
がけ・擁壁の安全点検(新宿区)
擁壁(ようへき)の安全に関すること(船橋市)
急傾斜地(がけ地)を所有されているみなさまへ(点検時のポイント)(小田原市)
敷地の擁壁や斜面(がけ)の適切な維持管理について(世田谷区)
がけや擁壁の安全対策(港区)


ライター:ホリカワ ダット
注文住宅の建築会社に営業職として従事したあと、SEOライターとして独立。500組以上の家づくり相談に携わった経験をもとに、「マイホーム取得を少しでもラクに」をテーマに、住宅ジャンルの記事を幅広く執筆中。インテリアコーディネーター/1級カラーコーディネーター(商品色彩)資格保有。


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