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「しまった…」父親が遺した実家を売却した54歳男性→引き渡しから2か月後、長雨によって発覚した“手痛い見落とし”

  • 2026.11.3
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。親から実家を相続したものの、すでに自宅があるため手放す選択をする方は、多いのではないでしょうか。

引き渡しが済んで安心した頃に、売主が対応を求められることもあります。今回は、相続した実家を売ったあと、思わぬ出費に見舞われたエピソードを紹介します。

実家を相続し売却へ

会社員のYさん(54歳)は都内で妻と暮らしています。Yさんは、父親が一人で住んでいた木造2階建ての実家を相続し、昨年手放すことにしました。晩年の父親は足腰が弱まり1階のみで生活していたため、2階へ上がる機会はほとんどなかったそうです。

売却にあたり、Yさんは建物の状態を買主へ伝える「告知書」の記入を求められます。担当者から「これまでに雨漏りや設備の故障があれば、すべて記載してください」と案内を受けました。

遺品整理で何度か実家へ通っていたYさんですが、片付けたのは主に1階で、雨漏りなどの異常は見当たりません。そのため告知書には、自身が把握している範囲で雨漏りはないと記して提出しました。

契約には、引き渡し後3か月以内に雨漏りなどが見つかった際、売主の負担で補修する特約がついていました。その後、引き渡しまで滞りなく完了し、売却手続きは無事に終わったかに見えました。

引き渡し2か月後に届いた雨漏りの連絡と修理費の請求

引き渡しから2か月が過ぎた梅雨の時期、仲介会社の担当者からYさんのもとへ電話が入りました。「買主さんから、2階の天井から雨漏りしていると連絡がありました」と告げられます。

詳しく話を聞くと、梅雨の長雨によって、2階にある和室の天井に水染みが大きく広がってきたそうです。電話を切ったYさんは、そばにいた妻へ「2階の天井なんて、まったく見ていなかったよ」と話しました。

後日、業者が現地を調べたところ、以前から屋根瓦の一部に割れが生じており、そこから雨水が浸入していたことがわかりました。普段の雨では症状が出ず、入居した買主もこの長雨で初めて異常に気づいたそうです。

担当者からは「特約どおり、引き渡し後3か月以内の雨漏りですので、売主様のご負担で直す必要があります」と説明されました。Yさんは契約の内容にしたがい、屋根と天井の修理費用として約40万円を支払う結果となりました。

売る前に使っていなかった部屋の天井まで見ておく

親が晩年に使っていなかった部屋は、家族も中の様子を知らないことがあります。売る前に家の状態を確かめておけば、引き渡しのあとに買主から修理を求められる事態を防ぎやすくなります。

まず大切なのは、実家を売りに出す前に、使われていなかった空間の天井や押し入れの内部まで自分の目で点検することです。水染みの跡が残っていないか、湿気やカビの臭いがしないかなど、隅々まで見て回りましょう。

また、建築士などの専門家が建物の劣化状況を診断する「建物状況調査」を依頼できるか、仲介会社へ相談する方法も有効です。売る前に専門家に建物の状態を見てもらえば、天井の染みや雨漏りの跡など、自分では気づきにくい傷みが見つかる場合があります。

傷んでいる箇所が正確にわかれば、告知書に書いて買主に伝えたり、売る前に直したりすることも可能です。

参考:
「不動産取引の手引き」10 引渡し後に不具合・欠陥が…(東京都住宅政策本部)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)

大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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