1. トップ
  2. 住まい
  3. 娘「パパ、またあそこ出てるよ!」隣の竹林に惹かれて戸建てを購入→入居3年目、44歳男性を襲った“大誤算”

娘「パパ、またあそこ出てるよ!」隣の竹林に惹かれて戸建てを購入→入居3年目、44歳男性を襲った“大誤算”

  • 2026.11.3
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。住まいを探す際、窓から豊かな緑が見える環境に心惹かれる方は多いのではないでしょうか。

休日に家族と庭で過ごし、自然を身近に味わえる暮らしは戸建てならではの楽しみといえます。今回は、そんな環境が気に入り中古の戸建てを購入したものの、隣の竹林が原因で思わぬトラブルに見舞われた事例を紹介します。

入居3年目の春に芝生の庭へ突き出てきた竹の子

会社員のMさん(44歳)は3年前、妻と小学生の娘と暮らすため、郊外にある中古の戸建てを購入しました。敷地の北側には隣の土地の竹林が広がっており、風に揺れる涼しげな景色を家族全員で気に入っていたそうです。

ところが、入居から3年目の春、手入れをしていた芝生の庭でMさんは異変に気づきます。地面から茶色い竹の子が何本も顔を出しており、リビング前のウッドデッキの下からも細長い竹が生えていたのです。

Mさんが根元を掘って確認すると、隣の竹林から土の中を横方向へ這うように広がる竹の地下茎が、敷地の境目を越えて侵入していました。遠方に住む高齢の所有者を調べて連絡すると、電話口で丁寧に謝罪されました。「遠くに暮らしていて、なかなか手入れまでは手が回らなくて申し訳ありません」と事情を打ち明けられました。

民法の規定では、隣地から境目を越えて入り込んできた木の根は、自分の判断で切り取ってよいとされています。Mさんは週末にスコップで竹の子を掘り起こし、硬い根を苦労して切り落としました。

根を切った翌月に再び生えてきた竹と30万円の工事

これで一安心だと思っていた翌月の週末、庭で遊んでいた娘が「パパ、またあそこに出てきてるよ!」とMさんを呼びました。慌てて駆け寄って足元を見ると、先月掘り返した場所とは別の芝生を突き破り、新しい竹の子がいくつも頭を出しています。

「あんなに苦労して切ったのに」と、Mさんは掘り返した跡を見下ろしました。自分たちの手には負えないと感じたMさんは、地元の造園業者を呼んで庭の状況を見てもらうことにします。

庭のあちこちを確認した業者の担当者は、Mさんに「根を切るだけでは、また出てきます」と告げました。土の中で網の目のように広がる竹の根は生命力が強く、表面に近い部分を切ったくらいでは成長を止められないそうです。

対策として提案されたのは、隣地との境目に沿って地面を深く掘り、根の侵入を遮る専用のシートを埋める工事でした。Mさんは北側の境界に沿った約15mの区間に、深さ1mほどまでシートを埋め込む作業を依頼します。

工事にかかる費用は約30万円にのぼります。越境した根による被害のため、法律上は隣地の所有者に費用を請求できる可能性もあります。ただ、遠方に住む高齢の所有者と費用の分け方を話し合っている間にも、竹の子は次々と伸びてきます。Mさんは話し合いを待たずに工事を進めることにし、費用は全額自分で払いました。

竹林に面した家は内見で境界沿いの地面を見る

緑が身近にある暮らしは魅力的ですが、竹林に面した家を購入する際は、事前の入念な確認が欠かせません。物件を内見する際は、隣地との境目に沿った地面を見て、竹の子や細い竹が出ていないかを確かめてください。ただし地下茎は地面の下で伸びるため、Mさんの家のように数年経ってから出てくることもあります。

あわせて、仲介会社の担当者に依頼して「隣の竹林は、普段どなたが手入れをしていますか」と売主側へ確認してもらうことも大切です。手入れをする人がいなければ、竹の根は境界を越えて広がり続けます。

参考:
越境した木の枝等の切取り(広島市)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


【エピソード募集】ご近所・引っ越し・内見で…「えっ!」と思った体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる

注目コンテンツ